私にしては珍しく、テンシュテットがEMIに残したマーラー以外の録音を集めたBOXを久しぶりに聴きました


テンシュテットは私はほぼ評価してない指揮者です。

指揮者の情念だけが上滑りして、大抵はオケがついていけてないというか…

はまった時はスゴいんでしょうが、その確率はかなり低い。

以前にも書きましたが、東ドイツから西側に亡命した後、北ドイツ放送響やウィーン・フィルというドイツ語圏のオケと次々と喧嘩したあたり、楽員とのコミュニケーション能力に欠け、そこが指揮者の情念の一方通行になったのかな?と勝手に想像してます。

このBOXに収められたものは、まだスタジオ録音なので、マシなほうだとは思いますが。


ただ、やはり同じBOXに入っていても、ベルリン・フィルとロンドン・フィルのレベルの差は否定し難いものがあります。

テンシュテットは生前「カラヤンが、ベルリン・フィルで重なるレパートリーを録音することを許してくれた唯一の指揮者」みたいに自画自賛してましたが、それはカラヤンが己の敵になるレベルではないという意図だったのではと私は思います。

シューマンの第4交響曲の録音を聴くと、カラヤンや前任のフルトヴェングラーのものとはやはり差が有りすぎます。


また、この一連のBOXの録音を通じて、ティンパニの録られかたがイマイチで、そこも残念( ´△`)

ワーグナーの録音も腑抜けたもの。


よりテンシュテットとしては出来のいいワーグナーをというかたには、こちらのロンドン・フィルとのライブのほうが良いと思います。


殆どテンシュテットの悪口になってしまいましたが(苦笑)

フォローではないですが、コダーイの「ハーリ・ヤーノシュ」とプロコフィエフの「キージェ中尉」は、私でも良いと思いました。

ていうか、全くフォローになってませんね(笑)



今日はフルトヴェングラーの誕生日♪

風が強く吹き、時おり小雪の舞う今日の福岡。

さて、随分前にご紹介したDGのモノラル録音50枚組のBOX。

初CD化の録音も多数含まれていて、ヒストリカルファンには垂涎のBOX。



そのなかでも、特に興味深く聴いたのが、ブロニスワフ・ギンペルをソリストに迎え、フリッツ・リーガー指揮のミュンヘン・フィルが伴奏したラロのスペイン交響曲。

1956年の録音なのですから、そろそろステレオで録音されてもいいという時期です。


ブロニスワフ・ギンペル


兄弟にはピアニストのヤーコブがいるポーランドのヴァイオリニスト。

ナチスを逃れてアメリカに移った人です。

Voxレーベルやオイロディスクなどに多少録音が有りましたが、同時代のヴァイオリニストと比べると、録音に恵まれているとは言えず、このスペイン交響曲の録音も今回が初CD化。

当時の慣習としては珍しく、第3楽章がカットされずに録音されています。


伴奏はフリッツ・リーガー

プラハのドイツ劇場のカペルマイスターを務め、大戦中はブレーメン歌劇場の音楽総監督、戦後はマンハイムの国民劇場の音楽総監督を務めた後、ハンス・ロスバウトの後任として1949年よりミュンヘン・フィルの音楽監督に着任、以後ルドルフ・ケンペに後任を譲る1966年まで、長期政権を敷きました。

ただ、このリーガーの時代はお世辞にも録音に恵まれているとは言えません。

特に戦後のミュンヘンには、占領軍の莫大な資金援助を受けたヨッフムが忽ちドイツ屈指のオケに育て上げたバイエルン放送響と、巨匠クナッパーツブッシュが実質的なボスとも言えたバイエルン国立歌劇場がそびえ立ち、資金的にもミュンヘン・フィルはかなり苦しかったとのこと。

それでもリーガーはこのオケの水準を維持することに成功しています。


ドイツ(オーストリア)人の指揮者とポーランドのヴァイオリニストによる「スペイン交響曲」という、なかなか風変わりな組み合わせをお楽しみ下さい。


なお、余白にはドヴォルザークの「スラヴ舞曲」から数曲が収録されています。