金曜日は九響の定期演奏会に行ってきました。

プログラムと出演者は以下の通り


ストラヴィンスキーのVn協奏曲は、九響では初登場。

フランクの交響曲はなんと17年ぶり!!
名曲なのに意外。


まずはロビーコンサートが贅沢☆


もはやロビーコンサートの域を超えた出演人数。

20番のアリアをホルンの岡本さんが、65番のアリアをトロンボーンの髙井さんが担当するというもの。

昨今は、バッハはピリオドオケでやるものというのが当たり前になってしまい、モダンオケのバッハなんか下手すると白眼視されかねないですが、私はそういう風潮が大嫌いで、いまでも「マタイ」はクレンペラーやヨッフムのものが至高の演奏だと思ってます。
(別にピリオドを聴いてないわけではなく、純粋に感銘度の高さが違うだけ)。

実際に九響のメンバーによる抜粋の、しかも歌を楽器に置き換えたバージョンでも、全然通用するじゃんと改めて確信。


さて、本編の方なのですが、その前に…

前回のコンサートで(定期演奏会ではありません)、客席から数回にわたりアラームが鳴るという、これは聴き手側の大失態があったらしく、対策として開演前に電源を切るようにお願いする立て看板が、上手・下手に2本立てられてました。
さらに、場内アナウンスでもいつもよりも多く注意喚起されてました。

福岡の人間としては恥ずかしい話ですが、折角九響がハイレベルな演奏をしても、聴衆(の一部)がこれでは台無しですからね。

幸い昨日は、上記の対策の効果があったのか、そのような不快な電子音は鳴りませんでした(^^)


今回のマエストロは、日本各地のオケに客演してますが、九響には初登場。

弦の出身ということもあり、弦楽器の歌わせかたにはなかなかのものを感じました。

他方でいわゆるイタリア系の爆裂タイプではなく、影響を受けたというファビオ・ルイージのような理知的な音楽作りをする指揮者だなというのが、コンサートを通じての感想。


あと、思いがけない拾い物というか見つけものは、協奏曲のソリスト。

切れ味が鋭くて、これはなかなか手強いヴァイオリニストだなと感じました。
この人でハチャトゥリアンの協奏曲なんかやったら、きっとかなり面白いだろうと思いました。

フランクの交響曲は、冒頭でも書きましたが、九響ではすごい久しぶり。
敬遠していたわけではないのでしょうが、いままでやらなかったのが勿体無いと思えるくらいの佳演。

第1楽章は、ブリッジに使われる木管のソロの巧さもさることながら、トロンボーンとチューバによるパワーの強烈なこと。
よく響くホールだけに、余計にそう感じました。
ましてや、曲そのものが部厚い和音で作られた楽章なので、なおさらです。

第2楽章は、コールアングレ担当の小林さんが、決して情緒的にならないソロを披露してくれて、とても心地好かったです。
弦の細かな動きも繊細でお見事!


第3楽章は、第1楽章とは対照的にカンタービレ。
第1主題はチェロのパートソロで始まりますが、指揮者の指示なのか、首席の長谷川さん率いるチェロ部隊は見事なカンタービレによる第1楽章を披露してくれ、それに続く各パートも健闘。
特にトランペットとコルネットの輝かしい響きは、この曲の締め括りに相応しい華々しいものでした。

客の入りがイマイチで残念ではありましたが、もちろん手を抜くことの一切ない熱演を披露してくれ、満足度は高い定期演奏会でした。


次回の第362回定期演奏会は、小泉音楽監督自らのタクトにより、メンデルスゾーンの第5交響曲と、オルフの「カルミナ・ブラーナ」。

メンデルスゾーンは、昨年の「スコットランド」に続き今年も登場。

「カルミナ」は丁度5年前に現田さんの指揮で演奏されています。

チケットも残りは僅少らしいので、お聴きになりたい方はお早めに。

なお、小泉さんの2019年からのさらに2年間の契約延長も決まり、喜ばしいです♪

台風一過の朝は、きれいな青空でした(^-^)


以前に九響の定期に向けてシューマンの「ライン」をあれこれと聴いてましたが、やはりこの録音に戻ってきます。


ロベルト・ヘーガー&バンベルク響

1960年代の録音。

ヘーガーは1886年生まれでフルトヴェングラーと同い年なので、既に70歳を過ぎ80歳に届こうかという時期の録音です。



ヘーガーは今日では稀になったオペラ畑の長い指揮者。

プフィッツナーやシリングスのもとで学び、ウィーン国立歌劇場、バイエルン国立歌劇場の指揮者を経て、1933年から1945年までベルリン国立歌劇場の指揮者を務めています。

このベルリン時代の録音が有りがたいことに残っており、「ローエングリン」、「トリスタン」、「リゴレット」の全曲録音があります。

戦後は1950年までベルリン市立歌劇場の音楽総監督代理を務めた後に、古巣のバイエルン国立歌劇場の首席指揮者として歴代の音楽総監督を支える立場にありました。

またウィーン国立歌劇場への客演を重ねたほか、バイロイト音楽祭にも登場するなど、まさにオペラを知悉した人でした。

ただ、その分だけ交響曲の録音は少なく、この「ライン」の録音は極めて貴重なものです。


特徴的なのは、第1楽章の極端なまでのスローテンポです。
クレンペラーやチェリビダッケなどと比べても、この楽章に関してはスローで、堂々たるものがあります。

他方でトスカニーニやセルをはじめとするこの時代の指揮者らしく、シューマンのスコアに手が加えられています。

ヘーガー自身作曲もしていて、自作をバイエルン国立歌劇場で上演するくらいの腕前の人でしたから、やはりシューマンのスコアに手を入れたくなる気持ちは分かります(笑)

残念ながら、この録音はCD初期に復刻されたきり、全く出てくる様子はありません。

ヘーガーの日本での知名度を考えると、今後も期待できないかなぁ…

届いてしまった、ゼルキンのコンプリートBOX


届くときは重なるものですね。

自分で注文していたとはいえ、財布と通帳を見て溜め息(苦笑)


ゼルキンがコロンビアに残した録音の全てを75枚のCDに纏めたもので、息子のピーターも全面協力とのこと。

彼の録音の大半はこのレーベルによるものなので、若い頃のEMIや、晩年のDGやテラークなどの一部のレーベルへの録音を除いては、あらかたこのBOXで賄えるという訳です。

SP時代やLP初期の録音は、未だに纏まった形でのCD化はされていなかったかと思うので、そういう意味でも有りがたいです。

「CDはカットしている音域があるので、LPじゃないとダメ!」というLP原理主義者の方にはお勧めしませんが(そういう方には「あなたの可聴音域も加齢とともに狭まってるので、どっこいどっこいですよ」と皮肉りたくなります(笑))、かといってこの全ての録音をLPで収拾するには途方もない時間と費用を要しますし、ましてSPともなればフォーマット自体が異なるので、こちらのCDを購入する方が合理的かと。

しかし、これだけ膨大な録音を残しながら、ついにベートーヴェンのピアノ・ソナタの全曲録音を果たせなかったのは、一大痛恨事ですね。

芸術家の完璧主義は理解できますが、一聴き手としては、やはり「勿体ない」という感情が先にきます。
息子のピーターもまた完璧主義で、これまた厄介ですが(苦笑)

まぁ、そんな愚痴を言っても始まらないので、チビチビと聴いていこうと思います。