今回のポストの目的は、一流の学術誌であるCellの査読済み論文において、現行のレプリコンとほとんど同じ仕組みのレプリコンを細胞に導入してみたところ感染性のある粒子が放出されるということが示されていたことを一般の方々に周知することです。… https://t.co/vhFehBOwx7
— 村上康文 (@yasufumi06) May 10, 2024
元論文
本文より
今回のポストの目的は、一流の学術誌であるCellの査読済み論文において、現行のレプリコンとほとんど同じ仕組みのレプリコンを細胞に導入してみたところ感染性のある粒子が放出されるということが示されていたことを一般の方々に周知することです。
スレッドが長くなりすぎて途中でXからスレッドの継続を拒否されたので続きを新たなスレッドで発信することにしました。現在、日本で接種しようとしている単純な自己増殖型mRNAワクチンは感染性粒子が細胞から放出される可能性があると考える人は多いのですが、それが既に30年前に示されていたというわけです。
前回のスレッドにも書いておきましたが、このような論文がある以上、製薬企業側は感染性粒子の放出が個体間感染を招かないことを証明しなければなりません。これは開発側に課された義務であってレプリコンワクチンの危険性を懸念している研究者が証明しなければならないものではありません。このことは常識ですが念のため書いておきます。
通常の薬事承認のプロセスにおいては製品に関するリスク情報をもれなく規制当局に開示し、そのリスクを否定することが製薬企業の義務となります。
感染性粒子の放出が発表されている学術誌がPubmedにも載っていないものであればいざ知らず、現在のインパクトファクターが66.85という一流紙に掲載された情報を無視するということはいずれ裁判がおきたときに大きな不利となることでしょう。ちなみに現在、この分野で最高のIFを持つのはNature Medicineです。Cellは第二位です。
引用ポストしているこのデータですが最初にレプリコンが導入された細胞が光っているのが24時間後のデータです。それが時間の経過と共に細胞全体に広がっていくということ をこのデータは示しています。これは著者たちにとって意外なことだったのです。そこで彼らは細胞の培養上清を取り出し遺伝子導入していない細胞に添加してみました。その結果を次のスレッドで示します。
最初にリポフェクション法で遺伝子導入した細胞からウイルスのような感染性のある粒子が放出されるのであれば、その培地を遺伝子導入していない細胞に加えるだけで同様の現象が見られるはずですが、その結果がFigure4です。
AはFigure2の培養上清を加えた細胞での免疫染色実験ですが全部の細胞が光っています。この結果からは最初に遺伝子導入された細胞からまさしく感染性粒子が形成されたことを意味しています。
BとCは同様の作業の繰り返しです。つまりAの細胞の培養上積を次の細胞に加えてしばらくしてから免疫染色実験を行いVSV-Gタンパク質の発現を調べるというもの。感染性粒子を継代することができることを示した実験です。この操作は10回までくり返して行うことができたと書かれています。
これらの結果から細胞培養液に感染性粒子が放出されることと、しかもその現象は代を重ねて繰り返されることがわかりました。
最後に示すのはVSVに対する抗体がこの細胞間伝播を抑制することを示す結果です。これまで説明してきた実験においてVSVに対する抗体を培地に加えておくとこのような現象は観察されませんでした。
ということはVSV-Gタンパク質がこの現象に関与していることを強く示唆しています。Aの実験は抗体を加えなかったケースです。Bは抗体を加えたケースです。蛍光のシグナルは完全に抑制されています。
以上で主要なデータの説明は終わりましたが、この結果が示すことはかなり深刻です。今回のコロナのレプリコンワクチンで使用されているレプリカーゼはベネズエラ馬脳炎由来のものでセムリキ森林ウイルスのレプリカーゼとほとんど同じです。
さらに抗原として産生されるスパイクタンパク質はコロナウイルスの細胞への感染プロセスにおいて重要な役割を担っています。したがって今回、相次いでヒトへの接種を進めようとしているレプリコンワクチンが導入された細胞から感染性の粒子が放出される可能性はかなり高いと言えるでしょう。
さらにこの秋から定期接種として使用されるレプリコンワクチンで使用されるスパイクタンパク質は武漢型ウイルスのスパイクタンパク質の機能強化版です。細胞侵入の際に使用されるACE2受容体への結合力は60倍にもパワーアップされていて高い感染力を示します。また感染する宿主の動物の種類も武漢型と比べて大幅に拡大しています。
レプリコンワクチン接種者においては細胞から細胞外小胞に包まれた感染性のレプリコンが放出され、しかもオミクロン以降型のスパイク抗原を発現するため細胞外小胞にはスパイクタンパク質が林立することでしょう。
この粒子は体液を介して細胞から細胞に感染していくことは確実ですが、ワクチンや既感染で誘導された抗体はレプリコンワクチンで産生されるスパイクタンパク質に対する中和活性は低いかほぼゼロであるため、このレプリコン疑似ウイルスは生体内でも細胞から細胞へ広がるでしょう。
ウイルス感染であればウイルス感染細胞は局所的ですが、レプリコンワクチンではリポフェクション法よりも高い効率で細胞にRNAが取り込まれ体中の細胞で大量に複製され細胞外に放出されるのです。細胞あたりのRNAコピー数はかなり多いでしょうから一つの感染性粒子に多数のレプリコンが含有される可能性も考えられます。レプリコン疑似ウイルスの宿主域も広いためほとんどの哺乳類に感染拡大するリスクも考えられます。
細胞から感染性粒子、つまりレプリコン疑似ウイルスが放出される可能性は、このようにかなり高いと思われます。個体間伝播がないことが証明できるまでは、この種のレプリコンワクチンのヒトへの接種は決して行うべきではありません。これが結論です。
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