『大東亜戦争の真実(東条英機宣誓供述書)』(WAC)(1) ~太平洋戦争は自衛戦争であった~ | 池内昭夫の読書録

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本を読んで思ったこと感じたことを書いていきます。

東条英機と言えば「A級戦犯」の代表と言って良い人物であり、多くの人が悪い印象を抱いているに違いない。が、東条氏について歴史の授業で詳しく教わるでもないし、かといってわざわざ東条氏に関する書物を紐解こうとする人も稀有(けう)であろうから、東条氏が実際どのような人物であったのかについて知っている人はほとんどいないに違いない。


 かくなる私も詳しいわけではない。したがって、東条氏について今一度しっかり研究検討し、自らの考えを整理しておこうと思い立ったわけである。


 東条氏は言う。


わが国に取りましては無効かつ惨害を齎(もたら)したところの1941年(昭和16年)12月8日に発生した戦争なるものは米国を欧州戦争に導入するための連合国側の挑発に原因しわが国の関する限りにおいては自衛戦として回避することを得ざりし戦争なることを確信するものであります。pp.231-232)


『東条英機 宣誓供述書』はGHQによって「発禁第1号」とされた。ということはここにGHQにとって都合の悪いことが書かれているということになる。


 極東国際軍事裁判(東京裁判)によって日本は「侵略国」とされ、東条英機首相などが「A級戦犯」として処刑された。


 が、百歩譲って日本がアジアにおいて英米仏蘭といった帝国主義国と戦った大東亜戦争が「侵略」的側面を持ち合わせていたとしても、対米戦である太平洋戦争は断じて「侵略戦争」ではなかった。それは東条氏が言うように「自衛戦争」であった。


 そのことを東条氏の遺文を辿りつつみていくことにしたい。