蒸れないブログ -85ページ目

月猫@HOME 第二話 「我が家に猫がやってきた」

第二話「我が家に猫がやってきた」



◆ ◆ ◆



私―ミココ少女は、近代稀に見る珍事件に巻き込まれています。
ミココ少女的にいえば、単なる洗濯物の紛失事件に過ぎないのですが、周りの人からすればUFOの墜落とか、宇宙の神秘だとか、人類史の暗部だとか・・・そういう話になるそうで、とてもすごいそうです。
「お気に入りだったのになぁ…、みーちゃんにせっかくもらったのに…」
とりあえず、みーちゃんにこのことを伝えなくてはなるまいと決意したのはいいのですが、これをどう伝えようかミココ少女的には困るばかりです。
書き出しはどうしようかなぁ?



『拝啓 みーちゃんへ
突然ですがパンツがなくなって大事件になりました』



・・・駄目だ。一ミリも伝わらないどころか、完全に私が頭の弱い子だと思われる。
そうだ、事実だけを淡々と描こう。



『拝啓 みーちゃんへ
お空から落ちてきたお星様が私の家の庭にでっかい穴を作って、私は大丈夫なんですが、パンツがなくなりました。なので、たくさんの人が私の家にやってきてます』



・・・電波ッ!?


おかしいなぁ。ありのまま語ったはずなのに、さらに混沌度(カオスっぽさ)が増しているきがするよ。
やっぱり表現の問題が大きいような気がする。
だいたい、こんな不思議な出来事を現実に即した普通の表現で語るには限界があるみたいです。



『拝啓 みーちゃん
空からお星様がやってきて、私の下着を奪って行ってしまったの!みんな驚いてあつまってきたわ!』



何故だろう。一番文章としてはきれいなはずなのに現実に即していない感じがプンプンとするあたり凄くディ○二ー的なの・・・。

・・・・・・。

まぁ、今日も空がきれいな青色なのだから、そのことから書いてみよぉかなぁ・・・・と、今の私にはこのことを書きつくせるだけの言葉がないようです。

以上、ブラジルの青い空の下からミココ・マタギがお送りしました。




◆ ◆ ◆




太い眉、深く年輪を刻んだ皮膚のしわ、唇はきつく結ばれ、鋭利な刃物を思わせる鋭い視線に、鉄のように重い迫力。体はごつく、山のように大きく、ただ立っているだけで周りに与える影響は計り知れない。
額に汗が伝った。
浅茅家の大黒柱にして浅茅組の現組長。
浅茅正輝は当惑していた。
自身で自己を表現することは苦手な彼だが、周りがそれ以上に彼に対して理解がある―そんな周りの情報を集約するならば、彼は、型物で一本筋の通った男の中の男である。
義侠の世界で生きるには、ある程度の男気というものが必要だが、それで言うなら、彼は男気の塊だ。
その歴史300年を超える古い組を支え、その背中に多くのものを背負ってきた。
いくつもの修羅場、鉄火場を踏破し、逆らえるものには覇をなし、助けを求めるものをその手で拾い上げてきた。
『我』を貫き通してきた―それほどの男が、齢50を前にしてかつてないほど当惑している。

―これに至った経緯を初めに語らなければなるまい。




◆ ◆ ◆





―宇宙人との正しい付き合い方
 STEP1、とりあえず捕獲し
 STEP2、会話を試み
 STEP3、技術を盗み
 STEP4、用がなくなれば解剖しよう―


夏の甲子園での高校球児がそうであるように高らかと宣言。
青みがかった髪に、ぴょっこり生えた二つの耳。
どんぐり眼に緑の瞳。
ゆらゆらとぴょこぴょこ揺れる尻尾。
恐ろしく透き通った白い肌。
下着一枚で悠々憮然大胆不敵。
そんな女の子を見かけたら、あなたならどうしますか?

―僕たちはとりあえず捕獲してみました。


「捕獲しないでくださあぁあぁい!」

「いや、つい・・・あまりの怪しさに・・・」
「つか、捕まえるだろ、普通。こんな不思議生物」
正樹と輝樹が、自分たちの行動に気がついたのは、少女を布団で簀巻きにした後だった。
あまりの事に、体が最も効率的な選択をしたというのは完全なる言い訳だが、まぁ、間違ってないと思う。
「間違ってます!犯罪です!捕虜の待遇はジュネーブ条約に乗っ取ったものを要求しまぁああすッ!」
「と、鉄火巻きみたいな格好のやつが、ぴょんぴょん跳ねながら文句言ってるけど、どうする輝樹?」
「俺たちに食事と住宅を用意しろと言っているようだが、鉄火巻きの分際で人間の待遇が受けられると思ってるあたり、めんどくせぇこと極まりねぇな。」
「鉄火巻き言うなぁああ!簀巻きにしたのはそっちでしょおおぉお!」
布団に丸められた少女は抗議の声を上げながら、器用に跳ねまわって抗議する。
「取りあえず!出してください!これ脱がせてぇえええ!!」
にゃあああ、ぎにゃああと、信じられないほど大きな声でわめきながら、壁に衝突して暴れまくる簀巻き。
「おい、正樹。さすがにこんな大声でわめかれると近所迷惑だ」
「確かになぁ・・・」
正樹は数瞬、考えたと、ポンと手をたたいた。どうやら名案が浮かんだらしい。
その後、無言で、正樹はビニールポリと、紐を取り出し、ビニール袋を少女にかぶせて、紐で・・・・。


新塵碕行の蒸れないブログ-きゅ

「きゅっっっと」

・・・・・・。
・・・・。
・・・。
~~~~~~~~~~~~。
ッ~~~~~。

部屋は静かになった。




◆ ◆ ◆




「きゅっとじゃありません!死ぬにきまってるでしょおおおお!」
と、「ぜぇはぁ」息を切らしながら、数十秒の無酸素状態から生還した少女は大声をあげた。
「いやぁ、息ができないと顔の色が変わっていくってのは本当だったんだな」
「あ、俺、土気色まで見たことあるぜ?」
「あなた達は鬼の家系か何かですかッ!」
当たらずとも遠からず、確かに似たようなものだ―兄弟は妙に納得する。
「とにかく、出してください。さっきから尻尾の位置が悪くて、死ぬほど痛いんです・・・・」
半泣きな少女にやれやれといった感じで、兄弟は布団の紐に手をかける。
ようやく思いが通じ、出られることに明るい顔になる少女だったが・・・。
「ま、そんなにパンツいっちょがいいのなら・・・」
と、正樹がぼそっとつぶやいた瞬間、その顔が歪んだ。
「ふえ?」
と、少女は、布団の中でもぞもぞ動いて何やらいろいろ確認する。
「あの~、すみません。もしかして、私ってパンツしかはいてないんですか?」
「ん?そうだけど。おい、正樹、縄切るからはさみ持ってきてくれ」
「おっけ~」
と、正樹がはさみをスタンバイする。
「ちょちょちょちょちょちょちょ~と、待ってください!ストップです、フリーズです、全体止まてくださいいいい!」
縄を切る寸でのところで少女の静止がかかる。
「あん?お前が、『布団から出してくれ』って言ったんだろうが」
輝樹が不満そうに、目の前でチョキチョキとはさみを鳴らした。少女にはそれが軽い脅しのように見えて余計に恐怖に顔が歪んだ。
「その前に、服を要求します。可愛いやつ」
『却下』
兄弟の決議は無情なほど即決だった。
「うわあああん、エロ猿ぅぅ!」
いよいよ、泣き出す少女に兄弟は眉一つ動かさない。
「人の庭にパンツいっちょで埋まってたやつが何を言うか?」
正樹は、はさみを縄にあてながら少女のわめきを否定する。
「あなた達には、フェミニズムはないんですか?」
「あるよ?男女平等主義だろ?安心しろ。お前が男でもだいたい同じ扱いだ。」
「非人間だあああ!こんな処、親御さんがみたら泣きますよおおおお!」
確かに、少女のいうことはもっともである。この場で、縄をほどいたらパンツいっちょの少女が泣きながら、布団に埋められた状態で出てくる。そこに若い兄弟が二人でいたら、もうやばい状況にしか見えないだろう。
それはどう考えても説明不可能だ。
東路や、親父に言い訳は困難だろう。
それはさすがに鬼畜兄弟にとっても困る。
「しっかたねぇなぁ。」
輝樹が階段の方に向かう。
「おい、輝樹」
「母さんの部屋から服持ってくる。おい、猫娘。ひも解いてやるから服は布団の中で気がえろ。それでいいな?」
「はいぃ・・・ありがとうございます。ぐす・・・」
少女は、泣きべそかきながらもぞもぞと答える。
「母さんの?」
「いいだろ?正樹。どうせ、もう使うことなんてないんだから・・・」
「あ、うん・・・」
正樹はどこか不満そうに、目を伏せる。輝樹もそれは同様だった。
「お前さぁ」
と、正樹は少女の方に振り返った。

新塵碕行の蒸れないブログ-qwe


「ありがたく思えよ」
少女はその目つきに息が止まるかと思った。
それほどまでに、正樹の目は鋭く冷たかったのだ。
少女は少年のその目の意味を知ることもできずに
「はい・・・」
とだけしか答えれなかった。




◆ ◆ ◆




それから、少女は輝樹の持ってきた黒のワンピースを着て、座布団にちょこんと正座で座った。
対面に、兄弟二人が胡坐をかいて少女を見ていた。
状況を知らない人が見れば妹を叱りつけているお兄ちゃん兄弟に見えなくもない。
「で、おまえ何者なんだ?」
「何者と言われても、月猫ですよぉ。」
いや、まぁ猫なのは兄弟にもわかっている。
なにせ、掘り返した時、尻尾が生えていることも、猫耳がじかに生えているのも確認しているのだ(生乳と共に)。
兄弟が言いたいのはそういうことではなく―。
「だから、お前は宇宙人か何かか!?って聞きてぇんだよッ!」
正樹は、乱暴な口調でどなりつけると、月猫は「おお~」と、感嘆しながら腕組みして、うんうんと頷く。
「よくわかりましたねぇ。あまりに野蛮な生き物だったのでどうかと思いましたが、地球の猿もなかなか優秀ですね。ふふふ、私を見て地球外生命体だと気づくとは」
「バカにしてんのか?」
なんだかよくわからんが、急に態度がでかくなる。月猫。
いろいろと文句は言ってやりたいところを正樹はこらえて話を進めようとする。
「で、名前は、月猫だっけ、ええと・・・」
「月猫はたしかに月猫ですけど、月猫は私の名前じゃないですよ?」
「じゃあ、なんだよ」
「『みゃあ』です。」
「鳴き声かよ」
「シンプル イズ ザ ベスト オブ ベスツ ですッ!!!!」
「単純であることを讃えるな」
「『ふっ、単純なものにこそ真実があるのさ若造ぅ・・・青いな・・・』です」
「出典がわからんが、かとなくムカつく態度だなッ!」
正樹は、みゃあと名乗る少女に今にも殴りかかりそうになるほど、こめかみに青筋を立てながらぐっと自分を自制する。
そんな正樹を輝樹は『まぁまぁ』となだめながら、今度は輝樹が質問する。
「で、みゃあと言ったか。お前は、どっから来て、どうして俺たちの家の庭に埋まってたんだ?宇宙人の常識的に地球訪問時には人様の庭に埋まるのが通例ってのなら、はっきりいって迷惑極まりないぞ?」
「さすがに、そんな常識はないですよぉ。地球の猿の庭に埋まってた理由にについては、説明が長くなりますが、どっから来たかについては簡単ですよ。」
「ほう」
みゃあは、ピッと天井を指差した。
「月です」
少女の答えに、輝樹はガクッとなる。
それもそうだ。
宇宙人の存在については百歩譲って認めてもいいとしよう。何しろ地球人類は外宇宙の事についてどころか、太陽系の他の惑星についてあまりに無知であるのだから、仮に宇宙人の存在を語るとすればそれを否定する根拠がないのだ。
だが、月に関して言えば違う。
米ソ冷戦時代、宇宙開発競争の中、アメリカ合衆国のアポロ計画が有名だが、人類はすでに月の大地に足をおろしている。
それも1969年の事だから、もう40年も前の話だ。
それ以降も月の観測は続き、もはや人類にとって月は妄想の対象ではない。
ファンタジックな夢を見るには『近すぎる』存在なのだ。
そんな月から来たといわれても、超現実派な正樹はもちろん、輝樹も苦笑いするほかない。
まぁ、この兄弟に容赦などと言う言葉は、彼らの辞書辞典聖書神話歴史思想信条グーグルにおいてまで影も形もないので
「馬鹿だろ?お前」
と、小馬鹿にした笑いと共に言い放ってしまうのだが、むしろ小馬鹿にしたのはみゃあの方だった。
「ふふふ、やはり地球の猿どもは政府のプロパンガスに踊らされて何も知らないようですね」
「プロパガンダな?」
冷静に修正を入れておく正樹。
「あなた達はマーブルが月に来たといいますが」
「アポロな?」
チョコつながりか?
「それは全くのでたらめ、嘘!ベイブです!」
「フェイクだ!なんでどこぞの豚の名前になる!!」
語感が似ちゃあいるが!
「だいいち、無重力空間でアメリカ国旗がはためくなんてお笑い草です。とんだケネディです!」
「コメディだッ!!」
「ロゼットのカンピューターが、ボディコン以下の分際でスペードに来れるほど、世の中はスケートじゃありませんよ!」
「『ロケット』『コンピューター』『ファミコン』『スペース』『スウィート』ッ!!!もう無理して横文字使うなッ!めんどくさいわッ!」
ついでに、当時のアポロ計画に使われていたコンピューターがファミコン以下だったのは実話です。
「ええい!結局お前はどこから来たんだ本当のところを言えっての!」
「月ですッ!」
「却下だ!」
「ならば月の右斜め下です!」
「どこに対応した追加情報だッ!!!コラッ!」
「ええい!地球の猿は頭が固すぎますッ!いりゃいりゃ、むきゅぃ~ッ!!」
「こっちのセリフだッ!」
むきゅぃ~!と、両手をあげて威嚇するみゃあに、正樹も声をからしながら反論する。
あくまで、月から来たと主張するみゃあと、それを常識と正論を持って否定し続ける正樹とでは話は平行線を脱する様子はない。
輝樹はため息をつきながら、割って入る。
「もう月の話はいいだろう。お前の埋まってた理由のほうはどうなんだ?」
新塵碕行の蒸れないブログ-qwe

「ほら、向こうのお猿さん(輝樹)は私が月から来たという事に大納得です!」
「「どうやったらそう見える!」」
浅茅タッグつっこみ。
「まぁ、いいです。本当は私だってお庭に埋まるつもりはなかったんです」
みゃあは、腕組みして眉根を寄せる。
「地球へスキンシップで来る途中―」
「スペースシップ(宇宙船)な・・・もう、諦めないか?横文字使うの」
「分かりました。ええと、宇宙船で来る途中、不慮で謎の事故にあいまして・・・、コントロールがつかなくなった私の船はブラジルに不時着しようとしたのです」
「ほぼ地球の裏側じゃないか?」
正確にはアルゼンチン沖の海岸が日本にとって裏側だけど・・・。
あまりにも距離のある話だ。
「はい、慌てました。大気圏突入時点で宇宙船が燃え尽きるとは思いませんでした。あつかったぁ」
それ以前の話だ。なんで生きてんだ、こいつ?
「船もろいな」
「月に大気圏はありませんしね、想定外でした」
「アホだろ」
「まぁ、とにかく。そうしてブラジルに不時着したんですが…」
馬鹿にされたことをなかったことにして話を進める。
「勢い余って、地球の裏側までぶち抜くようなスーパーダイブになりました」
「「・・・・・」」
一瞬思考が停止する。
え~と・・・・・。
つまり、みゃあは日本の裏側ブラジルに衝突する勢いをそのままに、地球のど真ん中をぶち抜いて浅茅家の庭にやってきたことになる。
「いや~、途中溶岩とか岩盤とかで、もうてんやわんやでした。半分近くまで来た時点で意識なくなったのはしっぱいしっぱい―て・・・、なんですか、その目は・・・」
奇妙に冷たい視線が兄弟から送られていることに気付いて、みゃあの顔が引きつる。
(あれは・・・あれは人を心底信用してない人の目です・・・・)
その視線には、『小馬鹿・憐み・軽蔑・その他もろもろ』が込められている。
「う、嘘じゃありません!調べてみてください!本当にブラジルにぶつかったんです!穴も残ってます!」
みゃあが、机を大きく叩いて必死に訴える。
その時―机に置かれたリモコンを、みゃあが誤って押してしまった。
電子音と共に、テレビに電源が入る。
ぱっと、ニュース番組が映し出される。
「あ、これです!」
みゃあが、TV画面を指差して叫び、兄弟もそれに振り返る。
映っていたのは、やや小さめのクレーターの真ん中に人一人が入れる程度の穴。
そこで漸く兄弟は学校での話題になっていたミステリックなニュースを思い出した。
今TV画面に映っているクレーターの中心に位置する黒い穴は、恐ろしく深いのだとか・・・。
それはそうだ、みゃあのいっていることが正しければ、あの先を進めばいずれ浅茅家の庭に辿り着くことになる。
「ふふふ、ようやく分かって頂いたみたいですね。でも残念です。あなた達は、あと八カ月しか生きられません。」
「あん?」
一瞬脅しともとれるような物騒な話に輝樹がにらみを利かせる。
「あ、ちょ、私は悪くないです。事故ですよぉ。私、あの中(地球)を通った時、コアのあたりに月の最凶兵器落としちゃって、ほっといたらあと八ヶ月後には地球が崩壊?」
どう考えても、お前の過失だ。
「ふふふ、恐ろしいでしょう。畏怖してください。月の科学は宇宙一だとっ!」
えっへんと、何故だか胸を張るみゃあだが。
「まぁ、それはどうでもいいや」
「いいんですかッ!?」
そもそも、兄弟は信じちゃいなかった。
だいたい大気圏で燃え尽きるような宇宙船を製造する月の技術の兵器などたかが知れる。
「どうしてですかぁ!大ピンチですよ!ほら、ハリウッドでいえば核ミサイルですべてを解決する場面ですよッ!!」
「まぁ、実際そうなったら、政府のほうで適当にやるだろうさ」
「まぁ、俺たちにはどうしようもないしな」
「はぁ・・・現代社会はかくも冷たき若者を作り上げてしまって月猫は残念です」
「今はそんな事よりも―お前をNASAに売ること考えなきゃならないし・・・」
「そうですか・・・て、はい!?」
みゃあは、さらっと明かされた正樹の発言にワンテンポ遅れて驚愕する。
「まぁ、だって聞きたいこと聞いたし、もう用済みだからな」
「大丈夫、生きたサンプルは良くて解剖だと思うぞ?」
「良くてですかッ!?人権問題です。国際人権条約を主張します!」
「月と結んだ覚えはない」
「あうぅっぅぅしまったぁあぁ!外交不振ですぅぅ!」
「わかった、そこまで言うなら民主主義だ」
「なんと!地獄に仏です!地球猿にしては見上げた心がけです!」
「決をとります。お前をNASAに売るの反対な人」
「大反対!」
「一票、では、賛成の人が二票なので可決。売るわ、お前」
「数の暴力だああああ!」
鬼畜兄弟、浅茅の血に仏の成分はない。




◆ ◆ ◆




「ううぅぅ、お願いします。何でもしますぅう。解剖嫌です。NASA嫌いです。働きますから、売らないで下さい。」
涙で濡らしながら、懇願するみゃあ。
「さっきと打って変わって土下座外交だな」
NASAに売ると言われてからのみゃあは、よほど嫌なのか、不遜な態度が急に大人しくなった。
「お願いします。痛いの嫌です。グロすぎます。ふみゅううう。なんなら、住み込みで働かしてくださ―」
何気に住み込みを要求するあたり狡猾である。
「メンドクサイ」
「もはや、感情すらも感じられません!」
ふぎゃああ、うにゃああと、頼みこむみゃあだったが、構成成分100%外道で構成された兄弟に取りつく島はない。
「四■元ポ■ットだってなんだって出しますぅぅぅ」
その瞬間、兄弟の耳がピクリと動いた・・・。
「おい」
「はい、なんですか?」
予想に反して、声を掛けてもらったみゃあがきょとんとした表情で正樹を見た。
「持ってるのか?■次元■ケット・・・」
「え?ありますよ、ほら・・・」
と、みゃあは、どこから取り出したのか全く不明だが、みゃあはそれを取り出し、例の効果音と共に、掲げた。
新塵碕行の蒸れないブログ-sdfgh

「四次元的半月状物体~!!」 パンパカパーン!!
物まねは残念ながら似てなかったが、それはまさしく例のアレだ。
なお、このとき兄弟は厳しい顔をしながらも、内心―
キタアアアアアアアァァァァッ\(^o^)/!!!!!!!!!!!!と思っていた。
「じゃあ、最後のチャンスな?」




◆ ◆ ◆




「それでは、四次元的半月状物体のプレゼンテーションしま~す。」
みゃあが、与えられた最後のチャンスは例のブツの中身を紹介し、兄弟が有効と認めたものがあった場合、『四次元的半月状物体』を兄弟に渡す代わりに、みゃあのNASA送りを見送るといったものだった。
窓がカーテンで仕切られ、暗くなった居間に、スクリーンが下され、そこに映像が流れる。
みゃあは、学校でよく先生が持ってる指示棒を手に尻尾をぴょこぴょこさせながら楽しそうに紹介する。
「さて、地球文明にもうあきあきのお客さまに画期的なご商品を紹介します!
これであなたの生活も月色一新!
月の文明商品を多数詰め込んだ『四次元的半月状物体』のご紹介です!」
スピーカーからドンドンパフパフとSEが流れる。
「へいへいトム、ジェリーがまたぁ・・・」
そこから、アメリカのテレビショッピングの様な小芝居が始まった・・・・。




◆ ◆ ◆




紹介された商品はすでに30点にのぼり、そろそろ、兄弟たちも飽きてきていた。
それもそのはず、微妙だったり、ガラクタとしか思えないようなものしか入っていないのだ。
『噛んだ後、飲み込めるキシリトールガム』
『引きこもり使用のどこでもドア(消してあかない開かない)』
『水中限定通り抜けフープ(ただのフープ)』
『ブラックライトの懐中電灯』
『マサイ語用ほんにゃくこんにゃく』
などなど
『ご飯を温めるタイム風呂敷』あたりは、正樹も少し欲しくなったが『首がねじ切れるタケコプター』の様な、悪趣味が過ぎる商品に関してはグロ画像を見せられ正直気分が悪かった。

「では、最後の商品です!」
と、みゃあが勢いよく声を上げる。
ほぼ諦めかけた正樹と輝樹だったが次の瞬間目の色が変わった。

「月の人気商品。カネのなる木です!」

「「買ったああああ!!」」



◆ ◆ ◆



さっそく、使おうとみゃあに詰め寄る兄弟だったが、その前に待ったがかかる。
「ヤダヤダ、ここに住ませてくれないと絶対イヤです!」
「なんだと?」
「だって、ここに追い出されて他の地球人にまたNASA送りにされたらたまったものじゃありませんから」
ビクビク震えながら半泣きで訴える少女。
完全にどこぞの兄弟のせいで人類不信である(誤字にあらず)。
「だったら、NASAに・・・」
そう輝樹が言いかけたところで、正樹が「いいだろう」といった。
とたん、みゃあの顔が明るくなる。
「ただし―、お前には、この家の給仕として働いてもらう。タダ飯喰らえると思うなよ」
「ありがとうございます!」
「おい!正樹!」
輝樹が正樹の肩を掴み、顔を寄せ、小さな声で密談する。


新塵碕行の蒸れないブログ-wer

(どういうつもりだ?)
(とりあえず、あいつから道具を手放すようにして。で、俺たちが取った後に、ここに暮らせるようにするには実際誰の許可がいる?)
(それは、まぁ・・・親父だが)
そう、この浅茅家では、親父が絶対の権力だ。
遥か昔に母が他界して以降、組はもちろんの事ながら、麻生家の家庭を男手ひとつで守り続けてきたのは親父なのだ。

その努力や胆力を無視しようなんて人間は誰もいない。
そのため、何かの許可を得るには、浅茅家において必ず親父という関門を潜り抜けなければならない。
(ああ、そうか・・・)
(な、無理だろ?)
父、浅茅正輝は頑固者である。そのうえ型物。
どのくらい型物かと言えば、ヤクザという組織が完全に資本経済の一端を担うようになった現在でも、昔ながらの義理や人情を身上とし、薬を裁くこともなければ、人身売買に手を出すこともない、それどころか他勢力からの進行を阻止し身を危うくしてまで地方自衛の一環であることを望み続けているくらいである。
親父のそのスタイルは多くの支持を受けるとともに、ヤクザという外面に反して、消して揺らがない倫理の砦なのだ。
そんな親父が一つ屋根の下、兄弟を信用しているとはいえ、正体不明の女の子を家に連れ込むことなど許すはずがない。

そう、初めからみゃあがこの家で暮らすなどあり得ないことだったのだ。




◆ ◆ ◆




そして、現在、親父―浅茅正輝は過去最大の難題を目の前にしているのである。
今まで、匿って欲しいと縋りついてきた人間が数多いた。
それこそ、政治家からチンピラまで・・・。
義があればそれに答え、そこに義がないと見るやそれを指摘し、追い出した。
だが、今回の事は器の広いと評される彼にさえ即決できなかった。
当然だ。

(かわええ・・・・・)

ぴょこぴょこ動く尻尾。
まんまると大きいどんぐり眼。
細くて白い四肢。
耳もぴくぴくきょろきょろ動いている。
月色の髪の絶世の美少女。

それが目の前で、浅茅家の和室でちょこんと正座し、申し訳なさそうにこちらを上目遣いで覗いている。

ありていに言ってしまうならば・・・

親父―浅茅正輝は、生涯初の『萌え』に直面していた!

親父としては、子供たちの事を考えれば、不純である今回の案に賛成などできない・・・・。
断じて!断じてできない!
だが
(なんや、これは?アカン、これはかわええ、かわゆすぎりゅ!いや、それでいて妙に恥ずかしいこの感情は何や?コレは、なんや、なんなんやアイリス!?)
亡くなった妻に縋りつきたくなるような感情にもはや親父の思考はゲシュタルト崩壊寸前だった。

「あのぅ~」

みゃあが、親父に話しかけるが、親父はそれどころではない。
現在頭の中の文化大革命を制圧することに必死なのだ。
その沈黙が、みゃあには激怒しているように思え、さらに体をもじもじさせる。
そして、チラリと双子の兄弟を見た。
正樹と輝樹も父の内情を知らず、その沈黙が激怒だと思い、計画通りに事が進んでいることに安堵していた。
みゃあに負い目があるせいか、あさっての方向に視線をさまよわせ、みゃあと視線を合わせようともしない。
みゃあは、泣きそうになった。
(うううぅぅ、むちゃくちゃ怖いじゃないですか・・・・・)
兄弟の思惑に気が付き、涙を浮かべながら、もう一度兄弟をみる。
だが、兄弟は今にも口笛でも吹きそうなそしらぬ顔をしている。
(だめだぁぁぁぁ、おいだされるううう、解剖やだぁあぁ)
「ふにゅ」
心の中の叫びを住んでのところで引っ込めながら、長い長い沈黙を耐えた。
そして、ふとしたことに気付く・・・・・。
みゃあの足が・・・痺れてきたのだ。
みゃあはよけいに泣きそうになった。
(駄目です。完全に・・・足がしびれて・・・・)
つらい。
人生初の正座、その未体験の痺れは彼女を追いこみ、ついに限界を迎えた。

「あの、すみませ―きゃ!」

急いでみゃあが立ち上がろうとすると、予想に反して力の入らない足が、もつれてスッテンと前のめりにこけたのだ。
顔面から畳にダイブするみゃあ。



新塵碕行の蒸れないブログ-123


・・・・・・・・・・・



・・・・・・・・・・・・・・・



・・・・・・・・・・OTZ




新塵碕行の蒸れないブログ-asd


(オワッタ・・・連載三話目にして、私消えちゃった・・・・)
そう思った矢先、親父が声を上げた。



そう、このドジっ子事変が親父のハートにジャストミートストライクゲッツースリーアウトチェンジWe Can!!!をもたらしたのだ!




「よしッ!」



親父の言葉に、兄弟は唖然とした。
みゃあは大きな耳を疑った。


「かわええから、よしッ!」


親父の声がこだました。



◆ ◆ ◆



こうして、浅茅家に一匹の迷い猫が住み着くようになったわけだが。
それはさておき、現在の経済を成り立たせる根幹的なものを手に入れるにいたった兄弟はというと・・・・。
その日の晩。
「まぁ、手に入れるべきものは手に入ったわけだ」
「確かに。こちらの方が重要だ。最近組の資金ぶりも思わしくないしな・・・」
正輝と輝樹は例のアイテムを、ひそひそと庭に植えた。
瞬間、膨れ上がるように育っていく樹木に、双子兄弟の夢が咲く。
そして・・・。
「・・・・・・・」
「・・・・・・・」



もはや、多くを語る必要はあるまい。
大した話でもなく、しょせんベタな話だ・・・。


そんなわけで兄弟は見事に得るものは得て―我が家に猫がやってきた。



あえてその気分を擬音にするなら、いろんな意味で『ごぉぉ~ん』っというところだろう。


絵 リクエスト 水瀬秋子





ここで、flatさんからのリクエスト

カノンの秋子さんw


二次はあいも変わらず難しかったwww


てなわけでどうぞ




新塵碕行の蒸れないブログ-akiko


絵 しゃっほ~4 キャラ設定

前回、御紹介した『眞時みみこ』

のもうちょい詳しいご説明


本文抜粋

影の薄い人間です。

成績ははっきりいってよくない。

料理はできても、目立たないレベル。

身長・・・・・=ちんまい。

発育・・・・・=よろしくない。

自己主張はほとんどできない。

特に親友はいない。それどころか友達もいない。

体育なんか大の苦手、笑われたり、呆れられてため息をつかれる事はあっても、その逆はない。

窓際の隅っこにいて、

誰にも話しかけられることなく休み時間を過ごして

誰にも気づかれずに家に帰る。

そんな人間です。

家に帰ると、誰もいない。

父は単身赴任中――

母は、・・・・・・・語りたくない。汚らわしい。

趣味は、インターネット。一晩中やってる。

休みの時は一日中。

遮光カーテンを閉めた部屋で、モニターを覗いている。

すごく・・・・・落ち着く。

あとは、寝てる。

そんな一日。

そして、そんな人間だ。


というように、ひきこもり系の少女。


これをもとに、いくつかのイメージラフをかいて、このキャラはこんな感じといったものを作って行きます。


まず、イメージラフをかく前に

イメージを想起させるような言葉をかいていきます。

『ちんまい・はかなげ・未発達(ロリ)・弱い・陰性』

あたりでしょうか。


で、できあがったのが

新塵碕行の蒸れないブログ-asdf

こんなかんじ。

目が青いのはある意味運命です。

深戒櫃代、浅茅正樹、僕の作品の主人公級は何故か目が青い。


でも、一応設定は、高校生ってことになってるので、さすがにこれは幼すぎかなぁ。いやいや、いっそのこと設定を中学生まで下げるのも・・・・・。


まぁ、

それならば、ということで

ボデ―ラインで何とかしようってなわけで



新塵碕行の蒸れないブログ-aigo


これで、少しは年齢・・・・上がってないな・・・・。

まぁ、どっかに需要は在りそうなので、このまま行こうと思います。


投げてるのは、前にアルテミスが持ってた『かわいそウサギ』なにげに、このシリーズ『かわいそゾウさん』とかもある模様。今後推してこうかな・・・・。


しかし、落書きラフに背景なんか余計だろJK・・・・OTZ

しかも、今どきありえないwindows98ユーザーって・・・・そりゃ、そんなスペックのパソコンで一晩中ネットやってたらページ開くの待ってるだけで鬱になるよ・・・・・OTZ