今日はさすらいの指揮者、ホーレンシュタインによるブラームスの第1交響曲を♪
この人は何度も書いてますように、大戦前にフルトヴェングラーの推薦でデュッセルドルフ歌劇場の音楽総監督を務めた以外、常任のポストを持たずに40年近くをフリーランスで過ごした名匠。
練習が恐ろしく厳しかったことが原因とも言われてますが、ほんとうのところは不明です。
メジャー・レーベルへの録音も10点ほどで、他はマイナー・レーベルやライブ録音がほとんど。
その中で、ブラームスの交響曲に関しては第4番の録音が未だに登場していません。
第1番に関しては以下の3種類が存在します

フランス国立管(1957年、ライブ)

南西ドイツ放送響(1958年、Vox社への録音)

ロンドン響(1962年、リーダース・ダイジェストへの録音)
というわけで、ホーレンシュタインが60歳の頃の比較的近接した時期に、国籍の全く異なるオケとの録音が残されたということになります。
音質はこの順番に良くなります。
フランス国立管盤は、ライブなのでやはりそれなりの音質です。
Voxにはホーレンシュタインは大量の録音を残していて、それなりに出来不出来がありますが、この曲は出来の良い部類に入るかと思います。
いずれも共通しているのは、第1楽章冒頭の序奏が、昨今流行りのサラッとしたものやせっかちなものではなく、かといってフルトヴェングラー的な苦悩に満ちたものでもなく、穏当なものであること。
いずれの楽章も、スコアに書いてある以上の大きなテンポの変化はありません。
しかし、特に終楽章のここぞというところのタメ、あるいはコーダのコラールでテンポを落としてじっくりと鳴らせたりするところなんかは、師匠にあたるフルトヴェングラーを彷彿とさせるものがあります。
特にフランス国立管との録音は、ライブということもあり、他の2種と比べても味付けは濃い目です。
それにしても、この人に一番合いそうな第4番の録音が未だに登場していないのが不思議です。

