昨晩は九響の定期演奏会に。


演目と出演者は以下の通り


オッテンザマーのモーツァルトの協奏曲は、もちろん聴き逃せないのですが、若きマエストロに注目。

既に日本のいくつかのオケで振っているんですが、かなりの好評(殊に奏者から)。

そんなわけで、私もそういうことを頭の片隅に置きながら聴きました。


で…


いや、この指揮者、本当にスゴい!

とにかく、明晰なことこの上ないし、神経の細やかさはその表情の付け方にも表れていました。

モーツァルトの協奏曲は、もちろんオッテンザマーが主役だし、その魅力を存分に発揮していました。
特に奇跡的とも言えるピアニッシモは、他の奏者では聴いたことがないほど!
それをいとも簡単に、まるでクラリネットが身体の一部であるかのようにやってのけてしまうのだから、もう脱帽。

オッテンザマー家、恐るべし!


そして素晴らしいのは、そのピアニッシモに負けないくらいのピアニッシモで伴奏した九響。

よく協奏曲では、指揮者がほとんどソリストにお任せと言わんばかりに、拍だけを振るような光景を目にしますが、この若きマエストロは全くそういうことはなく、いかにソリストのピアニッシモに見あったピアニッシモもオケから引き出そうかと、細やかに指示を出していました。


後半はストラヴィンスキー。

まずは近年発見されたリムスキー=コルサコフ追悼の為に書かれた「葬送の歌」。

サロネン&フィルハーモニア管の来日公演が日本では初演とのことですが、日本のオケでは今回が初めてではないかとのことでした。

まだ後年のストラヴィンスキーの域には達していませんが、半音階で蠢くコントラバスで始まるあたりは、「火の鳥」を予感させますし、新ウィーン楽派の初期の作品群にも通じるところがあるというのが個人的な印象。


その後にその「火の鳥」(1919年版)。

なんとこの一番メジャーな1919年版による「火の鳥」は、九響は主催公演では初めて演奏するとか!

しかしそんなことはお構い無く、九響は今回も大いにその能力を発揮してくれました。

指揮者が求める緻密なアンサンブルもさることながら、子守唄でのFgの山下さんの蠱惑的なソロ、「カスチェイ」でのTbの高井さんのグリッサンドなど、個々のプレーヤーの技を思う存分堪能させてくれました。

終演後は、もちろんブラーヴォ!


相変わらず小泉監督以外の公演は集客に苦労する九響ですが、昨晩の演奏を聴けた方は、チケット代を倍払ってもいいくらいの感動と満足を手にしたのではないでしょうか?


なお次回の九響の主催公演は


ベタベタな名曲ですが、こちらは曲目、指揮者、ソリストも含めて集客は問題無さそうです(笑)

2017年はイタリアの名指揮者、ヴィクトル・デ=サーバタの没後50年だったとのこと。

この人は心臓を病み、既に1950年代半ばには実質的に引退していたので、音楽家としてのキャリアと生涯とはギャップがあります。

それはともかく、今はユニヴァーサル傘下にあるDGとDeccaに残した録音を一纏めにして発売してくれたのは、有り難い話です。


《CD 1》
1) ブラームス 交響曲第4番ホ短調
2) R.シュトラウス 死と変容

ベルリン・フィル


《CD 2》
1) シベリウス エン・サガ
2) ヴェルディ 『アイーダ』より前奏曲*
3) ワーグナー 『トリスタンとイゾルデ』より第1幕への前奏曲と「愛の死」
4) コダーイ ガランタ舞曲
5) レスピーギ ローマの祭り*

ロンドン・フィル(1)
ベルリン・フィル(2-5)


《CD 3》
モーツァルト レクイエム*

ピア・タッシナーリ(S)
エベ・スティニャーニ(Ms)
フェルッチョ・タリアヴィーニ(T)
イタロ・ターヨ(Bs)
イタリア放送管弦楽団・合唱団


《CD 4》
1) ベートーヴェン 交響曲第3番
2) ベルリオーズ ローマの謝肉祭
3) シベリウス 悲しきワルツ
4) ワーグナー ワルキューレの騎行

ロンドン・フィル


*DG初CD化


ヴィクトル・デ=サーバタ

【録音】
1939年、ベルリン(CD 1, CD 2: 2-5)
1946年、ロンドン(CD 2: 1, CD 4)
1941年、ローマ(CD 3)


ブラームスの第4交響曲は昔から名盤の一つとされてました。
DGからも度々LP&CD化されており、馴染み深い方も多いかと。

ただそれでもDG初CD化が意外に多いのには驚きました。

モーツァルトのレクイエムについては、ワーナー傘下のチェトラからCD化されており、私も所有してます。
彼の指揮もさることながら、あの偉大なテノール、タリアヴィーニがどういう歌唱をしてるのかという興味もありました。


時々ライブでブチ切れたときのサーバタを期待するとちょっと肩透かしを喰いますが、それでも貴重な遺産であることにはかわりありません。

なお、ブックレットには彼の息子と娘(因みに夫は指揮者のチェッカート)へのインタビューもあり、なかなか興味深いです。

19世紀生まれの指揮者の多くがそうであるように、作曲家でもあったことは知られてますが、奏者としてもなかなかのものだったらしく、娘さんによると、彼はラヴェルの「夜のガスパール」の「スカルボ」を弾いたり、あるいはブラームスの弦楽四重奏曲を4つのパート全てを自ら弾いてプライベートで録音したりしてたそうです!

ほんと、化け物のような人です。

昨日は九響のコンサートに行ってきました。


定期演奏会以外のシリーズである「天神でクラシック」シリーズ。

もっとも定期演奏会が行われるアクロス福岡も、そして「天神でクラシック」が行われるFFGホール(福岡銀行本店ホール)も、ともに住所は天神なのだが(^^)

因みにアクロスの方は、響きの豊かなシューボックスタイプのホールなのに比して、こちらの福岡銀行のホールの方は昔ながらの扇型の響きのデッドなホール。


演目は、先月のブルックナーの第5交響曲とはうってかわって、いわゆるポピュラーコンサート的なもの。

どちらかというと、学校とかへのアウトリーチ的な演目で、これをオケの主催公演にもってくるというのもなかなか珍しいと思います。
逆に言うと、あまりに有名過ぎて、プロオケの団員さんの場合、演奏するのが久しぶりという作品もあるかも。

指揮者の佐藤さんは九響初登場。
現在は札響の指揮者を務められているんですね。

なお、九響は不思議と道産子の団員さんが多く、名前ほど九州出身者が独占しているわけではありません。
まぁ、オケの世界は完全に買い手市場だから、オーディションともなれば全国から応募が殺到するわけで、昔に比べれば出身地に偏りが出にくくなっているのかも知れませんね。

演奏内容は、それこそアマチュアやプロの吹奏楽団が取り上げるような作品が並びますが、プロオケがやるとやはり段違いに出来が違いますね。
もちろん弦が加わることによる厚みもさることながら、ブラスセクションの奏者の技量が段違い。

金管の方は特にお疲れさまですが、今日は場所を北九州に移して公演。

ひとつひとつは短いけど、パワーの求められるプログラムなので、本当にお疲れさまです。

なお次回は定期演奏会で演目はこんな感じ


オッテンザマーが登場しますo(^o^)o