さていよいよ3月ですね。



ニューヨークはまだ朝は氷点下です。
マフラーとダウンジャケットは欠かせない日が続きます。
東京の天気予報を見ると、最高気温が20℃という日も...



いよいよ春ということで、正月と同じように
なにか新しいことをはじめよう!とする人も多いのではないかと思います。
ダイエットなどと並んで
日本人のコンプレックスの代表となっているのが英語。



私が8月にニューヨークへ来たとき、
グアム以外の海外へ1人で行くのことが初めてであったので、
「現地の英語」と出会ったのは去年の8月がはじめてでした。
その世にも恐ろしい「現地の英語」と出会ったときはいまでも忘れられません。



成田空港で飛行機に乗ってから英語の音が変わりました。



まず。早い...
キャビンアテンダントの説明、機長の挨拶、飛行機のなかから
日本の教科書や参考書で聞いた事のない早さの英語が飛んできます。
よく考えたら西洋人が日本語を話すのをマネするとき、
「お飲みものは何にしますか?」を
「おのみ、もの、は、なに、に、しますか?」とマネをしますよね。
あれと同じで、普段何気なく話している母国語は、
日本語でも教科書みたいにゆっくりではなく、べらべらっと話しているものです。



次に、アメリカ人の冷たい態度
ジョン・エフ・ケネディ空港に到着してからの入国審査でいろいろ質問される。
売店の黒人のおばちゃんにタクシー乗り場を聞く。
バスで行き先をたずねる。
みな、自分の作業をちゃちゃっと終わらせたいと言わんばかりに
こちらがたどたどしい英語を話して聞き返したりすると面倒くさそうに対応します。
これは、特にニューヨークなので最悪だと後から聞いたのですが、
基本的に親切ではありません。
日本にいると、アメリカ人はみんな優しいと勘違いしがちです。
たとえば英会話学校の先生や日本に来る外国人は少なくとも
日本人や日本文化に興味があって、
日本にいる限り、英語を話せる日本人の方が少ないので、
下手でも英語を話せばしっかりと聞いてくれます。



そして、きわめつけは発音が全然違うことです。
英語科であれば、基本的な音声学を学ぶため、
発音記号を覚えて辞書を引くたびに単語の発音を確認したり、
リスニングの勉強でもラジオを聞いたりして
聞く分には自信があるほうでした。



ところが現実は勉強が日常生活の英語では歯が立たないことが分かりました。
サンドイッチ屋やファストフード店の店員はスペイン人なのでラテン語なまり。
店の入り口や警備員、ガードマンは黒人なのでラップみたいななまり。
タクシーやバスは中国人や中東系でまだましだが文章ではなく単語で話すようななまり。
医者はインド人ばかり。。。これが最強で、インド人の英語はもはや英語に聞こえません。



どこへ行っても出会う人それぞれが違う音色の英語を話します。
あとから分かったのですが、
日本の書店にある英語の英会話教材やTOEIC教材で
CDに収録されている英語は、
大学の教授、しかも60歳近いおじいちゃん先生が行う大教室での講義くらいでしか聞く機会はありません。
1語1語、ゆっくりと正確な発音でTOEICのCDで聞ける英語を話すことは
白人 + お年をめした + きちんとした場所 という条件が合致しないと無いということです。



学校や職場でTOEICが義務になっていることも多いと思いますが、
本当に海外で英語を使うなら、あのリスニングではとうてい通用しません。
よりリアルに近いということであれば、CNNやイギリスであればBBC、
ドラマ(こちらもアメリカとイギリスで全く英語が違う)で学ぶことが必要だとつくづく感じました。



ドラマやニュースで楽しく英語が学べればそれも楽しいですね。




今回も更新が遅れてしまいすいません。
次回の更新は3月15日の予定です。




担当 佐野 (英語科)
heiseinokai@gaigokai.or.jp
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