2017年に仙台市に越してきて、あまりご当地ものに触れてこなかったなぁと常々思っていた。

県外から見る仙台市のご当地グルメというと、牛タン、ずんだ、笹かまがイメージだと思う。

しかし仙台市と宮城県で、色んなご当地ものが多々ある(そりゃそうだ)。

NHK朝の連続テレビ小説「おかえり、モネ」の舞台の一つである登米市(とめし)は仙台麩として有名な油麩の発祥の地である。

もう一つの気仙沼市は日本の太平洋沿岸地域において、四半世紀もの間、カツオの水揚げ量日本一であり、モウカザメを食す地域でもあるため、モウカザメの心臓は珍味として愛されているのだとか。

石巻市には石巻焼きそば、石巻おでんがある。

名取市は、シラスの北限とされ、震災の津波で甚大な被害を受けた閖上(ゆりあげ)地区では、このシラスを使ったシラス丼があるし、復興施設として建造された閖上テラスでは本格的なジェラートもあるのだとか。

鳴子温泉のある大崎市にも「なるこりん」という施設があり、こちらでも本格的なジェラートがあると聞く。

亘理町(わたりちょう)は、宮城県民で知らない者はいない「はらこ飯」の発祥の地である。白米とほぐした鮭の身を炊き込んだ上に、イクラを乗せる、海の親子丼だが、秋の味覚の筆頭と言ってもいい。

そして、仙台市はというと、麻婆焼きそば、さいちのおはぎ、定義山三角揚げ、秋保ワイナリーのワイン、ニッカウヰスキー宮城峡蒸溜所で作られる「宮城峡」と「伊達」(宮城県のcoopなどでしか買えなかった限定ウイスキー)、レゲエパンチ発祥の地、冷やし中華発祥の地、山形市民と喧嘩になる芋煮、などなど、やはり暮らしてみて分かるご当地グルメ情報が多々あって。

車を3年半ぶりに所有したこともあり、定義山へ行ってみた。

仙台駅があるのは仙台市青葉区中央という地名だが、青葉区も愛子(あやし)のあたりになると、田畑が多くなり、車がないと生活できなさそうな感じの、そう、我が故郷岩手県の田園風景とさして変わらぬ街並み。そしてさらに進むと、岩手県の内陸にある夏油温泉に向かうような、車一台分の幅しかないような道々が続く。

まあ、道が一本しかないので、超絶方向音痴の私でも迷わずに定義山に辿り着き、無事、名物三角揚げにありつくことができた。

箸が小さいのではない。一般的なサイズの、8寸か9寸の割り箸だが、お揚げさんが異常に大きいので、画像で見るとなんか縮尺おかしく映るのである。

一応、仙台市営の路線バスも走っているので、車がなくても行けるところではあるが、このお揚げさんは揚げたてを食すのが1番だと思う。


仙台さ、来てけさいん。