昨日(9月27日)、本会議で一般質問を行い、議員特権としか思えない海外視察と1日に一食か二食しか食べられないひとり親家庭の救済とどちらが大切なのか、熊谷知事に問い質しましたが、後ろ向きの答弁しかもらえませんでした。質問の冒頭、知事にも判断の参考にしてほしいとの思いから、杉原千畝(ちうね)の話をしたのですが。

   先月27日から10日間、自費で平和活動のため、フィンランドとバルト三国、モルドバの五か国を訪問した折、リトアニアのカウナスにあります杉原千畝記念館を見学して参りました。杉原千畝は、東洋のシンドラーと言われた方です。領事代理でしたが、1940年ナチスの迫害を逃れリトアニアにやってきた亡命ユダヤ人に、自らの危険を顧みず、日本本国の意向に逆らい日本のビザを発給し続け6000人の人命を救いました。同じ日本人として大変誇りに思うと同時に深く頭の下がる思いが致しました。杉原千畝の勇気ある行動に少しは思いを馳せたいものです、と。

 県内でもひとり親家庭が貧困にあえいでいます。民間団体の調査によると、34%で子どもが夏休み中に1日2食以下で過ごしており、米をおかゆにしてかさを増したり、親が1日1食に減らしたりする例もあり、全体の2%が1日1食とのこと。夏休みが終わると体重が減っている子もおり、給食のない夏休みなんかない方がいいとの声もあります。この豊かな日本において。

 また、令和元年度の県立高校生の修学旅行。実施した全日制120校、定時制7校のうち、不参加の理由を「経済的理由」としたのは、全日制21校50名、定時制1校1名でした。一生の思い出となる修学旅行にクラスでただ一人、学校でただ一人参加できない生徒のみじめさを考えたことがあるでしょうか。いじめの原因になることさえあると言われます。東京葛飾区では、来年度から中学校の修学旅行を無償化するとのこと。体験格差是正は重要です。

 海外視察を廃止できれば、予算計上額3068万円を、例えば2500万円をフードバンクや子ども食堂の補助増額に、568万円を県立高校生の旅行支援に充てることができます。

 知事には、少数与党のため自民党の協力がないと予算も条例も成立しないという事情があるにせよ、子供の貧困は9人に1人と言われ、県内にも何千何万といます。生存権が脅かされているひとり親家庭救済のため、杉原千畝の勇気ある英断がほしかった。