与党議員の質問と企業団体献金について | 国政報告 おおさか佳巨 福島県[県中]の生活

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放送大学教養学部(情報コース)1年生。国土交通モノの職業は海と空以外は制覇。運輸・不動産・土木建設業、国土交通副大臣秘書。武力治安系は暴対防止、保安警備業、消防団員、国家公安委員長秘書。自由な経済、公正な政治、ケアのある社会を作るための国政報告を勝手にやる。

先日の朝まで生テレビで、何年振りかにこの番組を見た。

その中で、日本共産党の東京選挙区選出の山添拓参議院議員は、国会の委員会における与党議員の質問が少ないことについて批判をしていた。

 

まだ経験年数が少ないから知らないのかもしれないが、委員会での質問時間を議席数でまともに割り当てるとほとんど与党議員の質問時間数になってしまう。与党は基本的に内閣提出法案には賛成する意向で審議しているのだから、野党の質問時間数を増やして、与党の議員には引っ込んでもらうという趣旨があっての時間配分だろう。この山添議員はそれについて異論を唱えていたのだが、このシステムは野党への配慮ではなかろうか。

 

これは民主党政権の時も同様であったが、与党の場合は委員会審議の前に政務調査会(民主党では政策調査会)の下にある各部会で法案が事前審査される。そこで了承されたものが国会に上がってくるわけで、与党議員はすでに部会で審議を尽くしているのである。ただ、これには問題があって、与党議員の若手が委員会での質問時間数を減らされて訓練にならないということがある。これについては山添議員の言う通りなのだが、野党が質問する時間を増やすのは当然のことではないかと思う。

 

ただし、与党というのは閣法に賛成するのがすでに決まっていることが多いということにも問題はある。党議拘束がほとんどの法案でかかっているので、野党的な質問をなるべく避ける傾向にあるばかりか、大臣に対してちょうちん持ち質疑ばかりしたり、あるいは事前に官僚からのレクを受けたりしてその通りの質問をするという、主体性のない与党議員もいる。国民の代表として出てきているのだから、与党の縛りや官僚の指導を置いておいて質疑すべきだろう。与党と政府というのは一体であると同時に一体ではない。それが議院内閣制の微妙なところであるのだが、与党の中には政府が提出してくる法案や予算に異議を国会で述べてはいけないという雰囲気は、民主主義の観点からしても実におかしなことである。また、野党だからといって、党の方針が反対だから反対するというのも国民を代表していないことになるだろう。

 

昨年逮捕された秋本真利衆議院議員は、かつて自民党にあって原子力発電の政策について反対の意見を持っており、委員会の中でもたびたび政府を追及していた。自民党の中にもそういう意見があることはあるが、それを堂々と政府に申し述べていたことは評価できる。しかし、質疑の内容をよく聞いてみると、政府に対しての配慮が欠けているような姿勢が多々見られた。野党ではないのだから、もう少し言い方を変えたほうがよいのではないかと思ったことがある。結局彼は、原子力には反対していたが風力発電関連の業者から受託収賄をしていたという疑いで東京地検特捜部により逮捕された。

 

原子力の利権を壊して、風力の利権を手に入れようとしていたものであるが、それは自然エネルギーが安全であり、効率的であるという彼の主張ともあいまってのことだろうが、政治倫理に欠けていたと言わざるを得ない。現在は自民党を離党して無所属の立場であるが衆議院議員は辞めないままにいる。

 

与党の中で政府の一部方針に反対するということはあってもいいが、まず共通の土台として、国民の代表としてそこで発言をするのだから、一部の業者からお金を受け取ってはダメだということだ。昨今の政治資金の問題はこの企業団体献金にその源がある。政党助成金制度を作ったのは「将来的に企業団体献金を見直す」ということから決めたことである。それがいまだにどうにも禁止にはなっていない。

 

これまで野党から議員立法で何度か企業団体献金を廃止する法案は提出されているが、毎度毎度衆議院が解散されるたびに審議未了で廃案になっている。立憲民主党や国民民主党も企業団体献金廃止を訴えるが、彼らが民主党政権として政府・与党にあった時には、そんなことを忘れたかのように企業団体献金を自ら得ていたのである。

 

政権をとれば、野党時代の言っていたことを覆すという、いわば民主党政権が崩壊した理由の一つでもある。これを彼らはやった前科である。したがって野党が企業団体献金を廃止するなどと言っているのは信用に値しない。もっとも望ましいのは、自民党が自浄作用で企業団体献金をやめることにある。そのためには政党助成金を倍増し、国民が希望する政党に助成金が行くようなシステムも考えたらいいのではないか。