こんにちは。HCnetの山下です。
いよいよ6大栄養素の説明は佳境に入りました
人体の構成元素は酸素(65%)、炭素(18%)
水素(10%),窒素(3%)で大半を占めていて、
これらの元素は水及び有機化合物の構成成分
として存在しています。
有機化合物とは、炭素を有する化合物のことで
今まで学習した栄養素(たんぱく質、脂質、糖質
ビタミン、食物繊維)は全て有機化合物に該当
します。「ミネラル」とは人体に含まれるその他
の元素のことで、炭素を含まない無機質の
総称です。
それでは順番にみていきましょう。
ナトリウム・・・身体を構成する体液は細胞内液
と細胞外液に大別されますが、ナトリウムイオン
は細胞外液の主体となります。腹腔や胸腔
骨や結合組織に含まれる水分にもナトリウム
イオンが存在しています。
ナトリウムの役割ですが、その一つは「細胞外の
浸透圧の調整」です。細胞内外の浸透圧は
溶液(物質が液体に溶けた状態)の濃度によって
決まります。濃度が薄い方から濃い方へと溶液
は移動します。もし、細胞内の濃度が極端に高く
なれば、外部から液体が侵入して細胞は膨らみ
破裂してしまいます。逆の場合は、細胞内から
水が抜けて細胞はしぼんでしまいます。ナトリウム
はそのバランスを保つ役割を主に細胞外にて
担っています。
次に重要なのは「体液のPH値」の維持です。PH
とは水溶液中の水素イオンの酸性・アルカリ性の
度合いのことです。体液のPHは7.4前後に保たれ
ていますが、これにナトリウムが大きくかかわって
きます。PHのバランスが崩れると下痢や嘔吐
脱水などの症状が現れます
その他神経や筋肉の興奮を鎮める、カルシウム
や他のミネラルの吸収を補うなどの重要な役割
があります。
ナトリウムとは食塩に多く含まれており、一般的
には過剰摂取が心配されます。ナトリウムの過剰
により、高血圧や動脈硬化が促進されるだけでなく、
骨粗しょう症の危険因子ともなります。
カルシウム・・・ナトリウムと違って日本人に不足しが
ちなミネラルがカルシウムです。人体においては
99%がリン酸カルシウムという形で骨や歯に存在
します。残りの1%は血液、リンパ液、筋肉に存在しま
す。この残り1%が生命維持に重要な役割を担います。
すなわち、血液凝固、筋肉収縮、神経伝達、心拍動
に関係しています。ですから、カルシウムの不足に
備えて人体にはカルシウム濃度を調整する機能が
あります。
カルシウムが不足した場合、①骨からのカルシウム
放出が増える ②腸からのカルシウム吸収率が上昇
する ③腎臓からのカルシウム排泄が減少する
といった具合です。
不足しがちなカルシウムの欠乏の原因をまとめますと
①食事からのカルシウム摂取の不足
②胃液分泌量の低下
③ビタミンDの摂取不足
④日光浴の不足
⑤ほうれんそうのシュウ酸がカルシウム吸収を阻害
⑥ハム、ソーセージインスタントらーめなどに
ふくまれるリンがカルシウム吸収を阻害
⑦ストレス、運動不足がカルシウムの吸収を阻害
⑧ナトリウムの過剰摂取がカルシウムを尿中に排泄
⑨タンパク質の過剰摂取がカルシウムを尿中に排泄
⑩カフェインの過剰摂取がカルシウムを尿中に排泄
などが挙げられます