元首相が提唱した国連常設軍の創設も、常任理事国の一国でも反対すれば実現することはできない。ウクライナ問題でも安全保障理事会は機能不全に陥った。単独拒否権制度がある限り、国連は半永久的に抜本的改革を出来ない事になる。

   そこで、常設軍創設に賛同する国々で、今ある国連の1インチ横に新しい国連を創設し移行する。即ち国連を脱退し新国連に加盟する。

 新国連は、①敵国条項を撤廃する。②安全保障理事会の常任理事国を従来の五か国に、人口や国内総生産、国連分担金などを考慮して、インド、ブラジル、ドイツ、イタリア、そして日本を加えて10ヵ国とし、10年毎に見直す。③常任理事国には単独拒否権を認めず、2ヵ国以上で行使しなければならず、④総会で8割以上の国々が賛成すれば決議できる。⑤事務総長は非常任理事国から選出することや、他の組織は継承する。

 

  国連常設軍が創設されても全ての国際紛争が解決されるわけではないが、大幅に減ることは想像に難くない。

例えばロシアによるウクライナへの侵攻。第三国から構成される常設軍にロシアと良好な関係にあるインドやトルコ出身の兵士も参加すれば、ロシアも手を出しにくい平和のバリアーを築くことができ停戦と和平に向けて対話を促すことができる。

 

   政治の使命は、国を守り治安を維持することだけではない。すべての人に、人間らしい生活を保障するところにある。一人でも多くの方に幸せになって頂くために政治がある。

   世界は戦争や紛争だけでなく、地球温暖化等の環境問題、飢餓や貧困、パンデミック、食料やエネルギー等人類共通の課題に苦しんでいる。人類の危機に一丸となって協力し立ち向かう必要がある。

   私のプランも試案の一つとしてご検討いただき、より良い国際機関となるよう、そして近い将来EUヨーロッパ連合のような世界連邦に発展することを心から願っている。