こんにちは。HCnetの山下です。
今回は「睡眠障害」がテーマです。
睡眠をテーマにしてから3回目となりますが
1回目は睡眠が「肉体的及び精神的な疲れ
からの回復」という人間にとって必要不可欠
な役割を担っているということを述べました。
2回目は睡眠を促すホルモンとして「メラトニン」
というものが分泌され、これによって「眠気」
が誘発されるということを述べました。
それらを踏まえた上で今回の「睡眠障害」
を考えると、「睡眠障害」は「メラトニン」の正常
な分泌が阻害されることによって引き起こされる
あるいは、「睡眠障害」を起こすことによって
疲れから回復するチャンスを失ってしまう
という推測が成り立ちます。
睡眠障害の内訳ですが、不眠症、過眠症
睡眠リズム障害などが主な症状です。
とくに一般の人が悩まされるのは「不眠症」
でしょう。不眠症にも様々なパターンがあるの
ですが、主だったところでは「精神生理性不眠症」
や「睡眠時無呼吸症候群」があります。
実は「精神生理性不眠症」が不眠症で最も多い
パターンです。具体的には「眠ろうとすればするほど
よけいに眠れなくなる悪循環」のことを指します。
みなさんの多くも経験があることではないかと思います。
明日仕事が早いから眠らなければならないのに
そのことがプレッシャーとなって眠れないようなことが。
このようなパターンの場合、眠ることにこだわりすぎない
ことが大切です。何時間眠らないといけないなどの
こだわりは捨てて、いったん起きて何か作業をしたり
リラックスできることをすることで解決することが
多いのです。
次に「睡眠時無呼吸症候群」についてです。
これはご存じの方も多いと思います。
睡眠時に呼吸が停止し、途中で覚醒するために
日中にひどい眠気におそわれることが多くなります。
呼吸停止後に呼吸が再開されるとき激しいいびきを
かくことが特徴的です。50歳以上の中高年男性
に有病者が多く男性の2~4%程度、女性の0.5~2%
程度が有病者と推定されています。
睡眠時無呼吸症候群の予防としては、肥満の方に
有病者が多いことからも減量や飲酒・喫煙の節制
など生活習慣の見直しが効果的です。
また、仰向けに寝ると気道が狭くなるため横向きで
気道を確保することも有効です。
また、睡眠ホルモンである「メラトニン」が不足すると
当然不眠症の原因となり得ます。どのような行動が
メラトニンの分泌を促進しまたは阻害するのでしょう。
メラトニンがどのようなメカニズムで眠気を誘発
するかといいますと、体の奥深くの部分の体温、い
わゆる「深部体温」を低下させることによるのです。
「深部体温」をよりきちんと低下させるためには
睡眠の1~2時間前に入浴をすることが効果的で
あると言われています。
次に、前回のブログでも申し上げたように、
「メラトニン」はトリプトファン(アミノ酸)⇒セロトニンと
経由して分泌される物質です。
ですのでトリプトファンとセロトニンの量を十分に
することがメラトニンの量の確保につながります。
トリプトファンは必須アミノ酸ですので食事から
摂取することになります。具体的には大豆製品
・乳製品、マグロ、レバー、バナナなどが挙げられます。
また、セロトニンの分泌量を促進させるためには
朝の日の光をきちんと浴びて、昼間は活動的に動く
ことが大切となります。
逆に「メラトニン」の分泌を抑制するため避けた方が
良い行動は、コーヒー、アルコール、たばこの過剰摂取
と長時間の昼寝です。昼寝が多すぎると活動ホルモン
であるセロトニンの分泌が抑制されてしまうのです。
昼寝は30分を目安としましょう。
最後に不眠症がもたらす悪影響についてですが
まず、日中に眠気を起こして、決断力、集中力
思考力がなくなること、仕事の意欲が下がる、
更に恐ろしいのが交通事故の発生件数が倍増
するということです。スリーマイルの原発事故や
スペースシャトルチャレンジャーの爆発事故
は睡眠による問題が引き起こしたと言われています。