〔投資知識〕FXでテクニカル分析が通用しない5つの理由とは? | ファンダメンタルなアウトローのFX

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FXトレードの勝ち筋は「勝率を追うのでなく、優位性を
確保する」ことです。個人投資家にはファンダメンタル
分析が必要な時代になりました。AI技術も活用して、
個人がFXで勝てる時代が到来です!

 

 

 

 

  テクニカル分析(FX)の考え方

 

いっぱんに、FXトレードでテクニカル分析を扱う方は「機械的なトレード」を目指します。『感情を除外する』『トレードルールを守る』『ファンダメンタルは考えない』という方が多く、あるいは経済指標などを参考にするトレード手法をとる方もいるようです。

 

ですが根本にあるのは、確率(≒勝率)に依存したトレードシステムです。

この時点で本質的にトランプ・麻雀・サイコロ・ソーシャルゲームにあるガチャと同質なのです。トレードシステムに運ゲーを当てにいくという要素が取り込まれた時点で、リスキーなトレードといえるでしょう。

 

基本的に投資とは、不要なリスクを避けて利回りを追求する必要があるため、確率論に依存した手法が良いとはいえません。何しろ、多くの個人投資家にとって証拠金は将来の資産を作るために投じているはずですから。

 

 

テクニカル分析は、優れた予測手法であることは間違いありません。しかし投資法として考えてた場合、極めて欠陥が多くあります。この欠陥を乗り越えてトレードしなければ成功はおぼつきません。記事では「欠陥」について5つ紹介します。

 

 

 

 

 

  テクニカル分析で勝てなくなる5つの理由

 

 

❶ 負けたとき、その理由を説明できない

たとえば「80%の確率で勝てるテクニカル分析手法」があったとします。つまり5回に1回は負けることとなります。多くの個人トレーダーは、5戦4勝を永遠に繰り返せばお金持ちになれると思うでしょう。

 

しかし、そうは問屋が卸しません。

 

なぜなら、20%の負けを引いた時に「なぜ負けたのか?」を理解できないからです。負けた理由が分からないから、対策の立てようもなく、個人投資家として経験値を積み上げることもできません。そんなことを考えず、ひたすら確率に沿って行動すればいいという方もいるでしょう。

ですが「いつ負けるか分からない恐怖感」は、普通の人間には耐えられないものです。

 

分からないから恐怖するわけです。

もし想定した勝率がでなくなれば、本人はパニック状態に陥るはずです。上手くいかなくなる理由も分からないのですから!

 

 

 

❷ チャート(為替相場)の傾向は頻繁に変わる

チャートについてですが、値動きの性格・特徴は割と頻繁に変わります。誰もが、新しいトレード法や基準の変更をおこなうでしょう。負けると「次はこうしてみよう」となるものです。日々、次々と新たなトレード手法が投入され、相場の性格が変わると、それへの対策で次のトレード手法が投入されていきます。

 

つまり「チャートを当てる仕組みの鮮度は、極めて短い」ものです。トレードルールが詳細に決まっている手法(硬度が高い手法という)ほど短くなるでしょう。硬いものほど衝撃に弱いものです。頻繁に変更が必要なため、テクニカル分析は個人トレーダーには向きません。労力が大き過ぎるのです。

 

大きな欠点となるでしょう。

 

 

 

❸ そもそもテクニカル分析は装置産業です

テクニカル分析ではチャートにラインや雲が引かれ、それを活用します。ラインや雲は計算式により容易に求まります。こうした計算は、人間よりコンピュータの方が圧倒的に得意でしょう。自転車とロケットくらい計算速度は違います。

 

同じようにアルゴリズムにおける相場予測、システムトレードの性能もコンピュータやアルゴリズムの性能に左右されるわけです。

 

さて、個人投資家が用意した10万円のアルゴリズムと、ヘッジファンドが用意した1億円のアルゴリズム。同じ相場で稼働させるとどうなるでしょうか?計算速度、アルゴリズムの緻密さ、システムに入っている情報や知識量で個人が勝てるはずありません。

近年進んだトレードの自動化は、テクニカル分析を装置産業にしました。火縄銃と現代の銃火器で戦うようなものです。

 

効果的に利益を残すのは、極めて難しいと思います。

 

 

 

❹ 金融危機のたびにテクニカルトレーダーは一掃される

私は2007年のサブプライムローン事件から、なんども金融危機に接してきました。そこで気づいたことがあります。金融危機になるたびに、テクニカルトレーダー(仲良くなった方)がごっそり消えます。勝率100%と謳っていたトレーダーも消えます。

 

なぜ?」は私にとっても長年謎のままでした。

 

この答え、気づいてしまえば簡単です。

金融危機とは、分からないこと(想定外)、未知の出来事に遭遇しておこるものです。たとえば、今後中国が金融危機を迎えたとしましょう。おそらく不動産など融資が焦げ付いて金融危機になると思います。ここで考えてみてください「中国危機における被害総額は幾らになると思いますか?。おそらく想像もできない金額になるでしょう。誰にも分かりません。

 

テクニカル分析は確率で判断します。その確率とは「想定できることに対しての確率」なのです。分からない事について、確率で正しい判断することは不可能です。危ないから素早く逃げた方が良いという判断さえできないかも知れません。

 

多くの個人トレーダーは、危機に対処する準備などしていないでしょう。

『感情を殺してトレード』『ファンダメンタルは考えない』と考えている方ほど、逃げ切ることはできません。

 

 

 

❺ 相場を「当てにいく」のは最も難しい作業

そもそも論ですが、相場を当てるという行為は投資活動の中で最も難しいことです。一番難しいことに取り組むことで、トレードの利益効率は非常に悪くなるでしょう。勝った負けたが増えて燃費が悪くなるのです。

 

勝率にこだわって10銭抜きを繰り返すトレードも、多くのスプレッドを支払う羽目になり、利益流出は多くなります。つまり、投資で勝つことは「なるべく相場を当てる行為を避けることと同義」になります。その意味で、近年大流行しているオルカンなどの長期投資は効果的な投資法といえるでしょう(利回りは悪いが効率はよい)。

 

そしてテクニカル分析とは「相場を当てることを目的とした分析手法」なのです。これが大きな欠陥となります。確かに相場を当てることができる優れた予測手法なのですが、投資手法として考えた場合、問題が生じるのです。

 

 

 

 

  投資戦略の見地から個人投資家には向かない

 

テクニカル分析を使ったFXトレードは、個人投資家には向きません。より上位のシステムを持つ投資家に狩られてしまうだけだからです。それに「当てにいくトレード」を繰り返すのは、投資ではなくギャンブルの範疇です。

 

もし、貴方がかなり多額の金額を投じてアルゴリズムを構築する。あるいはコンピュータや数学で高い知識を持ち、独創的なアルゴリズムを理解できるなら可能性はあるでしょう。ですが、一般庶民が普通のトレードをする限り、優れたトレーダーに狩られて終わりです。

 

ゆえにテクニカル分析で、個人投資家が成功するには、おそらく理不尽なほどの運が必要となります。ですが、多くの個人投資家の多くは将来の資産形成を目的にFXトレードをおこなうのでしょう。FXの利回りに魅せられて。

 

資産形成が目的なら、FXで運ゲーはすべきではありません。

私どもFundalia(ファンダリア)が、長期間にわたってファンダメンタル分析を研究してきたのも、ファンダメンタル情報を発信してきたのも、個人投資家にテクニカル分析は合わないという考えがあったからでした

 

 

 

 

記事は以上です。

また次の記事でお会いしましょう!

Fundalia financial philosophy(FFP)