前営業日の米国市場の総括です。
為替を知るには株式市場、長期金利、商品市場の知識が必要になります。
相場の何故?を知ることで、トレードは優位になります。
たとえば米国株が値動きした理由を知る事で、明日のドル相場のヒントが得られるでしょう。
〖項目〗
1. 米長期金利/国債市場
2. 米株式
3. 米原油先物(オイル市況)
4. 米金先物(ゴールド市況)
5. 米為替市場 NY時間の為替概況
※他市場を知っていただきたいため、為替概況は最後に載せています
〔米長期金利/国債市場〕
13日の米国債券相場で長期ゾーンは3日続落。表面利率4.000%の10年物国債利回りは前営業日比0.04%高い(価格は安い)4.19%で終えた。明日14日の2月米卸売物価指数(PPI)や同月小売売上高など、米重要指標の発表を前にポジション調整目的の売りが優勢となった。なお、この日実施された30年債入札は「好調」と受け止められたものの、相場の反応は限られた。
【終値】
米2年債利回り:4.6282(+0.0420)
米10年債利回り:4.1918(+0.0411)
米30年債利回り:4.021(+0.0075)
終値の利回りと上記文章の利回りは異なる場合があります。
〔米株式〕
13日の米国株式市場でダウ工業株30種平均は3日続伸。終値は前営業日比37.83ドル高の39043.32ドルとなった。米経済のソフトランディング(軟着陸)への期待から買いが入った。ただ、米長期金利が上昇し投資家心理の重しとなったため、指数は下げに転じる場面もあった。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は反落し、同87.87ポイント安の16177.77で取引を終えた。米長期金利が上昇したことで、高PER(株価収益率)のハイテク株には売りが出た。
〔米原油先物(オイル市況)〕
13日のニューヨーク原油先物相場は5営業日ぶりに反発。ニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)のウエスト・テキサス・インターミディエート(WTI)4月限の終値は前営業日比2.16ドル高の1バレル=79.72ドルとなった。この日発表された米エネルギー省(EIA)週間石油在庫にて原油在庫が減少したことが明らかとなり、需給の引き締まりが意識されて買いが優勢となった。
〔米金先物(ゴールド市況)〕
13日のニューヨーク金先物相場は反発した。ニューヨーク商品取引所(COMEX)で取引の中心となる4月限の終値は前営業日比14.7ドル高の1トロイオンス=2180.8ドルとなった。不安定な中東情勢を背景に、安全資産とされる金に買いが入った。
〔為替(ニューヨーク時間)〕
13日のニューヨーク外国為替市場でドル円は小幅ながら続伸。終値は147.76円と前営業日NY終値(147.68円)と比べて8銭程度のドル高水準だった。日本時間夕刻に一時148.05円まで上昇した影響が残った。ただ、前日の高値148.12円が目先レジスタンスとして意識されると徐々に上値を切り下げる展開に。日銀の早期政策修正観測が高まる中、円買い・ドル売りが入りやすい面もあり、2時過ぎには147.46円付近まで下押しした。
なお、日経新聞が報じたところによると、日銀は来週18-19日に開く金融政策決定会合でマイナス金利政策を解除するか議論する。2024年の賃上げ率は昨年を上回る見通しで、2%の物価目標を安定的に達成できる確度が高まったという。
もっとも、引けにかけては再び強含んだ。米長期金利の指標となる米10年債利回りが4.19%台まで上昇すると円売り・ドル買いがじわりと強まった。
ユーロドルは上昇。終値は1.0948ドルと前営業日NY終値(1.0927ドル)と比べて0.0021ドル程度のユーロ高水準だった。本日は主要な米経済指標の発表がなく、明日14日に発表される2月米卸売物価指数(PPI)や同月小売売上高などインフレや個人消費の動向を示す指標待ちの状態となり、しばらくは大きな方向感が出なかった。
米30年債入札が「好調」だったことが伝わると、米長期金利が上昇幅を縮めたためドル売りが進行。2時過ぎに一時1.0964ドルと日通し高値を更新した。ただ、米長期金利が再び上昇すると1.0946ドル付近まで上値を切り下げた。
なお、欧州中央銀行(ECB)はこの日、政策金利の運営枠組みの見直しを発表。銀行が中銀からお金を借りる際の金利条件の変更などを含むが、市場では「政策金利の見通しに影響を及ぼすものではない」と受け止められ、相場の反応は限られた。
ユーロ円は続伸。終値は161.77円と前営業日NY終値(161.35円)と比べて42銭程度のユーロ高水準。ただ、NY市場に限れば161円台後半での狭いレンジ取引に終始した。21時過ぎに一時161.95円と日通し高値を付けたあとは、新規材料難から様子見ムードが広がり161円台後半でのもみ合いとなった。
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