投票率が高ければ政権側が落ちるのか  | 国政報告 おおさか佳巨 福島県[県中]の生活

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世の中に必要なものは必要になります。
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限界が来るものについては、捨てなければ生きていけないからです。

自分は若いときから反自民党の側にいて、つねに言われてきたのは、
「投票率が高くなれば我々は勝てる」ということだった。

これらを教えてきた先輩方の中には、自民党にいた人もあり、野党側にいた人たちもあったが、一世代上の人たちからしてみて、総じて言うと

●投票率が高いとき、自民党は勝つ。なぜならばほとんどの日本人は資本主義を志向しており、社会主義は否定している。なおかつ組織に属さない人々は自民党に投票するからである。

●投票率が低いとき、野党は勝つ。なぜならば、労働組合、創価学会などの組織票を持つからであり、彼らは投票日の雨を望む。

ということであったが、我々の時代は、

●投票率が高いとき、我々の側すなわち反自民の保守、リベラル勢力などは勝つ。なぜならばほとんどの日本人は資本主義を志向しており、社会主義は否定している。なおかつ組織に属さない保守陣営は我々につき、組織に属す保守側は自民党に投票するからである。

●投票率が低いとき、自民・公明・共産は勝つ。なぜならば、利益団体・労働組合、創価学会などの組織票を持つからであり、彼らは投票日の雨を望む。

ということになっていた。

つまり浮動票を期待する側は投票率の向上を目指し、それが達成されれば自分たちは勝つと思い込んできたのである。

しかし、どうだろうか。統計はうそをつかない。そんなことは全く関係ないのである。むしろ、投票率が高くなって政権側が勝るケースが増えてきている。

これはかつての55年体制と違って、保守の側にも野党があるからであり、かつての左翼的な思考方法の人々は、世論の中のごく少数をかねてから占めているのに、彼らがその政治活動を展開するにあたって、反政権保守と入り交ざることにより、方針の勘違いをしているのではないかということである。

参議院選挙においては確かに、投票率が高まって政権を引きずりおろしたことばかりだが、橋本内閣のあとに誕生した小渕内閣、第一次安倍内閣の退陣後に福田内閣といったように、結局は同じ派閥から出して政権を継続させている。



○=投票率が高くて政権側が勝利したケース ●=投票率が高くて反政権が勝利したケース
×=投票率が下がったとき

1.衆議院総選挙の場合
● 39 1990 73.31 up 社会党が議席をを増やすが自民党は過半数を維持
× 40 1993 67.26 dw 非自民連立政権誕生、宮沢内閣退陣
× 41 1996 59.65 dw
○ 42 2000 62.49 up 民主党が議席を増やすが自民党と公明党で過半数を維持
× 43 2003 59.86 dw
○ 44 2007 67.51 up 郵政解散、自民党が圧勝
● 45 2009 69.28 up 政権交代、民主党が圧勝、麻生内閣退陣
× 46 2012 59.32 dw
× 47 2014 52.66 dw

2.参議院通常選挙の場合
× 15 1989 65.02 dw マドンナ旋風、宇野内閣退陣
× 16 1992 50.72 dw 自民党過半数回復せず
× 17 1995 44.52 dw 新進党躍進、自民党過半数回復せず
● 18 1998 58.84 up 民主党躍進、橋本内閣退陣
× 19 2001 56.44 dw 自民・公明で過半数回復
● 20 2004 56.57 up 民主党躍進、自民・公明が過半数維持
● 21 2007 58.64 up 民主党圧勝、自民・公明が過半数割れ、第一次安倍内閣退陣
× 22 2010 57.92 dw 野党・自民党躍進、民主党が過半数割れ、菅内閣退陣
× 23 2013 52.61 dw 自民・公明で過半数維持
○ 24 2016 54.7 up 自民・公明で過半数維持

3.東京都知事選挙の場合
○ 1991 51.56 up 鈴木俊一当選、磯村尚徳落選
× 1995 50.67 dw 無党派・青島幸男が初当選
● 1999 57.87 up 石原慎太郎が初当選、鳩山邦夫・舛添要一・明石康・三上満が落選
○ 2003 44.94 dw 石原慎太郎が当選、樋口恵子・若林義春が落選。
○ 2007 54.35 up 石原慎太郎が当選、浅野史郎・吉田万三・黒川紀章が落選。
○ 2011 57.8 up 石原慎太郎が当選、東国原英夫、渡邉美樹、小池晃が落選。
○ 2012 62.6 up 猪瀬直樹が当選、宇都宮健児・松沢成文・笹川堯が落選。
○ 2014 46.14 dw 舛添要一が当選、宇都宮健児・細川護熙・田母神俊雄が落選。
● 2016 59.73 up 小池百合子が当選、増田寛也・鳥越俊太郎が落選。