離島・へき地医療 看護師の生活 -5ページ目

離島・へき地医療 看護師の生活

離島や僻地では、医療従事者が少ないという問題を解決するために、いろいろな対策が行われています。

医療関係者にとって、当直や夜勤は「肉体労働」と考えられています。学問研究を行う医師や看護師も少数ながら、大学教員などの職業を通して勤務しますが、肉体労働は主に「夜間」勤務を指すことが多いようです。

執刀介助の看護師が、テレビドラマで医師にメスを手渡しする場面を見ることがありますが、手術室の清掃、衛生管理、そして器械出しを行うのは看護師の職務。そして、手術中の全てを書き留める仕事も、麻酔科医の介助も、全て看護師がいなければ進みません。

言い換えれば、医師がどんなに昼に手術を行いたくても、看護師が全ての準備を終えなければ、手術は始まりません。それが夜間になろうと、医師は看護師の仕事そっちのけで執刀をはじめるわけにはいかないのです。

そのため、看護師もどんどんとスペシャリストになりつつあります。中には、新人執刀医にダメダシ寸前の行動を取る看護師がいても不思議ではありません。つまり、看護師のレベルはどんどん上がっている、といえるのです。

ですが、こうした特殊技能をもった看護師は、地方や離島ではほとんど能力を活かす病院はありません。必要とされるのはジェネラリスト看護師であり、地域の住民の健康を守る予防医学を行う看護師です。こうした看護師は、小規模な村落の場合にありがちな「国民健康保険料の高騰」を食い止めるための健康活動を進んで行わなければなりません。

看護師としての使命は患者を助けることですが、終末期や予防医学ばかりを専門的に行うことは、やはりダイナミックさが少ないのは仕方がないのでしょう。そのため、地方の中核病院は高給で看護師を求めています。こうした場所での看護師は、引く手あまたになっているのです。