蒸れないブログ -201ページ目

第三章 幸福在処 スクールウキブギ―小説

「と、いうわけで、見学は大丈夫でしょうか?先生」


職員室、わたしは当然、流さんの見学を担任の先生の襟原先生にご相談しに行きました。


「え?いいんじゃない?」

あんがい、先生の反応は軽いものでした。
襟原先生は、今年で二十八歳になる先生で、きれいで、そのさばさばした性格から生徒にとても人気があります。
何時もにこにこしてて、何より親しみやすい話し方の人、私たちの目線で話してくれるいい先生なのです。


そんな襟原先生は、今、HRに配るプリントをまとめ終わったようで、ぐっと深めに椅子に座っています。


「で、その流ちゃんが、この子ね。うんうん、可愛いなぁ。母性本能くすぐるよこういう小さな子は」


その襟原先生が涎を垂らしながらそんな事を云います。


「襟原殿と言ったか、ちょっと眼が怖いぞ・・。」



流さんが、私の後ろに隠れるように、あわてて後退します。



「あっはっはっは!そういうな、お譲ちゃん。この年にもなると、女性なら子供が欲しいと思う年頃なのさ。特にお譲ちゃんのような美少女を見せられると本当にそう思う。」

「な、・・なにかそう言うのとは違ったように思えたのだが―」


それでも、襟原先生はなお近づいて顔を流さんの目線にまで合わせます。


「安心したまえ」


そういうと、襟原先生は、流さんの顎の下を猫にするように撫でまわします。


「女は、基本的に子供好きさ、お譲ちゃんも女だからいずれわかるさ」

「いや、一生わからぬと思うぞ。」

「ほう、その年で一生独り身の決意か?そう言う子の方が先に行ってしまいがちなのだよなぁ・・かなしいかんかなしいかな」

「いや、そう言うわけではないがぁ・・・」


んふふ、と襟原先生は少し笑ってから、可愛い可愛いと言い、またもとの位置に体制をもどして今度は私の方に向かいます。


「小羽ちゃん」
「はい」
「多目的ルームのパイプ椅子持ってっていいから、そうだなぁ、小羽ちゃんの近くがいいかな」


「あの・・先生」


「うん?」


「小さな子と話すとき口調が変わるんですね」

目をぱちくりさせたまま、唖然とする折原先生。
どうやら、今まで気づいていなかったようです。

「そうかな?」

「そうですよ。」

「そうだな」




◆ ◆ ◆




というわけで



「「「「「か~わ~い~い~!!!」」」」


クラスの女の子の実に90パーセント以上の大合唱です。
後ろの方で、少数の男子がもえもえもえもえと言っています。



流さんは、私からしても生粋の美形、美少年、本物の女の子以上に可愛く、

清楚で、儚げで、いつもどこか目に憂いがあって尚且つ、

子供とは思えないくらい落ち着いたたたずまいをしています。



そんな流さんが、その自慢の世界がうらやむアジアンびゅーてふぉーな長い髪を、動くたびに揺らしながら、ひょこひょこと、歩いている姿に、

ほとんどの女の子が小さな動物や、お人形に出会うよりも強烈な刺激を持って胸キュン状態突入するのは、納得の結果と思います。


ただでさえ、そんな美しかわいい流さんが、すばらしいとしか言いようのないほどの着物を着ていらっしゃるのです!


白い地に、桃の花をあしらった刺繍、内からのぞく鮮やかな柄の襟と、

可愛らしい袋の匂い袋。


紫色の明るい帯は逆に控えめに、それが却ってアクセントになっています。

挿し色と言うやつです。


女なら誰でもきたいと思わせる、完璧の整った美しくもかわいらしい女性着物。
もうどこからどう見ても、完璧なる美少女です!美少女少年です!



当然ながら、今回もみなさん流さんが女の子だと勘違いしているようですが。


「はじめまして、弦候堂流という。今日一日、見学させて頂いてよいだろうか?」


そんな、流さんのあいさつが終わるや否や、もう質問の嵐です。
取り合うように、流さんは囲まれ、その一つ一つの質問に律儀にも一つ一つ丁寧に答えて行きます。


「しっかりしてるね~」「そうなのか?」
「かわいい~」「いいよ~、可愛いから全然おっけ~」「ありがたい、やさしいのだな」
「いくつ?」「6歳になる」
「小羽ちゃんとのご関係は?」「友達だ」
「お家はどのあたり?」「兵庫県の京都よりだな、ここからでは少し遠くなる」
「その着物すごいね~、お家は茶道の家元?」「いや、魔法使―えっと、糸屋だ。製糸業とも言うな」
「血液型は?」「A型」
「好きなものは?」「この前小羽の家で焼き肉と言うものを食べたぞ、おいしかった!」
「その着物可愛いね」「うむ、母様と父様がくれた自慢の一品だ。ほめてくれてうれしい。」
そうやって照れて笑う流さんに再び大合唱!
あの、みなさん、そろそろ授業が始まるので、久野君の取り締まり規制が始まりそうですが。


「ねぇねぇ、それで、好きなタイプは?タイプは?大事なことなので二回言ったよ?」


「うむ、にこにこ楽しそうな人は好きだ。こちらの気分が晴れてくる。」


って!国語の岡村先生!来てたんですか?!


目の前で生徒に混じって質問祭に混ざっていたのは、間違いなく国語の先生の岡村先生。身長の高い、二枚目の―。


「馬鹿兄貴、マジでちゃんと授業やろうなぁぁ!」


―久野君のお兄さんです。


「久野君は、怒りんぼだなぁ、なんだい?また本の角かい?あはは、冗談だろ?久野君、君のお兄さん死んじゃうよ?そういうのは!本当に!死んで!しまうから!やめたまえ!六法全書はマジでヤバ!やばいっつってんだろ、クソガキ!」
「兄貴残念だよ、おれが今日持ってるのは六法全書じゃないんだ」
「あん?」


ぴっと、廊下にたたずむ、大きな四角いモノリス上の石を指さして言います。


「―クドードー・・・」
「てめぇ、そんなギネスブックに載る大理石製の本まで使って本当に俺を殺したいのか!?」


クド―ドーって人の背丈ほどもある経文を書いた石碑ですよね。
本物かどうかはわかりませんが、本当に人の背丈ほどある石の塊が、本当に廊下にあります。


「なかば・・・」
「こええぇよ!」


淡々と語る、久野君。
本当に、なんでクソウ・ダがここにあるのかも気になりますが―。
どうやって持つつもりなんでしょう?


「だよねぇ、あんなものあったって久野君じゃ持てないのにねぇ。」
「たぶん、誰にも持てんのではないか?石碑全部合わせて730トンだぞ、床が抜けんのが不思議だ・・・ミャンマー政府、怒ってるだろうな」


そんな流さんの冷静な突っ込みをよそに、国語の時間は始まりそうです。
それにしても、本当に博識ですね、流さん。

挿絵 蒼き殺人者


g

N,Tです!

ついに、粘り勝ちって奴で、このブログは、わたくし、N,Tと新塵の共用ブログとなりました。


ぐふふ、


そういうわけで、絵をアップ。



第一章の解決編ラストらへんの戦闘シーン



深戒櫃代が、死戯「憂鬱多弁」として、発動したときのシーンの挿絵を


いろいろと絵の効果を変えて作ってみたんだけど



絵に興味がある人に意見を求めたいのですが、


こんなかで、どれがそれっぽいだろうか?

その1 ちょっと、明るめ
d
その2 眼光が目を隠さない
s
その3  眼光が目を隠している
a  
その4 ちょっと、明るくしてアップ
h
その5 眼光が目を隠してて、アップ
g
その6 眼光が目を隠さないでアップ
j









コメしてくれたらうれしいです。



同じ絵で、効果が違うだけで申し訳ない。


煙の出し方が在り来たりなのはかわいげってもんです。間違いない!