こんにちは!平成の会の天海です!

 

昨年末に皆様にご協力いただきましたアンケートを基に、

外語会が今後担っていくべき役割と打ち手を、

平成の会主導で昨年末より議論して参りました。

 

活動方針を決めるためには月に一度の理事会を通す必要があることや、

平成の会メンバーは本業では現場最前線で働く人が多いことによる

時間リソースの問題もあり、皆様に諸々の情報を共有するのが

遅くなってしまいました。すみません。

 

とはいえ、以下の通り、出来得る限りの最速で動きました。

昨年末にアンケート実施、

1月の理事会でアンケート結果の報告と大まかな活動方針を承認。

2月の理事会で具体的に取り組むことを報告、承認。

そんな感じで3月より関係各所が動き始めています。

もちろん、平成の会では昨年から後述する本方針に沿った動きをしており、

少しずつ会員同士の交流が増えていっている様子が見えるようになりました。

 

本日のブログはかなりの長文になりますが、

アンケート結果をどう読み解き、外語会の価値(=メリット)をどう規定し、

現状のリソースと照らしてどういう活動に力を入れていくか、

ということを共有させていただきます。

私が平成の会の会長に就任した昨年6月以来外語会報等を通じて

言い続けていること、もっと言うと、

就任以前から言い続けていることと一部重複するかもしれませんが、

改めて、こちらでご報告させていただきます。

 

●アンケート対象者

facebookの平成の会ファンページでアンケート情報に触れた人の中から、

34名の方に回答していただけました。

(東京外国語大学の関係者含有が高い約2000人がパネルとなります)

 

<回答者属性>

回答者は1986年卒~現役学生まで偏り無く幅広く回答がありました。

狙ったわけではなかったのですが男女比は丁度半々になりました。

設問に対する回答から、34名のうち少なくとも16名は外語会員です。

 

●アンケート結果サマリー

<外語大への好意度>

7点以上をつけた人が全体の67.7%。総じて外語大は好き、という回答。

※天海注:

 必要に応じて大学への好意度によるクロス集計を行うため、

 0点~10点の11段階で外語大が好きかどうかを問いました。

 日本人は大体5や6をつける設問ですが、上記のような特徴が出ました。

 

【好きな理由FAまとめ】

独特な学園祭、学問領域ゆえに多様性への評価が高い。

真面目ながらも多様な価値観を持った独特な学生/卒業生との交わりで

視野が広がることを誇りにしている。

 

【嫌いな理由FAまとめ】

大学の学生支援の弱さに加え、卒業生との繋がりの無さなど、

あらゆるレベルでの同窓組織の弱さへの指摘。

 

<外語会費支払い状況>

「払っていない」「わからない」合計52.9%で半数以上。

 

【払っていない・わからない理由】

「外語会に何のメリットがあるかがわからないから」(55.6%)で半数以上。

「払っているかもしれないが、覚えていないから」(38.9%)がTOP2。

 

<外語会費の金額感>

「高い」52.9%、「判断できない」44.1%。「ちょうど良い」は1人のみ回答。

 

【高い・判断できない理由FAのまとめ】

「肌感覚として高すぎる」「メリットが無い」

 「今までにメリットを享受したことが無い」という意見がほぼ全て。

 

<外語会活動に求めること>

「仕事で悩んだ際に気軽に相談できる人脈」(73.5%)

「年齢を超えたプライベートの友達」(64.7%)

「著名な同窓生との交流」(61.8%)がTOP3。

 

<外語会報の閲読状況>

精読率14.7%。閲読率38.2%。

「読んでいない」「届いていない人」は55.9%で半数以上。

 

【読んでいる理由FAまとめ】

自分の仕事やプラベートに役立つ情報、在学時代への懐かしさ、

外大の近況や知人の近況が紙面に出るから。

 

【読んでいない理由FAまとめ】

 現住所に届いていないから。あることを知らなかったから。

 

【どんな記事を読みたいかFAまとめ】

※天海注:様々な意見が出ましたが、会報をそもそも読んでいない回答者が

     多いため、全て外語会報で既出の記事でした。一言で言えば、

     第一線で活躍する卒業生の記事のヒキが非常に強かったです。

 

 <会報電子版について>

賛成79.4%(27人)、反対20.6%(7人)で、8割近い回答者が電子版を歓迎。

 

【電子版反対理由FAまとめ】

好みとして紙が好き。閲読に至るまでの導線設計に難有。

 

【賛成理由FAまとめ】

あらゆる意味で便利。

 

【電子版にあると良いなと思う機能】

「バックナンバーも含めて串刺しで検索できる機能」は7割以上の回答。

「SNSで記事をシェアできる機能」「読者同士の意見交換機能」

「執筆者にワンタッチでコンタクトできる機能」など、

会員の双方向コミュニケーションに寄与する機能が求められる。

 

 【外語会メルマガ】

精読率2.9%。閲読率38.2%。読んでいない人が55.9%。

 

【その他】

※天海注:その他、外語大自体に対する意見、また、外語会に対する意見、

     非常に多くのフリーアンサーを書いていただきました。

     上記の定量的なスコアに加え、大量にいただいた定性的な

     意見を集約し、本アンケートのファインディングスを

     以下に記していきます。

 

 ●本アンケートのファインディングス

まず、非常に多くの言葉として挙がっていたのは、

上記のスコアや一部FAの抜粋からも明らかなように、

 

「外語会って何ですか?」「何かメリットあるんですか?」

 

という、私が学生だった時代から数えれば、

かれこれ15年近く言われ続けている厳しい声でした。

 

厳しい声と書きましたが、正直言って、私自身も学生時代に

外語会にお世話になった記憶は皆無です。

むしろ「何で就職活動とか助けてくれないんだろう?」と、

怒りすら覚えていましたので、今回の結果は当然だとすら思います。

ただ、大問題なのは、今回アンケートをとったことで、

現役学生や卒業生のこういった認識は、15年前と何ら変わっていない、

という事実が改めて浮き彫りにされたことです。

 

じゃあ、本当に外語会はこの15年間何もやってこなかったのか?

 

ということで、ポジティブな意見に目を移してみると、

ここが個人的には今回のアンケートの面白いところだと思うのですが、

外語会が主催する各種対面イベントに一度でも来た事がある方は、

外語会のことを「驚く程に高く評価している」ということがわかりました。

対面イベントは、東京に限らず、全世界で実施されているものも含みます。

 

では、何がメリットと感じられて評価されているのか。

答えは明確で、

 

「様々な価値観を持つ多様な人との出会い」

 

でした。

 

旅行・留学・就職といった情報サービスや割引特典はもちろん重要で、

評価されている部分ではありますが、それらは全て二次的なものであり、

外語会のメリットはあくまで、

 

「卒業生や現役学生同士の人的な繋がりの媒体となっていること」

 

でした。

 

なぜこの、同窓会としてある意味当たり前とも言える提供価値が

外大生にとって極めて強くありがたく感じられるのかというと、

最初の設問で聞いた、外語大への好意度のFAに答えがあります。

 

つまり外語大の出身者は、他大出身者に比べて多様性を認める傾向にあり、

様々な価値観と出会い、自分の視野が拡がっていくことに

喜びを感じる人が多い、ということです。

その証拠と言っては何ですが、日経新聞が調査した就職力ランキングでも、

外大生の「行動力」は調査対象となった全ての大学でNo.1となっていますし、

外部調査でもフォーカスされるレベルのこの外語大出身者の行動力は、

そんな成長欲求が無意識ながら出ているのが源となっている、と解釈できます。

 

●外語会が目指すべき姿

アンケート結果からの上記ファインディングスをまとめますと、

外語会が目指すべき姿は、以下のように規定することができます。

 

自分に無い価値観に積極的に出会い、

視野を広げることで自分の成長を得ようとする外語大関係者

 

に対して、

 

世界に広がる外語会ならではの同窓生ネットワークを武器に、

成長欲求に応える多様な価値観を持つ人脈に容易にアクセスでき、

会員の公私に渡る生活をより豊かにする

 

ことを約束する同窓会組織。

 

●外語会の今後の方針を考える上での課題

上記の目指すべき姿は、外語会の対面イベントに参加したことが

ある方なら、多くの方に共感いただけることだと思います。

なぜなら、既に実現されていることだからです。

 

私自身も、実際に外語会の各種会合に参加するようになってから

感じるようになった外語会の明らかなメリットは、会報でも書きましたが、

 

「普通では絶対に会えないような明らかに凄い先輩・同期・後輩が、

 小規模大学ゆえ、大した見返りも求めず仕事のアドバイスをくれたり、

 普段の生活の悩み相談に乗ってくれたり、飲んでくれたり、

 就職を内定まで面倒みてくれたりする。

 それが、世界規模で実現していること」

 

だと個人的に思うようになりました。

 

ですが、残念ながらそもそも外語会の対面イベントに

参加したことが無い人には、当たり前のことですが、

この大きな価値(=メリット)を感じていただくことができません。

 

普通であれば、こういうメリットがあるよ、ということを、

大々的にプロモーション活動をしていく必要があります。

ホームページを素晴らしくして、ソーシャルプラグインを実装して

SNSと連携させたり、卒業生の目に留まりそうなところに

広告を打ってみたり、それぞれの年次の卒業生に

代表者を決めて情報拡散を依頼したり…

 

それこそ100通りぐらい方法があると思います。

上で書いたようなことは誰だって思いつくことです。

 

しかし!外語会にはお金が無いので全然できません!

さらに言うと中の人もみんな本業があるため、

フルタイムで貢献できるわけではありません。

(もちろんできる範囲で理事全員が最大限に時間を割いています)

 

つまり、外語会は典型的なボランティア組織であり、

「人」と「金」が大きく不足している中で活動していかなくてはいけません。

これが、他大や海外の大学、さらには営利組織との大きな違いです。

アイデアなんていくらでも出せますが、

それを「人」と「金」が無い中でいかに効率的に実行していくか、

ということが、頭の使いどころ、となります。

 

まとめますと、「効率的な告知活動」による「外語会の見える化」が、

大きな課題になっていきます。

 

●外語会の今後の打ち手

今後、外語会では効率的な広報活動を実施していくことが課題ですが、

既に外語会報やメルマガ等のオウンドメディアで情報発信はしています。

 

平成の会は、それらの情報発信のサポートを、

無料で使えるデジタルオウンドメディアを最大限に活用することで、

特に若年会員を主眼に置いた情報発信をサポートしていきます。

 

具体的には、平成の会の本ブログ、それと連動するFacebook、Twitterで、

特に会員の皆様から求められる「対面イベント情報」について、

事前告知、実施報告含め、漏れなくお伝えしていきます。

 

そして、対面イベントの数自体も昨年までから激増させていきます。

対面イベント参加のハードルを極限まで下げた3~4ヶ月に一度の

「ゆる~い交流会」を、昨年6月以降、これまでに3回実施しています。

それに加え、年末開催の就活サポートイベントの後には

社会の一線で活躍するパネリストと現役学生の懇親会を設けたり、

卒業生と現役学生の交流の場であるサロン・ド・外語や

就職支援委員会とのコラボレーションの機会を多く持ち、

イベントの様子を全て前述のメディアで告知・報告して

見える化することを心がけた運営を続けていきます。

また、会報委員会とも連携し、最適なUIはどうあるべきかの議論や、

記事内容についても最近では当たり前になりつつある外語大出身者の転職、

起業経験特集、女性のキャリア形成特集など、会員が求める特集を

会報に反映できるように定例会での交流を増やしていきます。

なお、これらの特集は実際に誌面にダイレクトに反映され、

会報電子版のユーザビリティについても

満足いただけるようなものになっています。

 

少しずつですが上記活動に昨年より取り組んでおり、

その結果、Facebook平成の会ファンページのいいね!数は2000を突破。

この一年弱で既に90人弱が各種対面イベントに参加後、

いつでも困った時に助け合えるFacebookグループに入っていただけました。

 

かなり地道な人海戦術ではありますが、こんな時代だからこそ、

直接対面で卒業生や現役学生が会って、楽しくおしゃべりして、

困った時には助け合って、場合によっては一緒に仕事をしたりして、

参加者の間でどんどん新しい価値が生まれていって、

会員の生活がちょっと楽しくなるような、

そんなコミュニティにしていきたいと思います。

 

それこそが外語会が提供すべき価値であり、

その価値に共感していただける方は引き続き、

臆せずどんどん対面イベント等に参加していただき、

もしも少しでもメリットを感じていただけるなら、

可能な範囲で引き続き会費のご協力をお願いできますと幸いです。

今まで通りの、全く認知されていない、何のメリットがあるのかわからない、

そんな外語会活動で良いのなら、今の財政状況でも良いのですが、

さらなる価値創造をドライブしていくためには、

やはりお金は大事なのだなと、つくづく感じさせられます。

 

●終わりに

以上、長々とアンケート結果の紐解きから、理事会で承認された

今後の活動内容の一端を書かせていただきました。

ここまで書いてきたことは、人によっては中身が無いな、

と思う方もいらっしゃるかもしれません。

それもそのはず、上記のようなことは、同窓会組織として、

やっていて当たり前のことだからです。

ですが、やっていると認知されていなかった。15年近く…

認知されていないのでは何もしていないのと一緒ですから、

これからはどんどん情報発信していきます。

 

同窓会組織に求められる価値のキーワードは、

間違い無く「人脈」です。

 

今回のアンケートが明らかにしたのは、

上の世代の人が求める「人脈」と、

我々ぐらいの世代の人が求める「人脈」と、

現役学生が求める「人脈」は、やはり違う、ということ。

 

上の世代は社会との繋がりを感じさせる「人脈」、

我々ぐらいの世代は仕事やプライベートの悩みに活きる「人脈」、

現役学生は就職に活きる「人脈」を求める、といった具合です。

 

とは言え外語大関係者であれば、

自分の成長欲求に活きる人脈を求めていると言う点で共通である、

ということが見えてきました。

 

そんな人脈を提供するメディアとして、

これからも引き続き外語会(&その一組織である平成の会)は

活動していきますので、ご指導、ご鞭撻の程、

何卒よろしくお願い申し上げます。

 

ここまで読んでいただき、誠にありがとうございました。

 

(文責:2007年 英語科卒 天海)