過日、「子ども議会」が開催され、リアル議員も傍聴させていただきました。
PTAの取り組みだそうで、各中学校から代表1名が「子ども議員」となり、ブロックごとに提言をまとめ、実際の区の執行機関に問いました。
提言通告も普段の議会の一般質問通告そのままの書式で
執行機関もいつも通りの体制で
様子は区のウェブサイトにあるのでご覧ください。
https://www.city.adachi.tokyo.jp/hodo/kodomogikai.html
私も、今年2月の一般質問で、ソウル市に学び「青年議会」を開催してはどうかと区に問いました。
ソウル市の「青年議会」は希望者はだれでも参加でき、今回の子ども議会のような秀英的代表選出方法とは質を画すものですが、今回の「子ども議会」は大人議会さながら、いや大人議会よりも率直なもので、誠実なもので、見ていて思うところが多々ありました。
「参考書を増やしてほしい」との提言に、「参考書を増やすのは難しいが辞書は用意してまいります」と、実際の提言が活かされる点もありました。
とりわけ興味深かったのは、「教育費の無償化」を当事者の中学生が提言したことです。
税金の使い方を見直して、保育所から大学まで無償化する、ことが提言されました。
執行機関の答弁は「…区としてもできるかぎり取り組んでいく」!!
これはぜひとも、区の奮闘を期待したいところです。
今回6月議会で私も、教育費無償化の一環として、給食費の無償化を提言しました。
区の答弁は「…無償にする考えはありません。」
この似たような問いに対する答弁の明確な差は、興味深いへだたりです。
某書籍では、答弁の作成方法に関して、与党には肯定的に、野党には否定的に、と露骨に書かれていました。
任期の長い議員と期数の浅い議員でも、答弁の内容に変化を作らないといけない、ともありました。
行政は法を執行する立場のはずで、そのはざまに「私的感情」がはさまるのは、どうなんだろうと思います。
まあ人間ではあるし、過去のいきさつで好き・嫌いもあるのでしょうけど・・・。
法的根拠に照らして可能なのであれば行う、違法であればでできない、グレーゾーンであれば今後の方向性から検討するとか、事業をおこなうにせよ客観性は必要なのではないかー、と、この本を眺めながら思ったものでした。
与党であるから肯定的で、野党であるから否定的―
もういっそ、答弁者はAIでいいのかも、とも思えてきます。
足立区では行政事務の民間委託を進めていますが、民間ですらなく、AIが行政事務を執行するー
ほうが、「法」という唯一のよりどころを客観的に執行できて良いのかもしれませんね。
上記の書籍、読むほどにひどい本で、
・わざとダラダラ答弁して時間を浪費する
・「この課長には質問したくない」気持ちをおこさせる=わざと的確な答弁をしない
・この課長に聞いても無駄、と思わせる
・質問する気をなくさせる
などなど、色々な議会対策テクニックが書かれていました。
思わず、読んでいて床に叩きつけてしまった一冊です。
(基礎自治体管理職の方が書いている)
子ども議会で、丁寧に答えている執行機関の方々を見ていて、ふと思い出した本でした。
事業を執行するのに、私的感情が障壁となっておこなえない
制度としては可能であるのに、行わない・行えない
そういうことはやっぱり、おかしいと思います。
私的な感情を取り払い、法や社会情勢によってに客観的に答弁されるものだとしたら、質問にどのような答えが返ってくるのか。
聞いてみたいものですネー。