頭部挫傷 | おじさんのブログ

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1998年に米国にアスレチックトレーナーを目指して留学し、2017年に帰国。現在、東京の教育機関でアスレチックトレーナー(ATC)として自分が日本でどこまでできるかを検証するブログです。スポーツの安心安全を、周辺の医療を活かしてスポーツセーフティを目指しています。

久しぶりの投稿です。外はすっかり春模様ですが、緊急事態宣言のため、スポーツはまた止まった状態となっています。そうなると書くこともあまりなく、ズルズルと時が過ぎました。もう5月。。早い。。

 

さて、特にスポーツがないので怪我もでないのですが、ひょんなことで頭部の怪我について再検証をしたいと思いました。当校のクラブで武道系は剣道のみで、スポーツではラグビー、レスリング、サッカー野球を筆頭に頭部の怪我のリスクはそれなりにあるかと思います。これは他の高校でも同じです。

 

頭に関する怪我も色々と度合いがありますが、コーチや保護者の方からするとどうしたら良いかわからない場合があるかと思います。意識がしっかりとあり、問題なく立てるとなればとりあえずお医者様のところにたどり着くかと予測します。ですが時に、知識云々がなくても、その場でなんとかしないといけないような救急ごともある可能性も全然ありえるでしょう。実際にその瞬間に居合わせたコーチや保護者の方も多いかも知れません。やはり、そこを考えてどうするのかのマニュアルが必要です。

 

2年前に今の職場に雇って頂いたときに、脳震盪の受傷から復帰までのプロトコルを作成しました。決して米国にいた頃のような内容には追いつけませんが、とりあえず最低限、救急の場合の搬送方法や、かかりつけの脳神経外科のお医者様と復帰までのプロトコルは作ることはできました。実際、既に数名をこのプログラムを通して脳震盪から競技に復帰させています。もっと良いプログラムにする目標はありますが、少なくとも現時点で安全に競技に戻せる環境は整った感じはあります。ですが、まだ経験としてないのは、救急搬送の場合です。計画は立てているし、米国でも経験があるので概ね大丈夫な自信はありますが、実際に起こると何かしら改善点は出てくるかと思います。

 

頭部の怪我は、頭のみでなく頚椎の損傷も疑うのが定石です。具体的な評価の方法はここで言えるものではありませんが、頭だけ気にして下手に動かしてしまうと、頚椎の中の神経に損傷を与える可能性があります。特に呼吸に関わる横隔膜をコントロールする神経も通っているので、やはり慎重にならなければなりません。このような大怪我は毎日のように起こるものではないかもしれません。ですが、常に可能性はつきまとっているのは確実。このスポーツのない期間を活かし、再度考えようと思います。