【Research】 

米国研究者らが最良の遺伝性痙性対麻痺4型(SPG4)マウスモデルを作成

US researchers have made the best mice model for testing potential therapies for SPG4-HSP

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2022年、新年あけましておめでとうございます門松

久しぶりの医療研究情報のお届けとなりますあせる

昨年末に発表された論文で、遺伝性痙性対麻痺(HSP)で最も頻度の高いSPG4という病型について研究の進歩がありましたので、ご紹介いたします!

 

昨年12月22日に「Human Molecular Genetics」という科学誌に掲載された論文で、米国のデレクセル大学の研究チームがSPG4の病態を再現するマウスモデルの作成に成功したことを報告しました。ねずみ

 

SPG4は、スパスチンというタンパク質をコードするSPASTという遺伝子の変異を原因として、神経の軸索という組織の腫脹を伴う皮質脊髄路(運動機能の情報伝達系)の変性による歩行障害を引き起こす疾患ですが、これまでその病態を良好に再現する動物モデルが開発されていませんでした。

そこでデレクセル大学の研究チームは、遺伝子組み換えマウスを用いてSPST遺伝子が持つ機能の発現と喪失の関係を検討しました。

 

その結果、変異スパスチンを発現させたマウスでは皮質脊髄路の変性と歩行障害を呈しましたが、軸索の腫脹は再現されませんでした。一方で、SPAST遺伝子をノックアウト(正常スパスチンの発現を無効化)させたマウスでは軸索の腫脹を呈しましたが、皮質脊髄路の変性と歩行障害は再現されませんでした。

さらに、これら2種のマウスを交配したところ、交雑マウスでは軸索の腫れとともに、早期発症の歩行障害の進行、皮質脊髄路の変性が再現されました。

 

論文の結論では、「これら3種類のマウスは、SPG4の病理の異なる要素を今後さらに精査する上で非常に有用な動物モデルになる」と研究の成果を位置付けています。特に交雑マウスについては、SPG4のほぼすべての病態の再現を実現しており、「治療法を試験するため動物モデルとして、これまでで最良のものである」と太鼓判が押されています。

 

今後開発される治療法の実現においては、ヒトでの臨床試験の前に、動物モデルでの試験が必須になります。

この研究成果は、将来のHSPの克服に向けた重要な道筋になることと思います。

 

2022年も世界中でHSPの研究が進展し、治療法の実現へ近づいていきますようにキラキラ

研究者の皆さまへエールを送るとともに、患者家族の皆さまにも新年のご多幸を心よりお祈り申し上げます。

本年もどうぞよろしくお願いいたします。

 

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Source:

Modeling gain-of-function and loss-of-function components of SPAST-based hereditary spastic paraplegia using transgenic mice

Emanuela Piermarini, Seyma Akarsu, Theresa Connors, Matthias Kneussel, Michael A Lane, Gerardo Morfini, Arzu Karabay, Peter W Baas, Liang Qiang

Human Molecular Genetics, ddab367

 

https://doi.org/10.1093/hmg/ddab367

Published: 22 December 2021

 

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