「パワハラは略語なのでもちろん和製英語ですがそもそもその正式名称の

Power Harassment (パワーハラスメント)

自体が和製英語である事をご存知でしょうか?


びっくりですよね。

なぜこれが分かったかというのはある英語の交流会へ行ったとき
私はこういいました。


I am reporting power harassment to HR.
(私は職場のパワハラについて人事部に報告しています。)


当時参加していた日本にまだ

来て間もないアメリカ人はこういいました。


What does power harassment mean?


パワーハラスメントってどういう意味ですか?

私はびっくりしました。
このパワーハラスメントが
和製英語だとは思わなかったのでしたが、
彼のいうには英語には
そんな表現はないそうです。

詳しく説明したあと
パワハラにあたる英語は

Workplace bullying(職場のいじめ)Workplace harassment表現されるそうです。


ではなぜパワーハラスメントという

言葉が生まれたのか?


それは「セクシャルハラスメント

Sexual harassment 

(セクハラ)」が日本社会に定着し、

その末尾にある

ハラスメント

という言葉が独り歩きした

ことが理由です。


1. セクハラからパワハラへの「ハラスメント」のバトン


日本で「ハラスメント(嫌がらせ)」

という概念が一般に広く

知れ渡ったきっかけは、

1980年代後半の

セクシャルハラスメント裁判でした。

1989年には「セクハラ」が新語・流行語大賞の金賞を受賞し、社会問題として定着します。

おっしゃる通り、この時

「~ハラスメント=職場で

優位な立場を利用した許されない嫌がらせ・人権侵害」というイメージが、

日本人の意識に強く

植え付けられました。


2. 「パワーハラスメント」という言葉の誕生


その後、2001年に

人事コンサルティング会社

「クオレ・シー・キューブ」の岡田康子氏らが、

職場の「いじめ・嫌がらせ」を

表す言葉として

「パワーハラスメント」

という造語を考案しました。

当時、職場で上司が部下を

怒鳴り散らしたり、

無理な難題を押し付けたりする 

行為は、まだ「厳しい指導」や

「熱血教育」という言葉で

片付けられがちでした。

そこで、すでに社会問題化していた

「セクハラ」

(ハラスメントという言葉の持つ重み)を借りる形で、職権や地位などの「パワー(力)」による嫌がらせを「パワー+ハラスメント」

と命名したのです。


これが、「ハラスメントの独り歩き

(応用)」の瞬間です。


3. なぜ英語の「Bullying」ではなく

「和製英語」になったのか?


英語圏の「Bullying」という言葉は、

学校でのいじめから職場の

いじめまで広く使われます。

しかし、日本では「いじめ」という言葉を使うと、どうしても「子供の世界のもの(学校のいじめ)」というニュアンスが強く、

大人のビジネス社会で

起きている深刻な問題と

して捉えられにくいという課題がありました。


カタカナの「パワーハラスメント」

と名付けたことで、

以下のようなメリットが生まれました。
 

ビジネスの問題として

厳粛に響く(「いじめ」と

言うよりも、法的・組織的な

問題として扱いやすくなった)

構造が分かりやすい

(「力(地位・権力)」を

背景にした「嫌がらせ」

であると一目で理解できる)


結果として、この言葉は

メディアや人事の世界で

爆発的に広がり、

2012年には厚生労働省の

ワーキンググループが

「パワーハラスメント」の

定義を公式に定めたことで、

国の行政用語としても完全に定着しました。


しかし英語圏では、Power Harassment 
は通用しません、


独り歩きした「ハラスメント(ハラ)」
のほとんどが和製英語です。

1. マタハラ(マタニティハラスメント)

Pregnancy Discrimination 

日本では、妊娠・出産・育児休業などを理由に、職場で降格や解雇、嫌がらせを受けることを指します。英語圏では「ハラスメント(嫌がらせ)」というより、「差別(Discrimination)」の側面が法的に強くクローズアップされます。


Pregnancy Discrimination

マタハラ


またはイギリスでは


Maternity discrimination (母性差別・産休差別)


イギリスやイギリス連邦系の国(オーストラリアなど)でよく使われる表現で、妊娠中から産休取得にまつわる差別全般を指します。


2. カスハラ(カスタマーハラスメント)

Customer Abuse 


顧客や取引先から、理不尽な要求や暴言、過度なクレームなどの悪質な迷惑行為を受けることです。
英語で Customer harassment と言うと、

「顧客を悩ませる(企業側が客をいじめる)」

企業側が顧客にハラスメントする
意味です。

これは英語圏では

誤解されやすいため注意が必要です


Customer abuse ◯

(顧客による虐待・悪質行為)
最も自然でよく使われる表現です。

ここでの ⁠Abuse⁠ は「暴言」

「不当な扱い」「罵倒」を意味し、

店員やコールセンターのスタッフが

客から受けるひどい仕打ち全般を指します。


Third-party harassment

 (第三者によるハラスメント)


主にイギリスや人事・労務の専門用語(HR用語)として使われます。「社内の人間(上司や同僚)ではなく、外部の人(顧客や患者、クライアントなど)から受けるハラスメント」という厳密な定義を含んだ表現です。
このようにセクハラからハラスメントが日本語から独り歩きしたことがよくわかります。


和製英語ポリス👮の一言
何度もいいますが日本語で生活するならこんなこと気にする必要はありません。
しかし英語圏の人とコミュニケーション取る場合、和製英語は排除すべきです。