こんにちは。HCnetの山下です。
前回告知させていただいたように、今日からは健康維持・増進の3条件
である「栄養、休養、運動」の中の「休養」について深く掘り下げていきます。
「休養」を「睡眠」と「ストレス」という2つの視点から考えていき
たいのですが、まずは「睡眠」についてです。
睡眠というのは誰にとっても身近な存在のはずです。
通常1日4時間~9時間は睡眠をするものです。人生の2割~3割強の
時間をヒトは睡眠に費やしています。仕事や家事や勉強に追われて忙しい
人は睡眠時間をムダなものと思いがちです。眠っている時間をやるべき
ことに充てることができればどんなにありがたいだろう。忙しい人ほど
このように考えた瞬間があるにちがいありません。忙しくない人でも
「人間が眠ることなく24時間意識があり続けたら実質的な寿命が
何割か伸びるかもしれない」などとふと思うかもしれません
徹夜をよくする人は実感として分かると思いますが、何十時間も平常の
意識を保ち続けるということはできるものではありません。だいたい一晩
徹夜すれば太陽が昇って外が明るくなるころには眠気との戦いで頭が
ボーッとしているものです。「仕事をしなくちゃ」など明確な目的があれば
気力を保つことができ、眠気に抗うことができますが、目的を達成したら
そのまま意識が落ちるものです。逆に神経が興奮してますます目がさえて
眠れなくなるケースもあるかと思います。ナチュラルハイとでも呼ぶべき
でしょうか。いずれにしても徹夜明けの意識状態と十分に睡眠をとった
後の意識状態ではあきらかに違うというのはわかると思います。
最長何時間眠らずにいられるか、というテーマでのギネス記録というものが
あるそうで、某17歳の高校生が自由研究のテーマとしてチャレンジした
そうなのですが、264時間(約11日)というものがあるそうです。ちょっと
しんじられないですね。ただし、この高校生が264時間ずっと平常心を
保って起き続けたかというともちろんそうではありません。睡眠研究者が
彼の様子を記録していたそうなのですが、2日目で怒りっぽくなり、集中
力がなくなりテレビが見られなくなる。4日目で妄想と疲労感
7日目で体が震えて言語障害・・・だそうです。2日目にしてテレビが見られ
なくなる訳ですから、やはり徹夜は1日で限界と考えるべきで
毎日眠ることが人間の体にとって自然なことだと言えると思います。
ではなぜ人間の体は毎日眠るようにプログラムされているのでしょう。
生命体の機能というものは合理性があるものなので、つまり合理性の
ない不用な機能は自然淘汰されるはずなので、毎日必ず眠くなる
という機能が淘汰されずに現代人に備わっているということは
そこに必ずや合理的な理由が存在すると推測できるのです。その理由
は太古から議論されているようですが、現代でも睡眠の必要性につい
て科学的根拠による回答が存在しないのです。
ただし、睡眠の必要性に関する有力な仮説はあります。
①体を休息させる(エネルギー消費の低下)
⇒細胞の修復と再生
②精神活動(脳)を休息させる
⇒記憶の整理を行う
簡単に言うと「心身ともにリフレッシュする」というのが
睡眠の必要性なのです。健康維持・増進の3条件の
1つである「休養」とここで明快にリンクしてきます。
ただ、なぜ毎日眠くなるのか(短い期間で頻繁にリフレッシュ
する必要があるのか)など疑問な点は多々あります。
キーワードは「メラトニン」というホルモンにあるようです。