昨年の九響定期のプログラム「春の祭典」について色々読んでいると、初演の指揮を担当したモントゥーが、初演の50周年を記念してロンドン響を振った話がありました。
既に88歳のマエストロは、ストラヴィンスキーと共にスタンディングオベーションを受け、ストラヴィンスキーは「モントゥーは50年前と全く同じように振った」と驚嘆したとのこと。
もっとも、モントゥーは確かにこの曲のスキャンダラスな初演をはじめ、ストラヴィンスキーの多くの作品を振ったものの、かと言って偏愛したわけではなかったらしいです。
モントゥーが偏愛して止まなかったのは、ご存知のようにブラームス。
第2交響曲は商業録音だけでも4回録音しているはず。
現代の指揮者なら有りうることかも知れませんが、まだ蓄音機の誕生する前に生まれた世代としては、これはスゴいことだと思います。
(勿論、長命だったこともありますが)

ジャック・ティボーと
弦楽器奏者としてスタートしたモントゥーは、1893年にブラームス自身が出席したコンサートで彼のカルテットを弾き、ブラームスは「フランス人の方が私の音楽を正しく弾いてくれるようだ。ドイツ人はあまりに重々しく弾き過ぎる」と評したとのこと。
このブラームスの発言は、カルテットに限ったものなのか、それとも彼の作品全般についてのものであったのか?
後者なら、フルトヴェングラーやクナッパーツブッシュの振るブラームスは、「重々し」すぎるのかも知れませんね(^^)
今日はモントゥーがBBCノーザン響を振った第3交響曲を

1962年のライブですから、マエストロは87歳!
しかし、些かも衰えを感じさせないのは見事!
これでオケがロンドン響なら、というのは贅沢過ぎるかも知れません。
亡くなる直前にドリス夫人に残した最後の言葉はあまりにも有名です:
「あの世でブラームスに会ったら、私が彼の美しい音楽を振ってきたやり方を詫びねばなるまい」。
あなたほどの素晴らしいブラームスを聴かせてくれた方がブラームスに詫びたとすれば、一体何人の他の音楽家が詫びなければならないことか!(爆)
