来年の九響の定期演奏会のメインは、オルフの「カルミナ・ブラーナ」。

20世紀のドイツ音楽で、今日でも繰り返し演奏される高い人気という点では、リヒャルト・シュトラウスとこの人くらいでしょうか?

初演は、1937年。

ベルティル・ヴェッツェルスベルガー指揮、フランクフルト歌劇場管によるものです。

スコアはショット社から出されてます。


史上初の全曲録音は、1952年のヨッフム&バイエルン放送響のもの



尤も、世間で未だにこの作品のファーストチョイスとされているヨッフムの録音は、後のベルリン・ドイツ・オペラ管との録音の方ですね。


それ以外にとなると、私の手元にあるCDでは、こちらが一番古いかと思います


レオポルト・ルートヴィヒ指揮、ウィーン国立歌劇場管。

1942年2月の本公演とゲネプロの録音をかき集めた断片的なものです。

この全24巻48枚のCDシリーズは1930年代から第二次大戦が終わるまでのウィーン国立歌劇場での公演をライブで収録したものです。

ただし、プライベートな形で当時の録音時間の短いディスクに録音したものなので、音質は劣悪ですし断片的なので、オペラ研究家か私のようなヒストリカル録音マニア以外には、ほぼ用無しだと思います。

この録音では、ゲネプロらしく、随所でプロンプターの声が飛んでます。
まぁ、初演から5年しか経っていないので、歌手もオケも不慣れなのでしょう。

また、この曲の本来の姿で演奏されたらしく、舞踊の足音が聞こえます。


この録音に次いで古いと思われるのが


シュミット=イッセルシュテット&ベルリン・ドイツ・オペラ管。

1944年7月の録音で、こちらもやはり断片的なものです。

ただし、上記の録音に比べると、ドイツ帝国放送の録音だけあって、音質は遥かに上です。

シュミット=イッセルシュテットは、結局生涯でこの曲の全曲録音を行ったのかしら?

なにはともあれ、古い録音を色々と引っ張り出してみました。

今度の九響の定期演奏会は、メインにオルフの「カルミナ・ブラーナ」を据え、前半はメンデルスゾーンの第5交響曲、いわゆる「宗教改革」を組んでます。

メンデルスゾーンの交響曲の中では、やはり「スコットランド」と「イタリア」が、もちろん作曲者の円熟もあり出来も良いですし、抜けた人気ですよね。

この第5交響曲(と言っても、作曲の順番は異なるが)は、それに次ぐ人気作品でしょうか?

とは言え、やはり私も聴くとなると「スコットランド」と「イタリア」に片寄ってしまいます。

そんなわけで予習も兼ねて聴きました


ミュンシュ&ボストン響

1957年の録音。


ミュンシュのメンデルスゾーンは、昔から定評のある録音の一つかと思います。

メンデルスゾーンも、そして若き日にはゲヴァントハウス管のコンマスであったミュンシュは、ライプツィヒという都市で縁がありますね。


録音のせいもあり、音圧はすごいものがあります。
またやはりこのオケは木管が素晴らしいですね~

あと、Wikiを見たら、チューバは本来はセルパンが当てられていたんですね。
スコアを持ってないので、勉強になりましたφ(..)

今日はこちら


イスラエル・フィル創立80周年を記念して発売されたBOX。

なかなかの素晴らしい内容&装丁でした。

ボーナスCDも含めて13枚組。

1981年から長期政権を敷いているメータの録音はもちろん、その他の指揮者やソリストの録音も含んでいます。


ご存知の通り、ナチスによる迫害を逃れたユダヤ系の音楽家を偉大なヴァイオリニストのフーベルマンが組織したのがこのオケの知り合いも淵源。

そういう性格もあり、このBOXに含まれている録音に登場する音楽家も、ユダヤ系の人が多いこと。

バーンスタイン、クリップス、モントゥー、クレツキ、マゼール、パールマン、ベルティーニ。

もちろん、メータやアバド、チェリビダッケ、マズアという非ユダヤ系の音楽家も含まれていますが、それにしても壮観ですね。

さらに同梱されているブックレットは、その歴史を物語る写真集のようです。

創設者のフーベルマンと賛同者のトスカニーニの写真から始まります。

ルービンシュタイン、シェリング、ペライア、メニューイン、オイストラフ、ハイフェッツ、スターン、ゼルキン、ミルシテイン、ギトリス、ズッカーマン、バレンボイム、ブロンフマン、スタインバーグ、ホーレンシュタイン、ショルティ…

いやはや、このように次々と出てくるソリストや指揮者がみなユダヤ系の人だと考えると、いかにクラシックの世界がユダヤ系の音楽家に支えられているか、改めて痛感します。

同時に、彼らを追放したり虐殺したナチスの愚行も、まことに恥ずべきことだと考えさせられました。

その裏返しで、言うまでもなくワーグナー作品は一切含まれていませんし、長年安定した関係を築いているメータが取り上げようとしても大騒動になるというのも、なんか悲しいですね。

もちろん、そういうデリケートで小難しい話は抜きにしても、十分に楽しめるBOXとなっています。