娘の幼稚園時代のママ友が
お嬢さんを連れ、娘に会いに来てくれました



心の片隅には

母娘の姿を間近に見て過ごすことへの不安があっても、娘に手を合わせてくださるのなら是非に…という思いの方が強くて、断れなくて



ふたりの好きなものを使ったメニューを考え

買い出しに出かけ

寝具を整え 友人の好きな花を選び


喜び半分緊張半分で迎えた当日


懐かしい友人の変わらない笑顔と

10年ぶりに会ったお嬢さんの眩しく成長した姿に

思わず駆け寄って抱きつくと

それまでの不安はどこかへと消えていきました



最後のクリスマスプレゼントに

ヒプノシスマイクのCDを

サンタさんにお願いした娘


そのわずか一月半後の突然の別れで

娘がその中の誰を推していたのか?
私にはサッパリ分からない…と話していたから



私に代わって

娘の好きなグループのグッズを選んできました…って娘コーナーに並べてくれて


娘の『好き』に「わかるー」って頷いては

私の分からないことを分かるように説明してくれて



お風呂タイムの後にもおしゃべりは止まらず

気付けば朝の4時


翌日も出掛ける予定を取りやめ、ブランチから夕方までのんびりマッタリ食べて笑って食べて


楽しい時間はあっという間に過ぎました



あと2泊を都内のホテルで過ごす友人たちからの

「良かったら一緒に過ごそうよ」のお誘いに

心はちょっぴり動いたけれど


せっかくの母娘水入らずの時間にお邪魔だから…と遠慮して

ふたりを途中駅まで送ると別れ際は涙ナミダ



そんな賑やかな状況からひとり家へと帰れば、あまりの静けさにポカンと無気力にはなったものの

同時に少しホッとして


気持ちを切り替え部屋を片付け、夕食を作ると

帰宅した主人とふたり

いつも通りの夜を迎えることができました





いつ訪れるか分からない気持ちの急降下を

考えすぎないよう、気持ちを紛らわすよう


翌日からは洗濯機を回しまくり、後回しにしていた雑用を片付け、ワークショップにも参加…なんとか凌いでいたけれど



2日後、いよいよ帰路についたお嬢さんから


「沢山のおもてなしをありがとうございました!

 また4人での女子会楽しみにしてます

 その時は私の推しのアクスタを待っていくので

 見てくださいね!」って

母娘並んだ写真付きのラインが届くと



娘の好みで選んだアイスクリームが

偶然にも彼女のお気に入りだったこと


彼女の可愛らしいソックスが娘の好きなクロミちゃん柄だったこと


娘に用意したクリスマスプレゼントを

娘の代わりに開けて

韓国のお菓子を一つ一つ並べ説明してくれたこと


そして


お風呂前に傷んだ髪を櫛で梳かし、泥パックをしてあげたお嬢さんの細く柔らかい髪や


中学までは心の内を話してくれなかったお嬢さんが

ようやく何でも話してくれるようになった…と

話していた友人の安堵の表情



一気にいろいろな場面が浮かんで


『なんでうちの娘はここに居ないのよ』って

堪らなく辛くなり、とうとう涙がこぼれました



そのうえ

ぼんやりとした頭でスマホチェックしていたら


ついうっかり、あえて既読をつけていなかった知人からのラインを開いてしまって


今年成人式を迎えたお嬢さんの晴れ着姿の写真と

感激したパパの幸せいっぱいのコメントに



そっか…私はもう、娘がどんな風に変わっていくのかを見ることはないんだ…って


娘の成長を見れない現実が

どうしようもなく悔しくて悲しくて辛いんだ…って

あらためて思い知らされて



すべてを放り投げ

娘の部屋のカーペットに横になると

いつの間にか眠っていました






すると、ほんの一瞬だったと思います

久しぶりに寝転んだ娘の部屋で娘の夢を見ました



家族で「どこへ出かけようか?」と話している夢


娘の姿は見えなかったけれど

一緒に暮らしている普通の暮らしのヒトコマで


私は娘が何をしたいか?

どこへ行ったら喜ぶか?と

頭の中で考えながら提案している…そんな夢



こんなママだけれど

いつだって

君たちの喜ぶことをしてあげたいって

思っていたんだよ

力不足だったけれどね



心の中で呟いたその時、娘の机に飾ったBTS『V』のアクリルスタンドが目に入り


「一昔前なら『オタク』扱いされたことでも

 今の子は全然気にしていないんだよね」

って話してくれた友人とお嬢さんの笑顔


そして

娘のアクスタを作って

それを連れてあちこち行こうよ!


娘の好きな場所に

娘のアクスタ置いて記念写真撮ろうよ!


なんて笑い合った

わずか数日前の楽しかった会話を思い出しました


だから


君の『かけら』や

君の『シンボル』だけでは物足りないのなら…


体が見えなくて悲しいのなら…


アクスタにして持ち歩けばいい

君と叶えられなかったお出かけに行けばいい

 

見えない君ははいつも一緒だけれど


そんな特別な形のお出かけの日を作ってみるのも

悪くはないかもね



なんて

かなり頑張って言葉にして

自分を奮い立たせてみる



だって



今週は娘の誕生日 

そして来月には祥月命日を迎えると知っていて


遥々飛行機に乗って会いにきてくれた友人の

温かい心遣いが嬉しいから


オバさんたちの会話に根気強く付き合ってくれた

お嬢さんの思いやりがとても有り難かったから



君が居なかったら出会えなかったご縁に感謝しよう



そして



迫り来る娘の日に向かって

気持ちが沈みがちなこの時期に

あえて忙しい時間を与えてくれた

かけがえのない友人へ 



心からありがとう