「ダーク・ブルー」 真保裕一著 | 50代からの読書

50代からの読書

子どもの頃から本が好き。若い頃はおもしろいと思えなかった本も今なら感動することもあり、読書を通して自分の変化を感じます。読書の記録を通して、50代の心の一端を残してみます。

 

 逃げ場のない海で

 

 

有人潜水調査船が活躍する、深い深い海の底が舞台です。

物語の展開に合わせて、深海がどんなところか、潜水調査船はどんなものなのか、調査する人にはどんな苦労があるのかなど、深海調査の基本情報も知ることができます。

 

けれど話の中心は調査ではなく、この調査船を乗っ取り深海に潜ってとある目的を果たそうとする乱暴なシージャックたちとの戦い。

中盤まではシージャック対乗組員という構図に大きな変化が加わることもなく、ドキドキするような展開を想像することもできず、でしたが、その後状況が急展開、終盤は止まれず一気読みで終わりました。

 

キャラクターの描き方、人間関係の複雑さ、自然の厳しさなどいろんな要素が混ざって読み応えがあり、ハッピーエンドと言える終わり方なので読後もスッキリです。

 

 

 

真保裕一

1961年、東京都生まれ