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才は無くとも
     幾万の

  努力残して
      実となす


地獄があらば、身を投じ

    この身を焼いて懺悔をし

   人の恨みが救わるるなら

この身のすべてを焼き殺し 神に慈悲を祈りつつ

   この身の生み手に謝罪しよう

生きることは 楽でなく

死ぬことすらも救いにならず

そうであるなら 生き抜いて

  最後の最後に死んでやろう

どんな苦難がこようとも

どんな理不尽があろうとも

この身を殺せるはわが手だけ

 神ですらそれを許さぬ

殺せる者あらば殺してみよ

 道理がどうの

 理屈がどうの

最近の奴らは頭がいいのか悪いのか

頭が回っていても前にちっとも進んでない

扇風機のようにくるくるくるくる

絶望するのはまだ早い

そんなループッで勝手に遊んで勝手に死ぬなら

噛みちぎって、喰ってやろう。


最後の最後

最後まで

才は無くとも幾万の努力残して実となし

この虚ろな弱肉強食の世界の中で

僕は世界に、反抗して生きていくのだ。

この世界は、汚くてもいい

僕が綺麗だと吠え続けてやろう。

プロット 愛食家な彼女

涙が流れればそこに悲しみもあろう。


しかし、


笑顔があればそこに幸せはあろうか?


わからない。


感じたことがない。


幸せの形は実に様々で不確定。


誰が定義することもできなければ


否定することもできない。


この惨状は彼女が望んだもの。


故に彼女は涙した。


ぽとりぽとりと落ち行く涙に



苦悩の色などありましない。



彼女は今満たされた。


死んでしまった父と母


死んでしまった祖母と祖父


生き残ったのは一人の少年。


彼女は、彼のためにすべってを犠牲にした。


いや、彼女は何も失ってはいない・・・・。


彼女にとって彼はすべてだったから。


だから彼女は一生懸命食べることにしたのだ、


彼のお肉をおいしく頂いた。



手は震えている・・・・。


残念ながら、それは恐怖から来るものではない。


単に固い肉を解体するのに手間取ったのだ。


手が震えるほど力を込めた、まだ少女と言って差し支えのない彼女の細腕には少々荷が重かった。


彼女は彼のお肉をいただいて満足感のうちつぶやいた。



「肉食獣って最低だ。」



結局のところ、彼らは餌で、彼女は捕食者と言う対象でしかなかった。


草食動物が植物のみを糧とするように


肉食獣が肉のみを糧とするように


吸血鬼が人の血を糧とするように



彼女は、『愛した人』しか糧にできない。


だからそのつぶやきは単なる近親憎悪に他ならない。


自分のことを棚に置いた愚痴に他ならない。


彼女はそういう いきもの だ。


現代社会において、食欲に耐える人は多い。


ダイエット中の女性


減量中のボクサー


お小遣いが雀の涙ほどしかもらえないサラリーマンのお父さん


単純に、お金がない人


食物の育たぬ土地にいる人間


そういったいくつかの可能性のなかに彼女は居ながら


どれとも違い


おそらく、彼女ほど我慢強い人間はいなかっただろう


彼女ほど狂気的に正気にまみれた人間などいるはずもない。


彼女は、そう言った空腹を今の今まで我慢し続けていた。


すなわち、


17年間


彼女は、本来食べるべきものを食べずに日々を暮らしていた。


故に体の成長は極端に止まり


140センチに満たない体


体重など、羽根のように軽い


細い細い四肢は、病院で何十年も寝たきりになった植物状態の人のよう。


筋肉がついているのかどうかもあやしい。



だって、我慢せざるおえなかった。


だって愛しているんですもの。


最初にそう言った食欲を覚えたのはおそらく授乳のときに違いない。


小さな、歯が生えたとき


彼女の母はあまり痛みのため苦悶の表情をした。


噛み癖のある・・・乳首が取れるほど噛み癖のある子供


母は、正直彼女を恐れた。


それでも、それは哺乳瓶と言う代替物により解消された。


しっかり歯が生えると


本当にご飯を食べることを嫌がる子供になっていた。


先天的な拒食症・・・・


そう言った言葉が似つかわしい。


現代医学はさしたるもので、それでも彼女は点滴で生き延びた。


幼稚園の頃、優しくした少年にかみついて嫌われた。


先生と両親にも怒られた。


「なんでそんなことをしたの?!」


「だって、ゆうきくんのこと、大すきだもん、おいしそうだよ?ゆうきくんのお母さんは何で食べないんだろう?」


先生と両親はまるで怪物でも見るように彼女を見た。


その時彼女は、自分が正常ではないとやっと気がついた。


家で飼った犬は全部小型犬で現在10匹目


うち九匹は いなくなってしまった


逃げ出したということになっている。


どうせなら、次は大型犬にしようと思う。


高校生になると、彼女は彼に出会った。


今さっき食べた彼だ。


彼は私の貧相な体格にも、気にせず彼女のことを好きだといった。


ただ、彼女の慎重では一緒に遊園地のアトラクションの都合上乗れないものがあった。


彼女は彼のためにもっと栄養をとる必要があった。


だから食べた。


だれかって、


冒頭でもう書いてあるよ。


そんな彼女に僕は出会った、


刑事になることを夢見て第一種を受けた。


当然のように受かった。


刑事になって初めての事件


最初の事件が、彼女の家族の終わりの現場だった。


彼女に出会った僕は、空気でわかった。


彼女はお腹がすいているんだ。そうわかった。



僕の名前は 高柳 啓司



京都府警勤務の空気の読める刑事。


僕は彼女を愛してしまった、


それが苦悩の始まりだった。

第二章 多重存在 すべての光が姿を消す ―小説

どうやら、上が騒がしい。そう、そんな事は気配でわかる。
死と闘争を好む殺人の意志が大量になだれ込むのを感じる。
まるで、死戯の軍団が、ここに向かって攻め入ったような・・・。
ならば、これは好機だろう。『桃色血走り』は、おそらく上にかかりきりだ。
「重力制御・・・集中・・・空間歪曲開始」
重力とは空間のゆがみ。
万有引力の法則をニュートンが発見して以来、現在の義務教育の場においてもこの古臭い理論に信仰するもおは多い。
曰く、物体にはその質量に見合った引き合う力が存在するという。
だが、この理論を容易に破ってしまったのがブラックホール。
その重力場は、質量のない光でさえその実に取り込む。
それでは、ニュートンのもたらした重力の定義に反する。
いかに、超重力領域と言えど質量のない光を取り込めるはずはない。
ならば、重力とは歪みのことなのだ。柔らかい布の上に重たいものを置くと、その部分が、落ち込むのは、誰もが眼で見て解ることだ。その落ち込んだ部分に何か物体を置いてやると、傾斜に沿って引きずり込まれるだろう?
この時、柔らかい布を空間と言うものに置き換えて考える。
重力とは、布の落ち込み―空間で言えば歪みだ。

その歪みを俺は自由に操る。

まずは光。

瞬間、すべての光が姿を消す。

次に壁。

壁が空間に引きずり込まれ、まるで横開きのドアの様に圧縮する。

そして、人。

見張りの人間を、圧殺する。

光が戻ったとき、俺は奴らの前から姿を消していることだろう。