213-衆05 被災者の差し押さえ禁止法案●人を助けるのに傲慢になる人々 | 国政報告 おおさか佳巨 福島県[県中]の生活

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悪さしながら男なら 粋で優しい馬鹿でいろ

Aさんは人生の上で大変困っていることに遭遇しているとする。

Bさんは今までに人を助けたことがあり、今でも人を助けたいと思っている人であるとする。

 

あるとき、AさんがBさんに助けを求めた。そうしたらBさんはこう言った。「助けてあげるけど、でもそれは君の心がけ次第だね」と。

 

それでもAさんは本当に困っているので、藁をもつかむ思いであったからBさんの援護をたいていは受け入れるだろう。

 

私はこのような状態に三度ほどなったことがあるが、いずれもAさんのようには助けを求めることはしなかった。

 

なぜならばBさんは、こうしたことを幾度が続けており、傲慢になっているからである。つまりはBさんのためにならないのである。

 

困っている人がいたら助けるのは当たり前ではなかろうか。

 

それを「あなたの心がけ次第だ」

 

とか言うのは、人を助け慣れた結果、生じた「上から目線」意識である。

 

私が経験した三度というのは、そのうち二人は人助けをしなければいけないと考えている宗教団体の大幹部と信徒である。もう一人は「社会貢献」という言葉好きでNPOを立ち上げて途上国の子供たちを支援している人だ。

 

このような人というのは、助け慣れて傲慢になっているのである。つまりは、助けてあげるんだから俺に忠誠を誓えということをも意味している。だからそういう人たちとは一線を引いて活動するのが望ましい。恩を売って、自らの売名や手柄を欲する人に本当の助けということができるわけがない。無償の愛で人を助けるのが人としての在り方ではないかと思う。

 

そこで今回の石川県の能登半島地震での復旧・復興支援の話だが、予算委員会で岸田文雄首相は、ストレートではないが、地震保険に入っていたならばいろいろと良かったとの発言をした。そんなことは当たり前だ。今このようにして震災が起きて、三か月経ってもまだ収束しない状況で、地震前に保険に入っていればよかったなどというのは国として助ける意識がないのではないか。今、政府としてどのように助けるのかということを国会で議論しているのに、なぜそんなことを言うのか。確かに、地震保険に入っていなければ保障は受けられない。だが、政府の力をもってして助けることは可能だ。だからこれは「あなた方の心がけ次第だよ」と言っているのに等しい

 

全くもって何様だと思っているのか!

 

困っていることというのは、たいていお金のことだ。被災地においては財産を失い、職を失い、経済活動が困窮する。したがって即時に差し押さえを禁ずる法律を成立させるべきであった。日本は災害大国であり、これまで何度もこの法案は災害のたびに立法してきている。

 

もう少し早く必要だったかもしれない。今回出しているということは令和6年度予算でやるということだ。令和5年度の補正予算でも可能だったので、もう少し早くしてもらいたかった。

 

今回は衆議院厚生労働委員会において

「令和六年能登半島地震災害に係る住宅再建支援等給付金に係る差押禁止等に関する法律案」が起草された。これはいつも議員立法である。これまで熊本地震以前から同じパターンでこの手の法案が議員立法でなされている。この法律は、令和六年能登半島地震災害に係る住宅再建支援等給付金について、その支給を受けることとなった者が自らこれを使用することができるよう、その差押禁止等について定めるものである。

 

公布の日から施行ということで早急に手を打つこととなった。本会議で29日に上程され全会一致で可決した。

 

衆議院厚生労働委員会で起草し、可決された法案は以下の通り。

 

令和六年能登半島地震災害に係る住宅再建支援等給付金に係る差押禁止等に関する法律案

 (趣旨)

第一条 この法律は、令和六年能登半島地震災害に係る住宅再建支援等給付金について、その支給を受けることとなった者が自らこれを使用することができるよう、その差押禁止等について定めるものとする。

 (定義)

第二条 この法律において「令和六年能登半島地震災害に係る住宅再建支援等給付金」とは、令和六年一月一日に発生した令和六年能登半島地震による災害により住宅に被害を受けた世帯(以下この条において「被災世帯」という。)の住宅の再建の支援等の観点から支給される給付金であって、それらがあいまって被災世帯に必要な支援を確保し、当該災害により被害を受けた地域のコミュニティの再生を図り、当該地域における社会福祉の向上に資するものとして石川県から支給される次に掲げるものをいう。

 一 令和六年三月一日に閣議において決定された令和五年度一般会計予備費の使用に基づく地域福祉推進支援臨時特例交付金その他高齢者若しくは障害者がいる世帯又は住宅の建設、購入若しくは補修のための借入金の借入れを受け若しくは返済を行うことが容易でない世帯に対して給付金を支給することを目的として国が交付する交付金として厚生労働省令で定めるものを主たる財源として支給される給付金

 二 前号に掲げる給付金の支給を受けていない世帯の住宅の建設、購入又は補修のための借入金の利息の支払に充てるものとして支給される給付金として厚生労働省令で定めるもの

 (差押禁止等)

第三条 令和六年能登半島地震災害に係る住宅再建支援等給付金の支給を受けることとなった者の当該支給を受ける権利は、譲り渡し、担保に供し、又は差し押さえることができない。

2 令和六年能登半島地震災害に係る住宅再建支援等給付金として支給を受けた金銭は、差し押さえることができない。

   附 則

1 この法律は、公布の日から施行する。

2 この法律は、この法律の施行前に支給を受け、又は支給を受けることとなった令和六年能登半島地震災害に係る住宅再建支援等給付金(第二条第一号の地域福祉推進支援臨時特例交付金に係るもの及び同条第二号に掲げるものに限る。)についても適用する。ただし、この法律の施行前に生じた効力を妨げない。

 

 

残りの法案

・雇用保険法等の一部を改正する法律案(213国会閣10)

・脱炭素成長型経済構造への円滑な移行のための低炭素水素等の供給及び利用の促進に関する法律案(213国会閣16)

・二酸化炭素の貯留事業に関する法律案(213国会閣17)

・地域における生物の多様性の増進のための活動の促進等に関する法律案(213国会閣43)

・食料・農業・農村基本法の一部を改正する法律案(213国会閣26)

・民法等の一部を改正する法律案(213国会閣47)

・国際通貨基金及び国際復興開発銀行への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案(213国会閣5)

 

・東日本大震災復興の総合的対策に関する件