長崎、沖縄の共通点は離島の多さです。長崎大学医学部といえば、医師の研修医制度で離島での勤務がありますが、大学病院の取り組みで医師の離島勤務が少しずつ定着している、と聞きます。
これに対し、看護師の場合も離島勤務を志望するケースが少ない共通項があります。よく沖縄の離島での看護支援ナース制度がありますが、南国ならではののんびりした勤務が特徴的です。診療所は午前だけの場合もあり、患者が来なければ休院にしてしまう医師もいるなど、なんとものどかな医療の側面もあるそうです。
ですが、一方で東北や北海道の僻地(へきち)や離島の場合は「冬季間」のハンデがあります。特に地方の総合病院や公立病院ほど看護師不足が顕著。そのため、住宅手当や冬季手当、燃料手当など、多くの手当でなんとか看護師を確保しようと躍起なのです。
なぜ、このような現実が生まれてしまったのでしょうか?その一例としてかつての「炭坑」が原因としてあります。九州と北海道には石炭の採掘場が広範囲にあり、地下深く掘り進む炭坑での落盤事故が頻発しました。そのため、国が音頭を取ってこうした地域に総合病院を建て、医師と看護師を集めました。
ですが、1970年代には石炭から石油へと電気エネルギーが変換してしまい、閉山した産炭地は、次々と人口が減少、あっというまに寂れてしまいました。残された病院だけが炭坑で傷病人となった患者を受け入れているわけです。
こうした病院の多くは現在も厚生労働省の管轄です。給料を高く設定し、なんとか病院を運営してはいますが、結局医師も看護師も集まらず、診療科目はどんどん少なくなり、病棟の閉鎖が進んでしまっているのです。