10月12日文通費について、東京高等裁判所に控訴状を提出いたしました。

(国会議員らの不法行為に基づく国家賠償請求控訴事件)

 

控訴理由

本件は、二重の意味で違憲である。

 

   国会議員の文書通信交通滞在費、略して文通費の違憲性や不当性を訴えるのに、何故国家賠償法という迂遠な方法をとらざるを得ないのか。それは、国家に対する住民訴訟制度、正確には国家に対する国民訴訟制度がないからである。普通地方公共団体に対する住民訴訟は、事前に監査委員会に監査請求が必要とはいえ地方自治法で認めら手続きが定められているのに、国家に対する住民訴訟即ち国民訴訟が認められていない。

 

   日本国憲法32条は,裁判を受ける権利を規定し、この権利を基本的人権の一つとして保障している。国会の法律によって与えられたものではない。法律はその手続きを定めるものにすぎない。また、裁判所は裁判への信頼を裏切ることなくつねに公正・公平な裁判を行わなければならず、正式の訴えに対して裁判を怠ったり拒絶をしてはならない。

 

   したがって普通地方公共団体に対する住民訴訟が認められているのに、国家に対する住民訴訟が認められていないのは違憲と言わなければならない。また、普通地方公共団体に対する住民訴訟が認められているのに、国家に対する住民訴訟が認められない合理的理由は存しない。

   普通地方公共団体であれ国家であれ有限な人間の集合体である。ならば自治体だけでなく、国家と言えども違法もしくは不当な財務会計上の行為又は怠る事実はあるのである。例えばハンセン病国家賠償請求訴訟やサリドマイド訴訟等々。

 

 国家に対する住民訴訟の手続きを定めた法律は存しない。このことも違憲状態にあると言え、住民訴訟を定めた地方自治法の規定を類推適用するほかない。

   住民訴訟では、事前に監査委員会に監査請求が必要とされているが、それは主に濫訴を防ぐためと解せられる。国家に監査委員会がない以上、事前審査を受けることは不可能である。

   したがって、東京高裁は、控訴を受理し審理をしていただく必要がある。