遂に待っていたCDが届きました


イヴォンヌ・ルフェビュールの録音集。


初出正規音源を含む24枚組の豪華美麗BOXで、初回限定生産らしく、タワーレコードでは早々に予約が打ち切られてました。


ルフェビュールは1898年に生まれ、1986年に亡くなったフランスの女流ピアニスト。

現役ピアニストとしてはもちろんですが、優れた教師として知られたことからも判るように、決して録音に恵まれた人ではありません。


このBOXは彼女の残した全ての録音を大方カバーしていると思います。
EMIやCBSの録音、そして多くの放送音源も含まれてます。


彼女の録音としていの一番に挙げられるのは、1954年のスイスはルガーノにおける、フルトヴェングラー&ベルリン・フィルによるモーツァルトのK466の協奏曲だと思います(このBOXにも含まれています)。

両者唯一の録音であり、フルトヴェングラーにとってもこの協奏曲の唯一の録音。
半年後にはこの世にはいなくなるフルトヴェングラーの枯れた、しかし芯の部分はなおも炎がたぎっているかのようなモーツァルトは、モーツァルト指揮者としてはあまり評価されないフルトヴェングラーの録音の中にあって、ザルツブルク音楽祭における「ドン・ジョヴァンニ」と並んで、昔から高い評価を受けてきました。

ちなみにこの演奏会の当初のソリストはエトヴィン・フィッシャーだったのですが、急病のためキャンセルとなり、代役にコンラート・ハンゼンに打診されたものの、これも不可能で、ルフェビュールにお鉢が回ってきたらしいです。


あとは仏EMIへの録音からだと、ベートーヴェンの後期のピアノ・ソナタが有名なところでしょうか。

また高速テンポのベートーヴェンの「ハンマークラヴィーア」も好きな方は多いかと。


今回のBOXでの初出音源では、デルヴォーが伴奏したシューマンの協奏曲とモーツァルトのK466の協奏曲(ちなみに他にカザルス指揮の録音も含まれているので、フルトヴェングラーとのものも含め3種類の録音が収められてます)、ジョルジュ・セバスティアンの伴奏によるシューマンの協奏曲、アンセルメの伴奏によるラヴェルの協奏曲など、ヒストリカル録音のファンには堪らないプログラムがズラリ。


それにしても、20世紀前半のフランスのピアノ界は、ドイツとは対照的に女流ピアニストが綺羅星の如く活躍してますね。

大御所的なブーランジェ(彼女は指揮者、作曲家、教育者としてまさにマルチタレントな人)、ロン・ティボー・コンクールに名を残すマルグリット・ロン、マルセル・メイエ、モニク・アースetc.

むしろコルトーやナットといった男性ピアニストが霞むくらいです(^^)


なおブックレットには、彼女の詳細な解説、CDに含まれてるインタビューを活字に起こしたもの、そしてカザルス、フルトヴェングラー、パレーとの写真が掲載されていて、フルトヴェングラー・ファンの私もフルトヴェングラーとの写真は初めて見ました!


店頭で見かけたり、在庫があるネットショップがありましら、是非確保されることをお薦めしたい素晴らしいBOXです(^-^)

昨日は東日本は大きな地震があったようですね。

私は出勤時間が早いので、まだその段階では地震が起きておらず、しかも職場は外部の情報が遮断されているところなので、知ったのはお昼休みになってから。

まだまだあの大震災は終わってないという感じですね。


さて、今日は往年のイタリアの名匠アルベルト・エレーデが指揮した「リゴレット」を♪


1909年生まれですから、カラヤンよりは1歳下ということになりますが、亡くなったのが2001年なので、恐ろしく長命でした。


スイスでワインガルトナー、ドレスデンでブッシュに学ぶという、イタリア人にしては珍しく独墺系の巨匠の薫陶を受けたことが、後年ライン・ドイツ・オペラの音楽総監督に務めたことにもつながったかも知れないです。

ナチスを逃れたブッシュの要請で、グラインドボーン音楽祭にも登場しています。

その後はトリノRAIのオケの指揮者を務め、1950年にはルドルフ・ビングの招きでメトロポリタン歌劇場のイタリア・オペラのシェフに着任します。

またウィーン国立歌劇場、ミラノ・スカラ座、コヴェントガーデン、ベルリン市立歌劇場にも客演するなど、オペラ指揮者として大活躍しています。

そして、遂には1968年にワーグナーの本場バイロイトにまで出演を果たしており、オペラなら何でも来いという感じです。


そんなエレーデが指揮した「リゴレット」と言えば、こちらがあまりにも有名ですね


リゴレット…プロッティ
ジルダ…ギューデン
マントヴァ公爵…デル=モナコ
スパラフチーレ…シエピ
マッダレーナ…シミオナート


今日では、これほどの歌手を揃えた録音は成立し得ないと言えるほど素晴らしい歌手を揃えた名盤です。
1954年の録音なので、もう少し遅ければステレオで録音できたのではと惜しまれます。


今日聴いたのはそれより3年前の1951年12月8日のニューヨークのメトロポリタン歌劇場でのライブ


リゴレット…ウォーレン
ジルダ…ギューデン
マントヴァ公爵…タッカー
スパラフチーレ…ペルネルシュトルファー
マッダレーナ…マデイラ


ギューデンとペルネルシュトルファーはウィーンからの客演。

ウィーン国立歌劇場の名脇役であったペルネルシュトルファーのスパラフチーレは、他に録音が無かったのでは?

ギューデンはこの年がメトロポリタン歌劇場へのデビューでした。

当時のウィーン国立歌劇場は、まだ全てのオペラがドイツ語歌唱で、当然「リゴレット」もドイツ語で歌われてましたが、両者ともメトではイタリア語歌唱をこなしています。

そして、ウォーレンとタッカーというメトの誇るスター歌手、さらにカルメン歌いとして人気のあったマデイラと、迎える側も豪華なもの。


まだこの時代なので、トラディショナルなカットは存在しますが、音質もそこそこだし悪くないです。
それにライブならではの観客の熱気が伝わって来ます。

ギューデンの歌う「慕わしき御名は」の後ではやんやの喝采。

またウォーレンの歌も、歌唱で芝居をするように表情の付け方が実に巧みです。

とどめは、タッカーの歌う「女心の歌」。
もうほんとうに気持ち良さそうに歌うのに、惚れ惚れしてしまいます。


昨今の演出ありきで、もはや演出家の功名争いの場に堕しているオペラに辟易している私なんかには、歌中心・音楽中心だったこの時代の演奏がしっくりきます。

懐古趣味と言われればそれまでですが、ここには現代では失われた何かがあると感じるのは、私だけでしょうか?

ここのところ、体調不良や仕事の都合で行けなかった九響の定期演奏会に行ってきました。


プログラムは以下の通り


小生のブログをお訪ね下さっているかたは「気でも違ったか?  フランス物ばかりだぞ」と、私のフランス物苦手意識をご存知かも(苦笑)

ただ、ラヴェルやフォーレは割と好きだし、フランクは大好き(厳密にはベルギーの人だけど)。

フランセなんかも、器楽の妙味を楽しむという意味では、20世紀の作曲家ではヒンデミットと双璧かと。


開演前


この日の午前中に地震があったので、1本1000万円のシャンデリアが落下してきたら、即死だななどとつまらないことを考えてました。


冒頭はドヒュッシー編曲によるサティ。
個人的に好んでは絶対に聴かない「最悪の」組み合わせ(笑)

しかしまぁ九響の木管セクションは、実に美しい。
ドヒュッシーやサティが苦手な私でも、その音色の絶妙さには脱帽。


個人的にこの日の聴き物だったフランセのクラリネット協奏曲。

ソリストは、福岡と姉妹都市のボルドーのオケの奏者とのこと。
この人がこれまた信じがたいほどに上手いこと!

この協奏曲は、ほんのわずかなトゥッティの部分を除いて、ソロがほぼ出ずっぱりで、しかも要求する技巧・音高は最高度のものだと思います。
手元にスコアがないのでなんとも言えませんが、特殊奏法も用いられているはず。

知り合いのオケの奏者が仰ってましたが、伴奏するオケの譜面もこれまた難しいらしく、「素晴らしい作品だけど、頻繁に演奏されないはずだわ」と、妙に得心。


後半の「ダフクロ」は、全曲版を生で聴いたのは初めてです。
大抵かかるのは、第2組曲ですよね。

やっぱり一番うける部分だし、合唱無しでもやれるから、経済的にも倹約できるし(笑)

広上さんはご存知の跳躍も含めた身体全体を使った指揮で、オケを必死にリード。

個人的には苦手な指揮者ですが、この日は大丈夫でした(^^)

とにかくラヴェルらしいというか、フランスの多くの作曲家と同じく管楽器の出来不出来が左右する作品だけに、九響の管楽器の健闘ぶりにはあっぱれです。

ブルックナーなどとはまた違う意味で、その管楽器の下支え&伴奏に徹する弦楽器の方々はどういう気持ちなのかしら?(笑)


なお、次回の来月に行われる定期演奏会のメインはショスタコ。


苦手な作曲家が続く(^-^;)