飯坂温泉ではなく穴原温泉
社労士会での年金政策が語られる。
現在の法案には以下のものがある。
第190国会●内閣提出法案第54号
公的年金制度の持続可能性の向上を図るための国民年金法等の一部を改正する法律案
この法案は衆議院で継続審議中。
賃金の下落などに応じて年金額を引き下げる「マクロ経済スライド」の強化を柱としている。
賃金が下落しているからといって、マクロ経済スライドにあわせて年金額を下げればますますデフレが継続される。しかし賃金が下がっているのに年金額を上げても、それは貯蓄性向に向かうだけで意味がない。そこで、減価する通貨制度での年金制度をやるべきなのである。
マクロ経済スライドとは、平均余命の伸びによる年金給付費の増加と、現役人口の減少による保険料収入の減少という社会情勢に合わせて、年金の給付水準を調整する仕組み。
最終的な負担額の水準を定めて、その中で保険料などの収入と、年金給付などの支出の均衡が保たれるよう、時間をかけて年金の給付水準の調整をする。
マクロ経済スライドによる調整機関の間に、「賃金や物価による年金額の伸び」から「スライド調整率」を引き、年金額を確定。スライド調整率は、年金給付費と保険料の収入バランスを考え、公的年金全体の被保険者の減少率+平均余命の伸びを勘案した一定率(0.3%)で算出。
現在は賃金や物価の下がるデフレ時には、年金額を引き下げるが、マクロ経済スライドによる調整は行わない。そのため、2015年度に初めてマクロ経済スライドによる調整が行われ、2016年にもこの法案が提出された。
概要は以下の通り。
1.短時間労働者への被用者保険の適用拡大の促進(平成28年10月実施)
500人以下の企業も、労使の合意に基づき、企業単位で短時間労働者への適用拡大を可能とする。(国・地方公共団体は、規模にかかわらず適用とする。)
※ 501人以上の企業等を対象に、平成28年10月から適用拡大を実施することは既に法定化。
2.国民年金第1号被保険者の産前産後期間の保険料の免除(平成31年4月施行)
次世代育成支援のため、国民年金第1号被保険者の産前産後期間の保険料を免除し、免除期間は満額の基礎年金を保障。
この財源として、国民年金保険料を月額100円程度引上げ。
3.年金額の改定ルールの見直し((1)は平成30年4月、(2)は平成33年4月施行)
公的年金制度の持続可能性を高め、将来世代の給付水準を確保するため、年金額の改定に際して、以下の措置を講じる。
(1) マクロ経済スライドについて、年金の名目額が前年度を下回らない措置を維持しつつ、賃金・物価上昇の範囲内で前年度までの未調整分を含めて調整。
(2) 賃金変動が物価変動を下回る場合に賃金変動に合わせて年金額を改定する考え方を徹底。
4.年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の組織等の見直し(平成29年10月(一部公布日から3月以内)施行)
合議制の経営委員会を設け、基本ポートフォリオ等の重要な方針に係る意思決定を行うとともに、執行機関の業務執行に対する監督を行うほか、年金積立金の運用に関し、リスク管理の方法の多様化など運用方法を追加する措置を講ずる。
5.日本年金機構の国庫納付規定の整備(公布日から3月以内施行)
日本年金機構に不要財産が生じた場合における国庫納付に係る規定を設ける。