こんにちは。HCnetの山下です。
前回は、ストレスというものが、外部環境の脅威
から身を守るための生体反応であることをお話し
し、外部環境を脅威でないものとしていくことで
ストレスを軽減させていくという「自己管理」の
考え方があり、それを「ストレスコーピング」と呼ぶ
というお話をして参りました。
今回は、具体的にどのように「ストレスコーピング」を
進めていくかを考えます。
コーピングについては2段階の評価プロセスから
成立ちます。
第一段階は「あることがらが自分にとって脅威となるか
どうかを評価する」
第二段階は「その脅威を自分でコントロールできるかを
評価する」です。
その評価に基づいてストレス対応(コーピング)戦略
を選択することになります。
第一段階の具体的な進め方ですが、例えば「ストレス管理
ノート」を作り、ある1日を選び、その日に感じた「気がかりなこと」
を意識してノートにその都度書き込むようにします。
記入例として
午前6時30分 雨が降っている。道がこむだろう
午後1時 夫とランチを食べたかったが、彼は間に合わなかった
午後8時 請求書を見たら、先月のガス代が思っていたより高かった
そして個々の「気がかりなこと」について次の質問を投げかけます。
1.ここで問題になるのはどんなことか。私は何を失うか。このこと
は私をどう傷つけるか。
2.この出来事により、何か悪いことが生じる可能性はどれくらいか。
ノートに書き留めて改めてこれらの質問を問いかけてみると、実際に
これらの状況に出くわしたときよりも、「何かを失う」とか「何か悪い
ことが生じる」危険性が少ない事が分かってくるはずです。
練習を積めばストレスが生じている最中に上記の質問を自らに投げかけ
てストレスを事前に食い止めることができます。
次に第二段階です。第一段階で自分に対する脅威だと評価した場合
にこちらに進みます。そして次の質問を投げかけます
1.自分にはこの状況をコントロールする余地があるだろうか、そして
脅威のレベルを下げることができるだろうか
2.この出来事とその結果が引き起こす感情をコントロールできるだ
ろうか
コントロールが可能な場合は、改善につながる直接的かつ積極的
なコーピングぷろーちをとるのが最善です。逆に、災害などコントロール
の余地のない出来事が原因の場合は、感情的な反応を癒すような
受動的な戦略をとるのがベストです。