第190国会●内閣提出法案第49号
民法の一部を改正する法律案
離婚時に妊娠していないとの医師の証明があれば百日以内でも再婚を認める規定も盛り込まれている。
岩城光英法相は「違憲状態を速やかに是正し、国民の混乱を回避するために改正が必要だ。今国会での速やかな成立を期待している」と述べている。
国連の女性差別撤廃委員会からは、女性の再婚禁止期間があること自体、差別的だとして完全に廃止するよう勧告する文書を公表。
最高裁は昨年十二月、百日を超える再婚禁止期間を「過剰な制約」として違憲と判断。桜井龍子裁判官らは補足意見で、離婚時に妊娠していないことを医学的検査で確認した場合などは禁止期間を適用すべきではないと指摘した。
これを受けて法務省は法改正に着手。妊娠していないことを証明する文書の書式について日本医師会などと調整中。
法務省は過去に六十七歳の女性に禁止期間内の再婚を認めたことがあり、その後も六十七歳以上を例外の基準としてきた。出産の可能性がないと判断したためとみられ、今後もこうしたケースでは証明書を求めない方針であるが、ちなみに旧ソ連では71歳で出産した女性がいる。
女性の再婚禁止期間は廃止すべきものであるので反対する。
一 再婚禁止期間の短縮等
1 再婚禁止期間を「前婚の解消又は取消しの日から6箇月」から「前婚の解消又は取消しの日から起算して100日」に改めるものとすること。
2 女が前婚の解消若しくは取消しの時に懐胎していなかった場合又は女が前婚の解消若しくは取消しの後に出産した場合には再婚禁止期間の規定を適用しないものとすること。
二 再婚禁止期間内にした婚姻の取消しに関する改正
再婚禁止期間の規定に違反した婚姻について、前婚の解消若しくは取消しの日から起算して100日を経過し、又は女が再婚後に出産したときは、その取消しを請求することができないものとすること。
三 施行期日
この法律は、公布の日から施行するものとすること。
(修正要旨)
政府は、この法律の施行後3年を目途として、この法律による改正後の規定の施行の状況等を勘案し、再婚禁止に係る制度の在り方について検討を加えるものとする規定を追加すること。
この改正案は全会一致で可決。