■晴日の読書手帖■ -118ページ目

石ノ目/乙一

石ノ目 石ノ目
乙一(おついち)

集英社 2000-07
売り上げランキング : 72,596
おすすめ平均

Amazonで詳しく見る by G-Tools  

...........................................................................................................................................................................

  

乙一、3作目「石の目」を読みました。
 
【石ノ目】
目を見た者は石にされていまうという石ノ目様の話。
 
【はじめ】
空想で作りあげた女の子、はじめ。
実在しない筈の彼女が突然姿を現す話。
 
【BULE】
人形が人の心を持って動き出す話。
 
【平面いぬ。】
腕に彫った刺青の犬が吠えたり体中を動きまわったりする話。
 
以上、4作品収録の短篇集です。
 
一番良かったのは【BLUE】。
動く人形は5体登場するのですが、中でも一番出来の悪い人形、BLUEは苛められたり、辛く悲しい思いをしても、いつも優しい心を忘れない。ありがちな話も“動く人形”という設定が興味を引きます。 
勿論最後は泣きます。゚(゚*´Д⊂グスン
小さい頃から大事にしているポンタくんもそろそろ洗ってあげよう♪なんて事を考えたり。
【はじめ】は、以前全く同じ設定のコミックを読んだ記憶がありますが、漫画化されていたんでしょうか・・・?

【石ノ目】はちょっと意外な展開でした。
ラストがなんとなくぼんやりしていましたが、良かったです。

【平面いぬ。】は・・・全体的に、文章が少し雑な印象を受けましたが、ストーリーは面白かったですね。

 

メモ★★★☆☆

愛妻日記/重松清

愛妻日記 愛妻日記
重松清(しげまつ きよし)

講談社 2003-12-13
売り上げランキング : 24,722
おすすめ平均

Amazonで詳しく見る by G-Tools  

...........................................................................................................................................................................

  

私が読む重松作品、5作目「愛妻日記」。
 
1 ホワイトルーム
2 童心
3 愛妻日記
4 煙が目にしみる
5 饗宴
6 ソースの小壜
 
以上、6作品が収録されています。
 
R-18指定、重松清初の性愛小説集、という事で、どんな感じかな~?と思い、読んでみました。
ええ、読みましたよ、【3 愛妻日記】まで…。
私は基本的に、どんなにつまらなくても読み始めた本は最後まで読まないと気が済まない性質です。
そんな私が何故、途中でやめたのか?
「怖い」からです…il||li _| ̄|○ il||li
おそらく過去の出来事等が起因していると思われますが、どうしても受け容れられない部分があり止むを得ずリタイア…。

 
『夫婦の性愛の形』としては、なるほどと、頷ける部分も多かったのですが、これが「官能小説」?という感想。どちらにせよ、好みではなかった、というのが一番大きいのですけどね…。
怖いのは、ダメなんです…ごめんなさい。
決して「つまらない」訳ではないんですが・・・。

残念。

メモ☆☆☆☆☆

重力ピエロ/伊坂幸太郎

重力ピエロ 重力ピエロ
伊坂 幸太郎

新潮社 2003-04
売り上げランキング : 5,412
おすすめ平均

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

...........................................................................................................................................................................

  

第129回直木賞ノミネート(2003年)
第57
回日本推理作家協会賞ノミネート(2004年)

キノベス!2003 第3位
このミステリーがすごい!2004年版 第3位
週刊文春ミステリーベスト10 第4位  

主人公「泉水」と、半分しか血の繋がらない弟「春」。「春」は、母親がレイプされた事により産まれてきた子供。犯罪と、遺伝子。らくがきと、放火事件。  
   

ずっと読みたかった「重力ピエロ」!
やっと読む事が出来ました~ヾ(>▽<)ゞ 
遺伝子がどうの、とか聞いたので、難しい話なのでは?と思ったけど全くそんな事はなかった。軽快なタッチで、ポップに描かれている為、とても読みやすく、台詞や描写の1つ1つがユニークで飽きる事がない。 
 
そして今回も、「オーデュボンの祈り」 の主人公伊藤を登場させ、未来が見えるカカシの話とリンクさせたり「ラッシュライフ」 の黒澤さんを登場させ、さくさく話を進めたり、遊び心も満載の伊坂幸太郎。

センスが光る。
だからと言って、別に面白おかしく語られている訳ではなくて、家族それぞれの複雑な心境と苦悩の色、そして少年犯罪、この重いテーマについて、視点を変えつつ描いている。
 
泉水と春の【賞賛に値する】父親の台詞も、それぞれ重みがあり 最後の最後では泣かされた。 
しかし・・・結末は賛否両論ありそうだ。
これが善か悪か・・・意見は真っ二つに別れそうな気がする。
まぁ、「正解なんてないんだろうな」。
   

メモ★★★★☆



天帝妖狐/乙一

天帝妖狐 天帝妖狐
乙一(おついち)

集英社 1998-04
売り上げランキング : 61,938
おすすめ平均

Amazonで詳しく見る by G-Tools  

...........................................................................................................................................................................

  

乙一、2作目を読み終えました。
表題作の「天帝妖狐」の他に、
「A MASKED BALL」という作品が収録されてます。
 
「A MASKED BALL」
トイレの落書きを通して会話を交わしていく生徒達。しかし、初めに登場する全文カタカナ文字の人物が次々と事件を巻き起こす。
主人公は正体を暴こうとするが逆に襲われて…。
というホラーベースのミステリー。
 
「天帝妖狐」
こちらは少し悲しさと切なさが漂うホラー。
幼き日、こっくりさんと交わした約束が原因で

自分の体が次第に獣へと化していく男の話。
 
ホラーを読むのは久々なので色々な意味で楽しめた。
しかしこの本、文庫版でオール書き直しをしているらしい。
内容がまったく違うとか…!
 
ええー!Σ(゚□゚(゚□゚*)ナニーッ!!
 
あとで文庫本も読んでみよう。

   

メモ★★★☆☆

ラグナロク洞/霧舎巧

ラグナロク洞―“あかずの扉”研究会影郎沼へ ラグナロク洞―“あかずの扉”研究会影郎沼へ
霧舎巧(きりしゃ たくみ)

講談社 2005-05
売り上げランキング : 137,726

Amazonで詳しく見る by G-Tools  

...........................................................................................................................................................................

嵐による土砂崩れで奇怪な洞窟に閉じ込められた“あかずの扉”研究会のメンバーを襲う連続殺人。死者たちを結ぶ“神々の黄昏”神話の根源を読み解け!
本格推理の王道をいく、堂々の超技巧派ミステリー。

                      [「BOOK」データベースより]

   

霧舎巧、3作目を読み終えました。
感想「・・・・う~ん( ̄ ~  ̄;)?」
前の2作品に比べて、いまいちパッとしない・・・。
  
閉じ込められた洞窟で起きる連続殺人事件と、残されたダイイングメッセージの謎。「ダイイングメッセージ講義」は非常に興味深かったし楽しめたけど、他は・・・微妙。
 
霧舎さんは前作でも、登場人物の名前のつけ方に非常にこだわっていたようだが、今回もカギは「名前」。しかし、前回と違ってちょっと強引過ぎる気がする・・・。名前に含まれる数字のカウントダウンの話が出てきた時点でこの話はどうなの?という気分にさせられたけど、読めば読むほどおかしな話だ・・・。
   

メモ★☆☆☆☆

 

夏と花火と私の死体/乙一

夏と花火と私の死体 夏と花火と私の死体
乙一 (おついち)

集英社 1996-10
売り上げランキング : 113,107
おすすめ平均

Amazonで詳しく見る by G-Tools  

...........................................................................................................................................................................

  

第6回ジャンプ小説・ノンフィクション大賞(1996年)

 

乙一デビュー作に「夏と花火と私の死体」 を読んでみた。
 
この物語の語り手は、小学生の女の子「五月ちゃん」。
しかし五月ちゃんは、冒頭からお友達の弥生ちゃんに木の上から突き落とされ、殺されてしまう。そこへ現れた弥生ちゃんのお兄ちゃん。2人は、五月ちゃんの死体を隠すことに決めた。
死体が見つからないように、森に隠したり自宅の押入れに隠したり、あちこちへ移動させる2人。 
 
その様子を淡々と語るのは、死体である五月ちゃんだ。
殺されてもなお語り手を続けているのである。 
しかし五月ちゃん…別に恨んでいる様子もないし、痛いとか悲しいとか、そういった感情は全く出していない。弥生ちゃんとお兄ちゃんにしても運んでいるのは死体ですよ!死体!感情が希薄過ぎてリアリティがない。よって怖さも半減。
 
子供の無邪気さと残酷さ、はうまく書けてるかもしれないけどこれでいいのだろうか?と少し疑問も感じた。異常さと緊張感という点では楽しめたけど。・・・と辛口な事を書いてみたけど、これ16歳(17歳?)とかの2週間程でパッと書いたそうだ。

そう考えるとやっぱり乙一はすごい!!

天才と呼ばれるのも頷ける。
 
同時収録の「優子」とかも私好みで良かったし。
悪魔の小さな悪戯が大きな悲劇を巻き起こす。
そんな短編は好き♪

他の乙一作品もどんどん読んでみたい!

   

メモ★★★★☆

 

博士の愛した数式/小川洋子

博士の愛した数式 博士の愛した数式
小川 洋子

新潮社 2003-08-28
売り上げランキング : 1,273
おすすめ平均

Amazonで詳しく見る by G-Tools  

...........................................................................................................................................................................

  

第55回読売文学賞受賞(2003年)
第1回本屋大賞受賞(2004年)

記憶が80分しか持続しない天才数学者は、通いの家政婦の私と阪神ファンの10歳の息子に、世界が驚きと喜びに満ちていることをたった1つの数式で示した。頻出する高度な数学的事実の引用が、情緒あふれる物語のトーンを静かに引き締め整える。

                    [出版社/著者からの内容紹介]

  
これもずっと読みたかった作品ですがやっと読む事ができました。
しかし…あまり好みではなかった…il||li _| ̄|○ il||li
数字とか苦手だしね…ましてや、「数式」だなんてね…。 
ストーリーもイマイチぱっとしないし…。
 
書店員191人が選んだ「一番読んで欲しい本」!
ということですが…。

元書店員の私には理解できませんでした。
ごめんなさい。
こちらも今度映画化されるようですが
「映画」とかの方が感情移入出来そうな気もするな。

   

メモ★☆☆☆☆ 

陽気なギャングが地球を回す/伊坂幸太郎

陽気なギャングが地球を回す 陽気なギャングが地球を回す
伊坂幸太郎(いさか こうたろう)

祥伝社 2003-02
売り上げランキング : 1,051
おすすめ平均

Amazonで詳しく見る by G-Tools  

...........................................................................................................................................................................

  

第6回大藪晴彦賞ノミネート(2004年)

キノベス!2003 第6位

このミステリーがすごい!2004年版 第6位

週刊文春ミステリーベスト10 第11位

男3人、女1人。4人組銀行強盗のお話。
ある日、仕事を終えた4人が逃走中、同じく逃走中の現金輸送車襲撃犯と遭遇。車も金も奪われてしまった。なんとか取り戻そうとする4人にトラブル勃発。さて、ロマンはどこだ?
 

伊坂幸太郎、3作目、読了。
ルパンを思わせるこの話は軽~く楽しめるコメディタッチ。 
素直に面白い!と思える作品でした。

今度映画化もされるそうですね。期待大です!!

   

メモ★★★★★

ラッシュライフ/伊坂幸太郎

ラッシュライフ ラッシュライフ
伊坂幸太郎(いさか こうたろう)

新潮社 2005-04
売り上げランキング : 4,534
おすすめ平均

Amazonで詳しく見る by G-Tools  

...........................................................................................................................................................................

  

伊坂幸太郎、2作目。いつも図書館を利用していますが、この本は、自分でお金を出して買いました。

それ位、ハマってます、伊坂幸太郎!!
 
そして、今日読み終えた感想。 
「すげぇーーーーーーーーーー!!」
とにかくその一言。
 
読み始めは、なんだか飛び飛びで色んな人が登場してごちゃごちゃして何がなんだか解らないし、あまりインパクトもないし、失敗したか?と思ったけどいやいや、とんでもない!!飛び飛びで語られる5つのストーリーは、何の関係も無さそうに見せかけて、実は物凄い絡まりがあるのだ!
どことどこが、どうリンクしているのか徐々に明かされていくあのなんともいえない感覚は読んだ人しか解らないでしょう。読み終えたら、もう一度最初から読まずにはいられない。「壮大な騙し絵」の物語。
前作『オーデュボンの祈り』 のカカシの話をほんの少し、からませたりする遊び心も魅力的。 はぁ~。とにかくすごいよ、伊坂幸太郎。

   

メモ★★★★★
  

カレイドスコープ島/霧舎巧

カレイドスコープ島―“あかずの扉”研究会竹取島へ カレイドスコープ島―“あかずの扉”研究会竹取島へ
霧舎巧(きりしゃ たくみ)

講談社 2004-06
売り上げランキング : 84,605

Amazonで詳しく見る by G-Tools  

...........................................................................................................................................................................

  

【あかずの扉】研究会シリーズ2作目、読了。
北澤大学のサークル【あかずの扉】研究会。メンバーの1人に『咲さん』という女性がいる。この咲さん、実は普通の人にはない特殊能力を持っている。霊感、というか、予知能力というか、突然未来の出来事が頭の中に浮かんでしまうというのだ。ただ、それが、いつどこで起きる、何の事なのか本人にもさっぱり判らないらしい。断片的にしか見えないという事でしょう。
なので、キャラクターとしてはおとなしくて控えめだけど、彼女の発する言語は1つとして見落とす訳にはいかない。どこに謎解きのカギが隠されているか判らないからだ。今回の咲さんの台詞は・・・『犯人はドラえもん・・・』これが何を意味するのか解った時はおおーー(*゚ロ゚)!!と思ったけど、今回は、必要以上にこの台詞に振り回されてしまったようだ。

 

メモ★★☆☆☆