第11回 日本横断「川の道」フットレース…01 | Born to Run

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人類は走るために進化してきたらしい。

さくら道国際ネイチャーランから10日空けての川の道となり、今まではSTY開け(中3日)UTMF開け(中3日)だったので初めて筋肉痛なく川の道のスタート地点に初めて立てた。

そうはいっても250kmを数日前に走った足は完全に回復しているとは思えなかったので焦ることなくいつも通りのペースで進むことにした。




お天気に恵まれた荒川沿いをどこまでも行けるペースで走って行く。序盤はまだ人が近くにいて、近いペースで走る人と話しながら進む、汲川さんと角田さん、さくら道でも一緒に走った三枝さんと付かず離れず、ずっと続く川沿いを走る。





下流から上流に向かって走っているということは微妙ながらも登っているということで、体感でははっきりわからないような平坦に近い川沿いの道だけど、ただのフラットロードではない。走り方のせいもあると思うけど、足の前半分で踏ん張ってる感覚が強くマメも出来やすい気がする。65kmほどにある桜堤公園エイドで靴を脱ぎワセリンを塗る、この時に右足人差し指のいつもの所に早くも大きめのマメができている。

この、さして変化もない、ずっと続く河川敷コースがとっても辛く、ここから先まだ450km以上走らなきゃならない事、これから続くコースの辛い部分が頭のなかで再生され「どうしてエントリーしちゃったんだろ」と昨年、一昨年と繰り返されてきた楽しいばかりではなかった記憶が思い起こされる。
今さら思い出してももう遅いんだけど・・・。

一昨年の記憶「初挑戦、眠かった、痛かった、とても寒かった、経験豊富な先輩ランナーに色々話を聞けた、中川さんと苦楽を共にした、ラーメンうまかった、菜の花綺麗だった、中学生に挨拶されて嬉しかった、最終日はよく眠れて気持ちよく走れた、日本海は暗かったけど満足感があった」

昨年の記憶「UTMFからの連戦、風邪をひいていて辛かった、雨でマメが酷かった、走る前から足が痛かった、2日目からリアルな幻覚、新しいコースが楽しかった、新しい出会いも嬉しかった、小海では地元の人の親切がありがたかった、今年も菜の花綺麗だった、ラーメン美味しかった、鹿渡までを三枝さんと走れて楽しかった、よく眠れて風邪も治り最終日は一番元気だった、ラストは青谷さんとのんびり歩いて楽しかった」

記憶を辿って行くと、初日から2日目~3日目とだんだん楽しい記憶が増えていっている。多分痛いとか眠いとかが当たり前になりすぎて、後半は楽しいばかりしか印象に残らない脳の状態になってしまっているんだと思う。昨年4日目の夜も酷い幻覚と口論したり、寒い中体育座りで車の台数数えたりしたはずなんだけど何故か楽しい記憶に変換されている。

ウルトラランナーは幸せな脳の構造をしている。家族に許しをもらって、有給使って、一生懸命トレーニングして、慣れない土地の地図と睨めっこして、寒さと睡眠不足と空腹はたまた腹痛に耐え忍びながら、世の中の人の大半がのんびりと過ごすゴールデンウィーク期間を半ホームレス生活に身をやつし、決して少なくないお金を投じながら、治療が必要なレベルの怪我をして帰ってきても、楽しかったまたやりたいなどと満面の笑みで語る。

それでも、それなりの走力があれば、道中ビジネスホテルに一泊したり、途中で一杯晩酌したり、幾つもある温泉に寄ったり、各地の名産品を食べたり、名物店に寄ったりと、ジャーニーランという楽しげな響きの通りの旅ができるかもしれない。




今回の川の道、波久礼駅前T字路108km地点までは普通に走った、そこから先猛烈な睡魔が襲ってきて寒い道の脇で何度も立ち止まり、座り込み、20kmを5時間近くかけながらなんとか次まで着いた、さくら道のダメージなのかおしりの辺りの筋肉が硬いし、やけに眠い。
この道中で前回一緒にゴールを目指した青谷さんと出会う、本来ならもっと先を走っている人だけど数日前から風邪をひいていてゆっくり行っている様子。






知らないうちに撮られていた写真。

先日行われた24時間走の世界大会の話しなどを聞きながらのんびりと雁坂逆走コースを行く、いつも序盤は特に元気なのに珍しく歩きと休みが多くてやけに大人しい、靴を脱いで休憩した時に見た足にはびっしりと小さい絆創膏が貼られて足が所々赤くなっていて痛そう。
「あと何キロで◯◯だよね?ってことはあと何キロか・・・」
こまどり荘までの道のりを何度も確認する、カメラを向けると必要以上に元気そうにしているけど相当具合が悪い証拠。中津川方面分岐のCPで内山さんにも会い、こまどり荘目指す。











新緑の山と清流の中津川はとても美しくて、写真を撮りながらのんびりとこまどり荘を目指す。
残り2kmの看板を過ぎても青谷さんは走れるような状態ではなかったけど写真撮る時だけは元気そう、こまどり荘でしっかり寝て少しでも体調改善すれば十分完走できるように見えた。私も休みたかったので5時間くらいは休むと伝えた。









風呂に入ってリフレッシュしたら、エントリーして良かったという感情が芽生え始めている。風呂に入って気持ちよかったというだけで、素晴らしい経験をしてるような幸せ脳状態。これが川の道のまずい所だな・・・と思いつつカレーを頂き、寝床につく。横になって湿布を貼って足を上げて寝ようとするけど全然無理、なんでかカメムシが部屋の中を5~6匹飛び回っている。とはいえ横になっていれば足は回復するので横になってFBを眺めたり、もしかしたら眠れるかも、と目を瞑ったりしてみる。周りのカサカサいう音や、イビキや、カメムシの羽音などが気になって寝ることを諦め、布団の上でストレッチを始める。170kmあまりも走ってきたので身体が痛いけど寝そべっていたらずいぶん良くなった。

次のレストポイントまでの95kmは距離が一番短いが三国峠越えと寒い川上村があって、防寒対策が必要。こまどり荘以降ずっとコンビニが無いので食料も持たないとならない、川の道で一番装備の重量が重くなる区間だと思う。

16時過ぎに外に出てカレーを食べ、部屋に戻ってのんびりと支度をする。17時過ぎには支度が終わって外にでると、三枝さん、内山さん、汲川さんなど見知った顔がそろそろ行こうとしている、青谷さんには19時に出ると言ったのでそれくらいまで装備チェックをしたり、トイレに行ったりしつつ三国峠越えの支度をする。

18時過ぎにみんな準備出来て集団で夜の三国峠を目指す。頂上まで18kmちょっと。
満月に近い夜だったのでライトがなくても足元が見える。青谷さんの体調はイマイチのままだったけど脚力があるので集団の先頭の方を歩く、ずいぶん横になっていたせいで足がすっかり治ってしまって走って登れない事も無いけど一人になると確実に寝てしまうのでみんなと一緒に行く。暑くも寒くもない月明かりの夜の遠足が楽しかった。











何度も何度も似たような九十九折を過ぎて4時間ほどかけて頂上の三国峠に着く、今年も土田さんが私設エイドをやってくれていて写真も撮っていただいた。少し離れてしまった汲川さんと内山さんを待ってまた下りスタート。

長くなってきたので次へ…