久しぶりにベルクの「ヴォツェック」を聴きました♪

ヴォツェック…フランツ・グルントヘーバー(バリトン)
マリー…ヴァルトラウト・マイアー(メッツォ・ソプラノ)
大尉…グレアム・クラーク(テノール)
医者…ギュンター・フォン・カンネン(バス)
鼓手長…マーク・ベイカー(テノール)
アンドレス…エントリク・ヴォトリヒ(テノール)
第1の徒弟職人…ジークフリート・フォーゲル(バス)
第2の徒弟職人…ローマン・トレケル(バリトン)
白痴…ペーター・メンツェル(テノール)
マルグレート…ダリア・シェヒター(アルト)
ベルリン国立歌劇場合唱団
合唱指揮:エルンスト・ストイ
ベルリン国立歌劇場管
指揮:ダニエル・バレンボイム
1996年の録音。
シェロー演出による映像も出ていますが、私は音と声だけで(^^)
以前にも書いたんですが、「ヴォツェック」とマーラーの「大地の歌」は、こちらの体調がよほどいいときでないと聴けない作品です。
内容が内容だけに、とにかく鬱な気分になってしまいます。
「大地の歌」のほうは、終楽章の音楽もさることながら、歌詞の空虚感が半端じゃないし。
あれは、漢詩の訳とされる歌詞の内容もそうだし、用いられているドイツ語の語感もあると思います。
これに対して、「ヴォツェック」のほうは純粋にやりきれないストーリーにやられてしまいます。
音楽は、ベートーヴェンの「田園」やシュトラウスの「ばらの騎士」のオックスのワルツのモティーフが恐らくは意図的にちりばめられながら、ベルクらしい精緻な音楽です。
それだけに、ストーリーのやりようのなさを際だたせていると思います。
バイロイトの常連であるマイアーのマリーもさることながら、タイトルロールを歌うグルントヘーバーのこなれた歌唱はさすがです。
私はウィーンに留学してたときに、彼が歌うやはりベルクの「ルル」のシェーン博士を聴きました。
ワーグナーなんかより演技も求められる作品ながら、歌唱を疎かにしない姿勢はさすがでした。
今では年齢もあり、「ルル」ではシェーン博士よりもシゴルヒ役を歌っているようですね。
この役はかつて晩年のハンス・ホッターも歌っており、いわば退役前に歌う役なのかも。
またこのウィーンで聴いた「ルル」でタイトルロールを歌ったのは、当時はまだ無名に近かったマーリス・ペーターゼン。
今では世界各地の名門歌劇場で歌う彼女ですが、当時はまだウィーン国立歌劇場に初登場という頃。
ただ、とってもファン対応に親切な方で、楽屋口で挨拶して写真を撮ってくれたり、後日ブロマイド入りのお手紙まで頂戴しました(^-^)
話が脱線してしまいましたが、このバレンボイムの「ヴォツェック」。
精密極まりないという点では、ライブということもあり、多少の乱れはあります。
ただやはりこの人の音楽らしく、より劇的にまとめようとしています。
むしろ劇的なところなく淡々と演奏することで、逆にこの作品のグロテスクさを描き出すのも一つの行き方だと思いますし、その辺りは好みが分かれるかと思います。
それにしても、やはり鬱な気分にさせてくれる作品。
またしばらく封印だな(苦笑)


