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前営業日の主な要人発言
2日10:34 豪準備銀行(RBA)議事要旨
「インフレの上振れリスクに引き続き警戒する必要性を示唆する情報がいくつかあった」
「インフレ期待はインフレ目標と一致していると判断された一方で、市場が示唆するリスクプレミアムの増加はインフレ期待がより広範に上昇するリスクが高いことを示唆」
「5月の会合以降に入手した総合データはインフレ率が2026年までに目標に戻るという評価を変えるには十分ではなかったとの認識で一致」
「インフレ率を目標に戻すことは引き続き理事会の最優先事項であり、その結果を達成するために必要な措置を講じる」
〔解説〕
RBAは利上げを考慮していることがわかります。利上げ確率は五分五分といった感じですが、素早く動くのがRBAの特徴です。7月に入って豪ドルが買われているのも、一部の投資家がそれを感じとっているからでしょう。
2日11:05 鈴木財務相
「為替の動きについて一つ一つコメントをしない」
「為替相場はいろいろな要因が絡み合い市場において決定される」
「為替市場の動きを注意深く見守っていく」
2日14:10 ウンシュ・ベルギー中銀総裁
「大きなマイナスサプライズがない限り、2回目の利下げの余地がある」
「予測からのわずかな逸脱は、この見解を劇的に変えるものではない」
「もう一度金利を引き下げるという決断は比較的容易だ」
「しかし、その後の動き(利下げ)はインフレ率が2%の目標に近づいた後にのみ行われるべき」
2日14:48 カザークス・ラトビア中銀総裁
「利下げのペースや規模はいつでも調整可能」
「インフレは2024年後半まで横ばいを予想」
「来年インフレ率を2%に戻す必要がある」
「市場での利下げ1-2回との予想、基本ラインと整合的」
2日15:34 レーン欧州中央銀行(ECB)専務理事兼チーフ・エコノミスト
「サービス価格のインフレは依然として重要」
「インフレを評価するには少し時間が必要」
「6月のインフレデータは我々の評価と一致しているようだ」
〔解説〕
更なる利下げを考えているようだが、その決断を下すにはもう少し情報が必要ということだろう。
2日15:39 クガニャゴ南ア準備銀行(SARB)総裁
「政策の焦点は物価安定」
「インフレ目標に回帰することに自信」
「新政権が中銀に影響を与えるとは予想せず」
2日15:42 デギンドス欧州中央銀行(ECB)副総裁
「あらかじめ決められた金利の道筋はない」
「今年のインフレは上下するだろう」
「今年前半よりも後半の方が経済は強くなる」
2日16:10 ミュラー・エストニア中銀総裁
「さらなる利下げには忍耐強くあるべき」
「ベースラインのままなら追加利下げもあり得る」
2日16:25 センテノ・ポルトガル中銀総裁
「インフレが2025年に2%となることに自信」
「成長評価についてはまだ躊躇している」
「我々の基本シナリオはかなり堅固であることが証明された」
2日16:51 グールズビー米シカゴ連銀総裁
「インフレ指標の改善が続いている」
「現在、米国の金利は引き締め的である」
「インフレが正常化すれば、金利も正常化するだろう」
「労働市場にいくつかの警告サイン」
「金利を長期間にわたって引き締め的な水準に保つことは問題」
3日00:14
「実体経済の減速を示す警告サインがいくつかある」
「今年のインフレ率上昇はほとんど一時的なもの、あるいは道半ばの障害のようだ」
「客観的にインフレ率は明らかに下がっている」
〔解説〕
ハト派的な発言でした。シカゴ連銀は五大湖周辺の製造業地域をかかえます。ゆえに地域経済を考えたら、金利は低いことが望ましい土地柄。こういう発言がでやすくなります。ウォラーFRB理事(タカ派)などとは明らかに対極にいます。
2日16:55 バスレ・スロベニア中銀総裁
「労働市場は引き続きタイト」
「予想通り進むなら、追加利下げの可能性」
2日17:48 神田財務官
「最近の為替の動きは投機的な動きの兆候を示している」
「金利が上昇するにつれて、格下げのリスクに注意しなければならない」
〔解説〕
投機的な動きと表現したことは為替介入への下敷きとなるでしょう。介入の要件ですから。たしかに格下げリスクが日本にはあり、格下げとなれば日本の長期金利は上昇するでしょう。
2日21:44 シムカス・リトアニア中銀総裁
「欧州中央銀行(ECB)の利下げ時期は、9月以降と予想」
2日22:45 パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長
「予想外の労働市場の軟化は行動のきっかけになり得る」
「物価はディスインフレ傾向再開を示すようになった」
「インフレのさらなる進展を見たい」
「最新のデータは賃金の面で改善の道を進んでいることを示している」
「最新のPCEは2.6%で非常に大きな進展を示している」
「早すぎるとインフレに関してこれまで行ってきた取り組みが台無しになる可能性」
〔解説〕
ハト派的な発言と解説する識者も複数いたが、「台無しになる」という文言があるため全体としてタカ派の発言です。とはいえ、徐々にタカ派ニュアンスは緩んできています。
2日22:49 ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁
「ユーロ圏のインフレは正しい方向に向かっている」
「サービスのインフレが2%になる必要はない」
3日02:07 マクルーフ・アイルランド中銀総裁
「2回の利下げは少々行き過ぎかもしれないが、可能性は否定できない」
※時間は日本時間
要人発言に関する報道
❏パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長
— 蝦夷守 (@heenheen) July 2, 2024
「予想外の労働市場の軟化は行動のきっかけになり得る」
「物価はディスインフレ傾向再開を示すようになった」
「インフレのさらなる進展を見たい」
「最新のデータは賃金の面で改善の道を進んでいることを示している」… pic.twitter.com/LsYaFlt17H
〔解説〕 まずパウエルFRB議長のインフレ発言で+2.6%といったのは、PCEコアデフレータ(前年比)です。この事は重要で、FRBが数あるアメリカのインフレデータで最重要なのがどれかを教えてくれます。
米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は、最新の経済データはインフレが再び鈍化傾向をたどっていることを示唆していると指摘。ただ、当局者らは利下げに動く前にさらに多くのデータを目にしたい考えだと付け加えた。
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為替相場が大きく揺らぐとき、そのキッカケになるのは「要人発言」や「報道(ニュース)」になるケースが多いです。パンデミックも、リーマンショックも、中東リスクもこうした情報が発端となりました。それゆえ要人発言は観察しておく価値があります。