久しぶりにブログ更新。。。
演劇鑑賞自体もちょっと久しぶり。。。
中野テアトルBONBONで行われた WaVe’S 主催「ジョダンダンジョ」
西暦2000年のあの頃を懐かしむとともに、ちょっとのSFと大量のギャグ、うなずけるノスタルジーと悲しい不条理に包まれたヒューマンドラマ、そして個性豊かな役者たちの熱演もあって、とても楽しめた舞台でした。
と、時間と若干の費用をかけて、お目当ての役者の晴れ姿を見に行くのだから、それなりのバイアスもかかってしまうのでしょう。SNSでハッシュタグをたどれば、そのほとんどが感激と感謝にあふれた称賛が並んでいます。
ですが私、どうしても別の感想を抱かずにはいられなかったので、ここ、自分のブログでもって語らせていただきます。
あくまでも、個人の感想です。
物語はとても分かりやすく、共感もでき、素直にいい作品だと思える内容でした。でも、完成度という点ではもっともっと練り込めるだろうし、120分という長尺もいらなかったんではないかなと思いました。年齢のせいもありますが、長時間同じ姿勢で座っていると、腰も尻も痛くて集中力が削がれてしまうのですよ。
#私はどうしても作る側の視点で舞台を見てしまうのです。
時代考証はとてもよく調べられていて、たくさんの当時を象徴するキーワードが出てきます。でも、ステレオタイプな考察感は否めませんでした。「ミレニアム」が圧縮陳列されたディスカウント店にいるようで、それはそれで楽しいのですが、結局ほしいものが見つからずに出てくる感覚です(抽象度が激しすぎますね)。
せっかくなら「秘密」が解明されたあとの天丼を重ねるシーンで、序盤の伏線めいた「ミレニアム」をもっと分かりやすく、忠実にトレースしてほしかったです。そうすれば「一平」のキャラクターがより深堀りされ、自身の気づきに相当なインパクトが加わったことでしょう。
西暦2000年当時にこのような価値観で成り立つ夫婦が果たして存在していたのか、私としてはかなり疑問です。さだまさしの「関白宣言」がリリースされたのは1979年です。ドリフの 「8時だョ!全員集合」も1985年には終了しています。まあそこは、あくまでも演劇なのですから、自由な解釈の部分なのでしょうけど。
「明美」があまりにも出来すぎな奥さんで、「一平」の独走感が突出しすぎていました(引くほどに)。彼女がなぜ幸せでいられたのか、もう少し掘り下げてほしかったです。そうすれば、終盤で発揮される彼女のエスパー並の観察力と行動に説得力が加わったことでしょう。
セットも十分に活用できていなかったというか、物語の邪魔になっている部分もあったかなと思いました。転換時に大きく動かすことがありましたけど、結果なんのために動かしたのかよく分からなかったり、その分時間を要してしまったりと、プラスに働いている場面が少なかったように思います。医者との対面時にわざわざ隔たりを設けたのは、なにか意味があったのだろうかとも考えましたが、意味を持たせるような場面でもないだろうと思いました。
と、つらつらと「個人の感想」を並べてみましたが。。。
きっと、この舞台は再演されることと思います。それだけいい物語だし、また見たいと思わせる要素がたくさんあります。その日が来ることを楽しみにしています。