金融商品取引法及び投資信託及び投資法人に関する法律の一部を改正する法律案(213国会閣56)は19日に審査入りし、26日に質疑・討論の後、賛成多数により可決すべきものとされた。
「及び」が二つ入っているのでややこしいが、
〇金融商品取引法
〇投資信託及び投資法人に関する法律
の二つの法律の本則を改正するという意味である。
関連して以下の法律の附則も改正する。
・農業協同組合法
・水産業協同組合法
・協同組合による金融事業に関する法律
・信用金庫法
・労働金庫法
・農林中央金庫法
・会社法
・登録免許税法
・住民基本台帳法
・金融機関等が行う特定金融取引の一括清算に関する法律
・特定融資枠契約に関する法律
・社債、株式等の振替に関する法律
・株式会社商工組合中央金庫法
・郵政民営化法
・郵政民営化法等の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律
・金融庁設置法
今回の改正法案の概要は以下の通り。
討論では、立憲と共産が反対討論に立った。反対理由はプロ投資家の規制を緩和することにより詐欺が増えるという内容等であった。
金融庁は資産運用会社の参入規制を緩和する。現在は各社が自前で運用と資産管理の両方を持たなければ参入が認められない。管理部門を持たなくても認められるようになる。運用会社の立ち上げ時に資金を拠出する仕組みも導入する。参入障壁を下げることで小規模でも特徴ある運用会社の新規参入を促す。運用先を多様化し、投資家の選択肢を広げる。
なにしろ、日本の現行制度であると、投資運用業者はファンドの運営機能(企画・立案)に特化することができないため、ミドル・バックシステムとしてコンプライアンスや計理業務などを他社に委託し、簡易な登録制度とするというのである。
日本では、新規の特色ある資産運用会社の参入が少なく、諸外国と比べてみても資産運用残高(対GDP比)や会社数が少ないのが現状であり、日本は資産運用残高が7.2兆ドルでGDPの1.4倍で104社しかないために増やそうということである。
社会的な規制はかけるべきだが、経済は自由であるべきなので、賛成すべき案件だと思う。公正さを考えるのならば、内閣府には証券取引等監視委員会というものがある。
岸田政権の掲げる「新しい資本主義」では、日本人の貯蓄志向をなんとか投資に流したいということなのだろう。ただ、そのようになるかどうかはわからない。このような政策よりも、減価する通貨を用いて流通速度を早めて流すことが最適である。