その動詞組織を語ってみる前に、少しの文字遊びを紹介させてもらいたいんですが、広東語のものだけどm(_ _ )m

サンスクリットを漢字で表したら「梵語」になって、そして、梵語の「梵」は広東語の読み方で言えば広東語の漢字「煩」と同じ読み方だから、「梵語」=「煩語」となっちゃってm(_ _ )m

本来、「サンスクリット」=「梵語」は、洗練された言語を意味しているものですが私の立場ではそれよりも「梵語」は「煩語」= 面倒くさい・煩わしい言語m(_ _ )m

意味不明な話をしちゃってm(_ _ )m

意味論で言ったらすべての言語の動詞も複雑で同じ動詞でもいくらかの意味が重なってそれぞれの記憶は大変ですけど、仕組み(形態論)で言ったら差が出ている。

中国語・英語といったかなり「分析的」の言語の動詞は一番簡単、すべても語幹によって支えられているのです。言い換えると語幹を把握すると形態論の話はほぼ済んだ。ちなみに英語ではもちろん、テンスなどの変化が起きてたとえば、過去形を作ったら語幹に-edという綴りを付け加える必要はあるんですが、単純すぎるからいっさい無視(汗)

日本語はやや複雑なんですが、語根と接尾辞に分け、それぞれも変形していろんな意味を表しているのです。たとえば、

書く:か(意味を表す語根)+ く(終結・連体を表す接尾辞)
(注:これは私だけの分析方法で正式の日本語文法現場ではこのような分析はしないみたい)

という感じで動詞組織を分析する。たいていの場合では接尾辞だけ変形するが、「来る」・「する」だけ、語根自身も変形する。音便(euphony)の関係で音韻変化は一部の綴りを持つ動詞の連用形で起きているのです。

ラテン語と古典ギリシア語も日本語とほぼ同じ仕組みですがラテン語は動詞が四つのグループ(やっぱり日本語と同じく)に分けられ、主な違いは語幹と語尾の間に挟まれる母音によって顕在されているんですが、つまり、

グループ1:語幹 + a + 語尾
グループ2:語幹 + 長音e + 語尾
グループ3:語幹 + 短音e + 語尾
グループ4:語幹 + i + 語尾

ということになる。

古典ギリシア語は動詞種類で言ったら一見、ラテン語より単純でOmega verbとMi verbに大別されているにもかかわらず、さまざまなテンスなどに対応する語幹の構築は乱雑で音韻変化の発生も頻繁すぎるからややこしい。「展示用」の動詞「phero:運ぶ」の組織を少し見てみたらわかるはず。古典ギリシア語は、動詞の機能を完全に発揮するには動詞をさまざまな形に変形させなければならないので六つの基本形態を知っておく必要です。「phero」という動詞をうまくいって使う場合では、次の六つの形態が必要になる。

11014

左から順を追ってそれぞれの形態は次のようです。

現在・能動・直説法・一人称・単数
未来・能動・直説法・一人称・単数
アオリスト・能動・直説法・一人称・単数
現在完了・能動・直説法・一人称・単数
現在完了・受動・直説法・一人称・単数
アオリスト・受動・直説法・一人称・単数

外見は全然違ってくるようなもの同士にもかかわらず、同じ動詞の活用のものです。古典ギリシア語には一つのおかしな特徴があるんですが、同じ意味の動詞であっても、違った語幹が用いられる場合はあるのです。ご覧のように「phero」という動詞には、実は、三つの違った語幹が隠れている。現在には「phero」、 未来には「oiso」、残りのものには「evegk-」が使われているそうです。

じゃあ、サンスクリットの動詞はどんな感じなのでしょうか??知りたくないという声がなんとなく全方位から聞こえるみたいだけど教えてやれ!!って偉そうに言いたいところにもかかわらず、私もよくわからないからそうするわけにはいかないけど、サンスクリット文法書の複雑な説明がよりわかりやすいようという試みに挑戦してみたいものです。

何かの現代の外国語の動詞を、皆はどうやって学ぶのでしょうか?どんな言語にも動詞があるからもう動詞というコンセプトに慣れすぎるので直ちに、そのつづり方とか書き方とかを一向に暗記し、もしフランス語などのような、テンスが多い言語を学ぶのだったらそれぞれのテンスの形を繰り返して書きながら暗記するのではないでしょうか?でも、そのようなやり方は古典言語、特に、サンスクリットのような古典言語には通用していないと思います。もちろん、記憶力が抜群、そして、生まれからずっと言語才能に恵まれた天才なら依然として全部暗記すればいいという有力なやり方でサンスクリット動詞の煩雑な変化を制覇しているかもしれませんが、まあ、私はその才能を根本的に持っていないので遠回しな方法が必要です。まずは、動詞組織のコンセプトをはっきりさせる必要がある。サンスクリット動詞の仕組みには次のような「部品」が挙げられている。

オーグメント

語根

中綴り

語幹母音

人称語尾

と、5つの部分に分けられている。

言っておくべきですが、実際の動詞の「外見」はもちろん、上の5つの部品がすぐに見分けられるくらい、はっきりとしているわけではないということ。つまり、どっちがどっちなのかを区別する王道はないわけです。それにしてもこの四つのコンセプトをしっかり頭に持っているのはとっても重要なことで文法書の説明の理解には大きく役立っているはず。

さて、一つ一つ説明させてもらいますが、まずは問題です。すべての動詞にもつ・ね・に5つの部品を揃って持っているのですか?その答えは否定的です。常に持っているのは一つだけ、当然ながらそれは、語根。逆に言うと、他の部品は必要に応じて付け加わっているのです。

オーグメントには二つのステータスがあります。「あり」と「なし」、もしくは、「オン」と「オフ」です(笑)いつ「オン」か、いつ「オフ」かというと、テンスによって決まっている。実は、古典ギリシア語にもそのようなオーグメントがあるんですが、オーグメントはいったい何なのかというと、語根の前に付け加える単一の母音です。古典ギリシア語は「e」をそれに充てているのに対して、サンスクリットは「a」を用いているのです。オーグメントはたいていの場合、「過去」を表すための部品ですから過去系のテンス、あるいは過去系のムード(法:発話に対する話者が取っている態度・確信度などを表すシステム)に用いられて「オン」のステータスですが、ほかのテンスなどは「オフ」、つまり、冒頭に「a」を付け加えないのです。

次は語根と中綴りです。あえて二つを合わせて語る理由は、語根と語幹の区別をはっきりさせるためです。多くの言語(古典ギリシア語までも含め)を言えば語根と語幹をほぼ同じものとして見なしても差し支えないけど、サンスクリットならやはり、はっきりと区別したほうがいいと思います。さもないといつも語根・語幹をかく乱しちゃって文法書の説明がわかりにくくなるという危険性があるからです。

前に言った通りに語根は、動詞の基本意味を表す部分でその形は一番単純です。たとえば、展示用の「bharami:運ぶ」という動詞の語根として「bhr」となっている。

じゃあ、語幹は?というと、実は、日本語で語根と語幹の区別を示すこともできそうでやってみます。やはり「書く」という動詞です。漢字を使うと音素が見失わなくなっちゃって不便だからひらがなでそれを転写させてもらいます。たとえば、「書く」という動詞を否定する場合では、

かく -> かかない

と、日本の皆さんはきっと私よりもずっと百の承知に違いませんね。さて、これを語根・語幹の分析を行ってみたらどうなるのでしょうか?

語根=か
語幹=かか
語尾=ない(厳密に言えばこれはもちろん、語尾じゃなくて、たまに最後にくる活用のある助動詞ですが、ここで便宜のため語尾と呼んでおく)

と言ってもよさそうですが、日本での国語教育現場ではこの種の説明が使われているかな?でも、語根と語幹とのコンセプトの違いについての説明には役立っているからあえてやっちゃったm(_ _ )m

ご覧のように語根は、動詞の有した本質的な意味を表すためのものです。「書く」の「か」はそれに準じて文字を紙面に残す動きを表す動詞だとわかります。そして「書かない」の「かか」は語幹、つまり、動詞の基本意味に「否定」という意味が付加する場合では必要な形、例えて言ったら否定を表す助動詞「ない」を迎えるための下準備のような感じですね。よって

語根=動詞の本質の部分
語幹=動詞の本質の意味に付加的な意味も加わった部分

この意味で言えば、日本語文法での「未然形」といった呼称、実は、語幹に相当するものだと言ってもよいみたいです。否定=発生しない=未然だから、否定を表すためには動詞の語根を未然の語幹にする必要になると言う理屈に、「未然形」という呼称は由来しているのではないだろうか?

はい、ということでサンスクリットも同じ事情なのでさまざまな文法的な意味を受け止めるためには、素の語根に「オーナメント」を飾りつけた語幹が必要になる。カナやんの大好きなクリスマスツリーの場面を少し想像しながら語根・語幹の使い分けがわかってくれば嬉しいです。語根は素のツリー、語幹は飾り付けられたクリスマスツリーです!

飾り付けるためのオーナメントの数は多いでしょう?同じ事情で語根を飾り付けるための要素もサンスクリットには多数あるのです。ここで一つ一つ紹介することを割愛するつもりなんですけど、実は、私はすべてのオーナメントを知っているわけではないからですm(_ _ )m

ところでこの世はあくまでも残酷すぎるものですからあいまいな場合も必然起こっている(汗)その曖昧な場面は、

語根と語幹はちょうど、同じ模様をしている

ということですね(笑)

日本語にも立派な例があるのでそれを使って説明します。「来る」という動詞ですね。同じ理由でひらがなでそれを転写します。

こない(否定形)/こよう(意志形)
きます(丁寧形)
くる(辞書/終止形)
くる(連体形)
くれば(仮定形)
こい(命令形)

ご覧のように語根自身が変形していってさまざまな文法意味を受けられるところがわかると思いますが、これを語根・語幹が重なり合う例と見なしてもよいだろう?もちろん、このようにやっかいな動詞は、サンスクリットには日本語よりもたくさん宿っているようです。

サンスクリット動詞の語根・中綴りの体系は次のようです。

語根に飾り付ける可能なオーナメントとして、「vowel gradation」がある
中綴りに飾り付ける可能なオーナメントとして、「suffix」がある
語幹母音に飾り付ける可能なオーナメントとして、「thematic vowel」の有無による

そして、「vowel gradation」と「suffix」の付け加え方によってさらに10種類に大別され、「thematic vowel」の有無によってさらに、先の10種類を二分している。詳しい分布は次のようです。

「thematic vowel」あり:Class 1,4,6,10
「thematic vowel」なし:Class 2,3,5,7,8,9

ということになる。

ここで「vowel gradation」と「thematic vowel」も説明しておこう。「vowel gradation」は一見難解の用語ですが実は簡単です。英語でそれをうまく説明できます。英語の「drink」という動詞を考えてみてください。テンス・アスペクトに応じて次のような変化をしています。

drink -> drank -> drunk

ご覧のように変化を受ける部分はあくまでも、母音しかないですね。子音群を無視したら

i -> a -> u

と変化していく。この種の変化を「vowel gradation」と言います。

「thematic vowel」とは、中綴りと人称語尾の間に挟まれる母音のことを指しているのです。サンスクリットの場合ではこの母音がほぼ、「a」なのに対して、古典ギリシア語の場合では、「e/o」です。すると、サンスクリット動詞の「オーグメント」・「語根」・「中綴り」の説明を乱暴にやってきましたが、この三つの部品を一括して称したら「語幹」ですね。

残りの部品は一つだけ。忘れるべきではない「人称語尾」です。

カナやんのアリーナツアーには6ヶ所9公演という説があるんですが、この人称語尾にも類似した言い方を持っています。サンスクリットの人称語尾には、3種類6活用54変化がありますけど(汗)人称語尾とはいえ、人称だけ示すのではなく、数・態・法も兼ねて示しているのです。3種類は、時制で第一次(現在時)、第二次(過去時)に二分し、残りは命令法に用いられるものです。そして、この3種類のそれぞれは、能動態・中動態に応じて変化するので3 x 2 = 6活用になるわけです。さらに、6活用のそれぞれは、三つの数(単数・双数・複数)とそれぞれの数には三つの人称があるので総合して6 x 3 x 3 = 54変化を持っているわけです。

というわけで、サンスクリットの動詞の原型を上の語ったものを一括して示してみたら

オーグメント:オン・オフによって2種類
語根と中綴り:Vowel Gradation, thematic vowel, suffixによって10種類
人称語尾:3種類6活用54変化

だから、サンスクリットの動詞の形態を把握するのは、それぞれの種類の詳細について一つ一つ学べばいいという話ですね。