エネルギーミックスに関する質疑 | 国政報告 おおさか佳巨 福島県[県中]の生活

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悪さしながら男なら 粋で優しい馬鹿でいろ

3月8日の経済産業委員会で、原子力発電やエネルギーに関する質問が自民党の岡下昌平委員から、民進党からは田嶋要委員が出しています。

 

●岡下昌平委員(自民)

・現状の原子力発電に対する国民理解及び再生可能エネルギー価格の動向では、長期エネルギー需給見通し(エネルギーミックス)達成の見通しが立たず、国の基本政策であるエネルギー基本計画の抜本的見直しが必要であるとの考えに対する世耕経済産業大臣の所見を伺いたい。

 ▽世耕弘成経済産業大臣

やはりこのエネルギー政策というのは、非常に国の根幹にかかわることだと思います。私もたくさん海外も訪問しますし、海外で暮らしたこともありますが、日本ほど停電がなくて、安定的に電力が供給されている国がない。これが国民生活の快適さにつながり、あるいは、やはり競争力の日本の一つの強みになってきているというふうに思っています。

 

 いろいろなデータとかを見ていても、例えば、五十ヘルツ、六十ヘルツで電力は運営されていますが、これが少しでもぶれるだけで大変な影響が起きるというようなこともあるわけであります。

 

 だから、そういう中でやはりエネルギー政策というのはよく考えていかなきゃいけない。特にその電源、今はずっと御指摘いただいているように、それぞれの電源にいいところ、悪いところがあるわけです。コストの問題から始まって、環境への負荷の問題、あるいは安定性の問題とか、いろいろあります。

 

 ですから、こういったものを特に何か一つのエネルギーにぐっと頼っていく、一つのエネルギーを過大に評価するんじゃなくて、それぞれのエネルギー源のいいところ、悪いところを冷静に見詰めて、そして、それを相互にうまく補完し合うような、バランスあるエネルギー政策というのをやっていかなきゃいけない。

 

 そういう意味で、安倍政権になってから一度このエネルギー基本計画というのを、考えに考えて、特に震災後の国民の考えとか、再生可能エネルギーをふやしていかなきゃいけない。また、環境問題というのも、特にCO2の排出というのがもう国際的なアジェンダになっているという中でどういうふうにやればいいだろうかということをすごく考えて、今のエネルギー基本計画、そしてエネルギーミックスというのを考えさせていただいています。

 

 ただ、これはここで終わりというのはありません。今御指摘のように、三年たちましたので、見直しの検討の時期に来ております。ことしは、まずこのエネルギー基本計画について法律上検討をする時期ということになります。このまま進めていく、かなり三年前もいろいろな状況を踏まえてじっくり考えた結果ではありますから、このまま進むという選択肢も含めて、あるいは、やはりいろいろな動向を考えて方向を少し微修正した方がいいのか、何か大幅に変えるということはないと思いますけれども、何らかの調整をしていくのか。

 

 予断を持たずにしっかりとことしは検討していきたいというふうに思っております。

 

 

 

●田嶋要委員(民進)

・第四次産業革命の進展とそれに伴う電気事業への影響を踏まえて、大規模集中型から小規模分散型へと移行した欧米の事例を研究して、我が国においても分散型エネルギー社会を推進する必要性について伺いたい。

 ▽世耕弘成経済産業大臣

田嶋委員と私が働いていた電気通信業界、一昔前は、当然電話交換機というものを中心にネットワークが構成されるんだ、それが当たり前であって、今みたいなルーターのような機器がネットワークをコントロールしていくような時代が来るなんてことは、はっきり言って想像もしていなかったわけであります。また、今それが、ついに電話ももうそちらでやっていくというような時代になってきたわけであります。

 

 ただ、一方で、こういう変化というのは何か一年とか二年でぽんと起こったわけではなくて、やはり電気通信の業界も徐々に徐々にそういうところへシフトをしていって、今、いよいよもうアナログ電話を終わりにするかどうかという議論になっている。また、今総務省で行われていると聞いていますが、その議論の中では、やはり一方で、アナログ電話も安定的なところはあって、緊急通報とかはどうするんだという議論も出てくる、あるいは過疎地のサービスはどうするんだという問題も出てくるわけであります。

 

 電力も、今はもうグーグルが参入を考えていたりとか、いろいろな変化がこれから起こってくるというふうに思います。

 

 おっしゃるように、なかなか、日本は変革のスピードというのは必ずしも欧米と比べて早くないという面があります。そういった新しい動きにおくれることがないように、しっかり取り組んでいきたいと思っています。

 

 経産省としても、今御指摘のようなIT、ビッグデータと電力事業を組み合わせたようなことというのはもう視野に入れておりまして、例えば、多数の分散型電源を束ねて制御をして、仮想的な発電所、バーチャルパワープラントというのを構築して、電力の需給調整に活用するような先駆的な取り組みも始めております。

 

 しっかり安定供給ということはやりながら、こういった新しい動きにもきちんと対応してまいりたいと思っています。

 

 

・政府は現状認識として原子力発電には経済性があるとする一方で、長期エネルギー需給見通し(エネルギーミックス)では原子力発電への依存度を低減するとしている理由を伺いたい。

 ▽世耕弘成経済産業大臣

いろいろなファクターがあると思います。

 

 原発の依存度をなぜ下げるのかということでありますけれども、やはり一つは、かつて安全神話に陥って十分な過酷事故への対応ができなかった、あのような悲惨な事態を防ぐことができなかったことへの深い反省、国民の意識に向き合った深い反省、そういったことを踏まえて依存度を下げていくということだと思います。

 

 また、現実問題としては、新増設、リプレース、なかなかこれは難しいわけであります。今、当然、安全第一で、規制委員会にチェックを受けて、それをクリアしたものは再稼働ということになっていきますが、それが再稼働できるベースで考えても、現実的にかつてのような依存度ということはできない、一方で再生可能エネルギーというのも育ってきている、そういったことを含めて総合的に判断して、依存度を徐々に下げていこうというのが政府の判断であります。