OBP-601の進行性核上性麻痺(PSP) Phase2a試験に関する最終解析結果、並びにC-9 ALS・FTD Phase2a試験に関する中間解析結果のお知らせ


2月14日

オンコリスバイオファーマ株式会社









1ページ目の書き起こし


当社が Transposon Therapeutics, Inc.(以下、「Transposon 社」)と全世界のライセンス契約を
締結している LINE-1 阻害剤 OBP-601(censavudine, TPN-101)に関し、同社が開発費の全を負担して進めている「進行性核上性麻痺PSP:Progressive Supranuclear Palsy)」を対象とした Phase2a 臨床試験(以下、「PSP Phase2試験」)の最終結果、並びに「筋萎縮性側索硬化症(C-9 ALS:Amyotrophic Lateral Sclerosis)及び前頭側頭型認知症(C-9 FTD:Frontotemporal Degeneration)」を対象とした Phase2a 臨床試験(以下、「C-9 ALS/FTD Phase2試験」)の中間結果について、以下のとおりお知らせいたします。



<PSP Phase2試験の最終結果>

【サマリー】

① 
OBP-601 は、PSP 患者において神経変性の主要なバイオマーカーである脳脊髄液中のNfL 値(ニューロフィラメント軽鎖)の上昇を抑制することが確認されました。

24 週目までプラセボを投与され、その後 OBP-601 に切り替えて 1 日 400 ㎎投与された群では、24 週目から脳脊髄液中の NfL 値が低下を示しました。

一方、試験開始から48 週間継続して OBP-601 を投与された群では、NfL 値の上昇が認められませんでした。

これまでに報告されている研究結果では、PSP 患者の脳脊髄液中 NfL 値は 1 年あたりに 9~18%上昇することが知られています。


OBP-601 は、疾患の重症度と相関する炎症性神経変性のバイオマーカーである IL-6 およびオステオポンチンを用量依存的に低下させることが確認されました。特にオステオポンチンは、アルツハイマー病の認知機能低下と相関していることが知られており、今回の結果はアルツハイマー病の認知機能改善を示唆するものとなりました。


PSP 患者の臨床評価スケールである PSP Rating Scale(PSPRS)を検討した結果、OBP-601 の 400 ㎎投与を 48 週間受けた患者群では、24 週間から 48 週間投与を受けた後に臨床症状が安定化することが示されました。

一方、24 週までプラセボが投与され、の後 OBP-601 に切り替えられた患者群では、24 週から 48 週の間においても PSPRS の悪化が認められたことから、OBP-601 は継続投与することで病態の進展を抑制させる効果があることが示唆されました。

なお、Transposon 社は PSP Phase2試験の最終結果を、本年3月5~9日にリスボンで開催される第 18 回国際アルツハイマー・パーキンソン病学会で発表する予定です。





第 18 回国際アルツハイマー・パーキンソン病学会
 





昨年11月の中間結果報告と似た内容のリリースです

中間結果からコメントを載せておきます



【当社代表取締役社長 浦田泰生によるコメント】

「今回の結果は、OBP-601 がレトロトランスポゾン転移を促進する LINE-1の阻害剤として脳神経系で明らかに作用していることが示されました。特に脳脊髄液中の NfL 濃度を下げる効果は大きな臨床上の有効性を示す結果であり、また脳脊髄液中の炎症性サイトカインである IL-6 を低下させる働きは、PSP など神経変性疾患における炎症性病変の進展を抑制できる可能性があり、重要なエビデンスとなる可能性があります。今後の長期投与による臨床試験結果が待たれます。」




【Transposon 社の Andrew Satlin, M.D., Chief Medical Officer によるコメント】

"No previously tested drug has shown an effect on NfL levels in patients with PSP, a progressive neurological disorder with no approved treatment options to stop or even slow progression of the disease.The lowering of CSF NfL levels seen in this interim analysis provides biomarker evidence of a treatment effect on neurodegeneration. We are excited about the potential of TPN-101 as a much-needed treatment option for patients with PSP. In addition, we believe these findings open the door to an entirely new therapeutic approach to treating Alzheimer’s and other neurodegenerative diseases."

(訳)

「これまでに試みられた如何なる薬も、PSP 患者において NfL 値を減少させることは出来ませんでした。PSP は承認された治療法がなく、病気の進行を止めることも遅らせることすらも出来ない進行性の神経疾患です。今回の中間解析で確認された脳脊髄液における NfL 値の減少は、神経変性疾患に対する治療効果を示す根拠となるバイオマーカーデータとなります。私たちは、OBP-601 が PSP 患者にとって必要な治療選択肢となりうる可能性があることに興奮しています。さらに、今回得られた知見はアルツハイマー病や他の神経変性疾患の治療において、従来とは全く異なる新しい治療法への道を切り拓くものであると信じています。」




【Transposon 社の Dennis Podlesak, Chairman and Chief Executive Officer によるコメント】

"The Transposon team continues to make excellent progress against our key development milestones and corporate priorities, and we look forward to presenting these interim results from our PSP program at the AD/PD 2024 International Conference on Alzheimer’s and Parkinson’s Diseases," said of Transposon. "Beyond the promising reduction in NfL levels seen in our PSP study, we also look forward to reporting data from our three ongoing Phase 2 programs of TPN-101 in the first quarter of 2024 and, importantly, to expanding our development efforts for the compound into Alzheimer’s disease and other neurodegenerative and autoimmune disorders. "

(訳)

「Transposon 社は、主要な開発目標や優先度の高い企業活動に対して優れた進捗を続けており、今回得られた PSP 試験中間結果を AD/PD 2024 国際アルツハイマー・パーキンソン病学会で発表することを楽しみにしています。本試験で見られた NfL 値の減少という有望な結果に加えて、2024 年第 1 四半期には現在進行中である 3 つの OBP-601 第2相臨床試験※3 のデータも報告いたします。さらに重要なこととして、OBP-601 をアルツハイマー病や他の神経変性疾患、自己免疫疾患の治療へと開発対象を拡大していくことを楽しみにしています。」




NfL値の補足

ニューロフィラメント軽鎖(Neurofilament Light:NfL)

神経系の機能維持に関与している神経細胞の蛋白質であり、神経細胞の軸索に発現している。

NfL は、臨床的にアルツハイマー病やパーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)などに関連するバイオマーカーとして知られている。



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そういえば、こちらのブログ


 



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