今こそ世界連邦を

 防衛費が第2次安倍内閣発足以降8年連続で増加し、20年度当初予算は5兆3千億円で過去最大を更新。21年度予算の概算要求も過去最大の5兆4千億円超とのこと。

米国軍事力評価機関によると、日本は2年前は7位だったのに今年は仏英を抜いて米ソ中インドに次ぐ5位。超軍事大国とは言えないまでも、既に軍事大国化している。

 他の国が脅威と受け止めて対抗措置を取り、軍拡が更なる軍拡を呼び、かえって不安や緊張が増す安全保障のジレンマを招く恐れが大だ。

 政治の究極目標の一つは、人類の悲願である世界平和の実現だ。そのためには、かつての自民党の石橋湛山、宮沢喜一両元首相が訴えたように国連による集団安全保障の強化、国連常設軍の創設、さらには人類の理想である世界連邦建設に向けて、外交努力を重ねるべきである。

 今の国連は、常任理事国が拒否権を持つなど不合理な点も多い。そこで、国連分担金の上位10ヵ国のうち常任理事国を除く日(3位)独(4位)伊(7位)ブラジル(8位)加(9位)にインド(人口2位.GDP7位)を加えた6ヵ国を常任理事国とする世界連邦を立上げれば、5常任理事国も追随せざるを得なくなるのではないか。日本を含む11ヵ国を常任理事国とし、単独拒否権を認めず、3分の1以上すなわち4か国以上の同意がないと拒否権を行使できないとすれば、決議案が通らない事態は少なくなる。そして、本部は暫定的にジュネーブか広島に置き、米国が参加すれば、国連本部のあるニューヨークに戻せばよいと考える。