29日の衆議院厚生労働委員会は、
●厚生労働関係の基本施策に関する件
●派遣委員の報告
で一般質疑の後に派遣委員の報告があった。報告は、能登半島地震における復旧の際の医療・介護の体制についての視察であった。
その後、新谷正義委員長より
●ハンセン病元患者家族に対する補償金の支給等に関する法律の一部を改正する法律案起草の件
が提起され全会一致で可決した。また、
●ハンセン病元患者家族に対する補償金の支給等に関する件
について厚生労働委員会として決議された。
この投稿にも書いたが、この時の議論時点ですでに延期を決めていたと言える。
法案はもともとが議員立法のもので、
令和元年法律第五十五号
ハンセン病元患者家族に対する補償金の支給等に関する法律
(補償金に係る認定等)
第九条 厚生労働大臣は、補償金の支給を受けようとする者の請求に基づき、当該支給を受ける権利の認定を行い、当該認定を受けた者に対し、補償金を支給する。
2 前項の補償金の支給の請求(以下この章において単に「請求」という。)は、施行日から起算して五年を経過したときは、することができない。
の第二項にある「五年」を「十年」に改める
ことにあり、全会一致で可決すべきものとされ、翌日の本会議に提出されることとなった。
政府によってハンセン病患者として隔離され、自由を奪われてきた彼らに政府が補償するのは現代社会の価値観において当然のことであり、補償金を受け取ることを拒否してきた方々に対して深くお詫びをし、補償されるように努力すべきである。
現在以下のようなポスターで告知を行ってきており、期日は本年11月21日までとなっているが、これを五年延ばすため、ポスターは撤去されていく予定。
福島県とハンセン病に関する記事として以下のようなものがあった。
木村さんは、放射線衛生学の専門家として、11年の東日本大震災直後に福島県に入り、放射能汚染の実態を調べたことでも知られる。この時の様子は同年の朝日新聞の連載「プロメテウスの罠(わな)」の第2シリーズ「研究者の辞表」で詳しく描かれている。
木村さんは独協医科大国際疫学研究室の福島分室長として、福島県二本松市に暮らし、いまも放射能汚染の実態を調べ続けている。その木村さんの目には、原発事故の被害者への差別や偏見が、ハンセン病患者への差別と重なって見える。
「通底するのは人権問題。差別という根っこの中に、多くの人を不幸にしている問題がある。仙太郎さんのことを家族に秘密にしていた父も、家族を守るためにつらい過去を一身に背負い、いわれなき差別に耐えていたのだと思う」
とある。
また以下のサイトは真宗大谷派 東本願寺のものである。
ハンセン病問題と福島の子どもたちの一時保養 - しんらん交流館
ここにおいても、ハンセン病と福島県の原発事故に遭われた方々との対比がなされるのである。
感染するしないは別として、偏見で見られることは確かだ。
私は、原発事故直後に東京から福島に入り、除染活動をしていたが、あの頃東京に帰ると、「放射線を浴びているあなたと近づいたら伝染するんじゃないの?」などと、冗談なのか本気なのかよくわからないが言われたことがある。
らい菌の感染力は強くないが、治療されていない患者と濃厚かつ頻回に接触すると、鼻や口からの飛沫で感染する可能性はあるのはあるが、放射線が感染するわけがないのは、普通に考えたらわかりそうなものだ。
このようにして人は差別していく。