〔米国〕雇用統計 事前考察&ドル相場について | ファンダメンタルなアウトローのFX

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米・雇用統計が発表されます。ファンダメンタル分析の側面で事前考察しました。

ドル相場に関しても、見通しを書いていますので、参考にどうぞ。

 

投資判断は、ご自身の責任で行ってください。

Fundalia(ファンダリア)

 

 

 

 

  背景

 

3/20FOMCの参考データになります。現状、FRBは3月に利下げを実施する意向はありません。しかし、年内(年後半)に利下げをおこなう意思はもっています。一昨日の議会証言でも、パウエルFRB議長はそう述べていましたし、FRB要人の多くが年内に数回の利下げが必要と示唆しています。 

 

では、それがいつになるのか?早まるのか、遅くなるのか?それを確認することとなります。

 

 

6/12FOMCで利下げ確率が74.4%になっている

 

 

現在、金利市場では6/12から7/31に最初の利下げという予測になっています。この予測が雇用統計データによって、どう揺らぐか?今夜のドル相場に関わってくるでしょう。非農業部門雇用者数や平均時給の動きが注目されます。

 

 

 

  FOMCの利上げ動向を見定める

 

FOMCの決定を見定めるうえで、失業率とインフレ率を比較することは役に立ちます。インフレ率が失業率を下回れば、景気減速のサインと分析できます。景気が良ければインフレ率は上昇し、失業率は下落(改善)し、両者に乖離が生まれます。2022年頃がその典型でしょう。

 

逆にクロスを描いてインフレ率が失業率より下がればどういうことでしょう?

CPIコアを失業率が上回るなら、一定の景気後退が見込まれます。リセッションかどうかは、別の問題ですが・・・

 

クロスを描けばFRBが利下げに動く理由の1つになるだろう

 

 

下記グラフは、仮計算の実質賃金です。「平均時給-CPIコア」(ともに前年比)で求めました。

アメリカの実質金利は、長らくマイナス圏でしたが2023年末にプラス圏となりました。つまり賃金がインフレを上回る状況になったという意味です。今回のケースでは、インフレがそこまで下がったと言えるでしょう。これもFRBが利下げに動く理由になりつつあります。

 

ただしかし、インフレ率&賃金そのものがまだ強いこと、実質賃金がプラスになると消費が強くなって景気を支えるため、FRBは軽々に利下げに動けない事情があります。実質賃金がプラスなのは良いことですが、もっと雇用が弱くなる必要があるでしょう。FRBも同じことをアナウンスしていました。

 

 

FRBは利下げの為には、雇用がもっと弱くなる必要があると述べています。それが満たされるか否か?今回の注目点になります。

 

 

 

  ドル相場への影響

今回の雇用統計は、『FOMCがいつ利下げに踏み切るのか?』を観察できるデータとして機能するでしょう。パウエルFRB議長は「3月利下げの可能性は低い」と言っていましたが、それは本当なのか?では5/1か6/12なら利下げはあるのか?という問いに答えるデータとなります。

 

今回の雇用統計は、3/6議会証言の内容と照合され判断されるでしょう。投資家達の頭の中には、「徐々に利下げが近づいている」とあります。もし雇用データがこれを満たすものであれば、ドル売りが加速するでしょう。

今週に入ってドル/円は既に3円ほど下落しました。そうした空気感がマーケットにあるのでしょう。もちろん日銀の利上げ予想も含まれていますから、全てでないものの、FOMCの早期利下げ予測も織り込まれています。

 

もし、5月利下げ論が復活したならばドル相場は大きく値崩れするでしょう。

基本的に、FOMCへの影響を踏まえて為替は値動きします。発表データに対して、為替は素直な動きになるでしょう。

 

 

ご参考になさってください。

 

 


個人投資家には、ファンダメンタル分析が必要だ!

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