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「HCnet」社のブログ

ハローコールネット(HCnet)社の運営するブログです。
シニア向けの健康・生活情報を中心に日々の様々な
出来事を日記風に綴っていきます

こんにちは。HCnetの山下です。


今回は、前回に引き続きビタミンのお話です。

「水溶性ビタミン」について説明します。


まず、ビタミンの定義について改めると


ビタミンとは微量で生体内の代謝を含めた生理機能

を潤滑に行わせるために必要不可欠な有機化合物。

となります。


「水溶性ビタミン」とは、文字通り、水に溶けやすいビタミン

で、尿に溶けて体外に排出されやすくなります。

そのため、体には蓄積されにくく、常に食品から補充して

いかなければなりません。

また、水に溶けやすいため、食品を茹でたり煮たりして

調理をする、あるいは強く水洗いをすることで栄養素は

外に溶けだしてしまいます。


さて、個別に検討していきたいのですが、「水溶性ビタミン」

については、全部で9種類あって、健康予防管理専門士

や栄養士などの受験生はこれをまとめて覚えています。

すなわち「ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12


ナイアシン、葉酸、パントテン酸、ビオチン、ビタミンC」

の9種類です。


それぞれ確認していきましょう。


ビタミンB1・・・糖質の代謝に必須のビタミンとなります。

         糖質についてのブログにも書きましたが、人体が

         糖質を摂取するとブドウ糖のかたちで全身の細胞

         に運ばれてエネルギーの源となります。ビタミンB1

         はブドウ糖の運搬を手助けします。

         アルコールや糖質を過剰摂取をすると、それだけ

         ビタミンB1が消耗されて不足がちになります。

         また、糖尿病患者の場合は、ブドウ糖の各細胞への

         運搬にもともと問題をもっているため、より多くのビタミン

         B1を必要とします。


         ビタミンB1を多く含む食品は、豚肉類、たらこ、うなぎ、

         玄米、インスタントラーメン、きな粉、干しシイタケ、まいたけ

         えのき、マッシュポテトなどです。

         ビタミンB1が不足するとエネルギー不足で疲れやすくなり

         ます。


ビタミンB2・・・脂質の代謝に必須のビタミンです。脂肪酸ならびにアミノ

         酸を合成します。ビタミンB1と同様にエネルギーの源

         として欠かせません。もう一点、細胞の成長再生を促す

         という重要な働きがあり、不足すると成長障害をおこす

         場合もあります。

 

         ビタミンB2を多く含む食品は、レバー、うなぎ、納豆、たまご

         インスタントラーメン、しいたけ、いわし、さば、などとなります。

         ビタミンB2は強い光によって分解されやすいので、光を

         通さない場所に保存する必要があります。


ビタミンB6・・・タンパク質の代謝に必須のビタミンです。タンパク質はアミノ酸

         の組み合わせからできていますが、タンパク質をアミノ酸に分解

         し、あるいは逆にアミノ酸をタンパク質に合成する働きを補う

         のがビタミンB6です。ビタミンB6が不足すると、

         タンパク質から成り立つ体組織やヘモグロビン、神経伝達物質

         に悪影響があります。例えば、神経伝達物質の一つに

         神経の興奮を抑える働きを持つものがありますが、ビタミンB6

         の不足によって神経が興奮してけいれんを起こす場合が

         あります。また、ホモシスティンというアミノ酸の血中濃度が

         高まることによって動脈が狭窄して心筋梗塞や脳卒中のリスク

         が高まることがあります。これもビタミンB6の不足がもたらす

         リスクです。逆に過剰摂取による神経疾患のリスクもあります。

         ビタミンB6を多く含む食品は、まぐろ、かつお、レバー、とうもろこし

         玄米、きなこ、するめ、干しシイタケなどとなります。



ビタミンB12・・・細胞が正常に代謝するために不可欠なビタミンです。

          すなわち、DNAの合成・調整に深くかかわっています。

          また、血中のヘモグロビンの合成や神経の正常な働きにも

          寄与します。

          ですので、ビタミンB12が不足すると悪性貧血(巨赤芽球性

          貧血という)を引き起こし、神経の働きが鈍ることによる

          肩凝り、目の疲れ、しびれなどを引き起こします。

          ビタミンB12を多く含む食品は、あさり、はまぐり、牡蠣などの

          貝類、レバー、煮干し、いわし、焼き海苔などです。

          ポイントとして、野菜や果物にはほとんど含まれていないこと

          が挙げられます。菜食主義者がB12不足に陥ることがあります。


ビタミンC・・・ビタミンCはみなさんにも馴染み深いですよね。でも、その働きは

        詳しくは知らないのではないでしょうか。まず、活性酸素から体を

        守る抗酸化物質であることが挙げられます。前回のブログでは

        「脂溶性ビタミン」の説明をしましたが、ビタミンAとビタミンEにも

        抗酸化作用がありました。これら3つを合せて「ACE(エース)」

        と俗に呼ばれ、抗酸化トリオとでも呼ぶべきビタミン群です。

        次に、コラーゲンの合成という効果もあります。コラーゲンはご存じ

        のように健康で美しい肌を保つのに不可欠です。

        さらにコラーゲンは体内のタンパク質でも多くの割合を占め、人体

        の組織維持に欠かせません。すなわちビタミンCを摂取することで

        骨折の修復や傷の治癒などが促進されます。逆にビタミンCが不足

        すると、体の組織のあらゆるところに弊害が生じてきます。一般に

        ビタミンC不足に起因する体の不調を壊血病と呼びます。

        さらにビタミンCの鉄分吸収促進効果も見逃せません。

        鉄分の吸収を助けることにより、貧血を予防することができます。

        ビタミンCを多く含む食品ですが、ピーマン、パセリ、キャベツ、レモン

        柿、キウイ、いちご、ブロッコリー、カリフラワーなどが挙げられます。

        さきほど説明したビタミンB12とは逆に野菜と果物に主に含まれて

        いるビタミンです。


葉酸・・・細胞の正常な代謝に必要なビタミンの一種です。また、赤血球を作る作用

     があり、巨赤芽球性貧血の治療に利用されます。

     葉酸については通常不足はしないのですが、妊娠中の女性は通常の2倍

     の葉酸が必要となり不足しがちとなります。妊婦の葉酸が欠乏すると

     胎児が神経管の欠損を起こす可能性があり、無脳症などの奇形となって

     生まれることもあります。そのため厚労省は妊娠可能性のある女性の予防

     目的で食品からの葉酸摂取に加えてサプリメントからの摂取をすることを

     通知しています。葉酸を多く含む食品は、アスパラガス、ブロッコリー、ほうれんそう

     えだまめ、オクラ、春菊、うなぎ、うに、レバー、納豆、甘栗、焼き海苔、きなこ、いちご

     などです。










  



ナイアシン・・・細胞のエネルギー産生、細胞機能維持に不可欠なビタミンです。

         ナイアシンが不足すると、舌先が赤くはれたり、皮膚がやけどしたよう

         に赤くなったりすることがあります。また、幻覚などの神経症状や

         下痢などの胃腸症状を引き起こす場合もあります。これらのナイアシン

         不足による一連の症状を「ペラグラ」と呼んでいます。

         ナイアシンを含む食品ですが、ナイアシンはトリプトファンという動物性

         タンパク質に含まれるアミノ酸から合成されるため、動物性蛋白質

         が豊富な肉や魚を摂取すれば問題なしです。


ビオチン・・・卵黄の中から発見され、皮膚炎の予防に効果があります。

        しかし、卵白の中にビオチンの吸収を阻害する物質があり、卵の食べ過ぎ

        によりビオチン不足に陥る可能性があります。これを卵白障害と言います。

        卵白障害により、皮膚炎、結膜炎、白髪の増加などの症状が発生します。


パントテン酸・・・ギリシャ語で「いたるところにある」という意味で、その名の通り

           あらゆる食品に含まれているため、不足することはまずありません。

          その効果としては、エネルギー代謝への関与、脂肪酸の合成、

          善玉コレステロール(HDL)の増加、抗ストレスなどがあります。





以上でビタミンの全種類を一通り説明させていただきました。

ビタミンは主たる栄養素というよりも他の栄養素の働きを補う「潤滑油」

的な役目を担っています。縁の下の力持ちといったところですが

潤滑油なくしては全体の働きもストップしてしまいます。極めて重要な

栄養素といえるでしょう。